女神たちは意見が合わなかった。
リアナはその夜、眠れなかった。
恐怖からではない。
疲労からでもない。
あの日以来初めて、
彼女の心の声が一つに合わなかったからだ。
「あの人間は危険よ。」
沈黙を破ったのはヘラの声が最初に響いた。
毅然として、冷たく、揺るぎない声だった。
「彼は見るべきでないものを見なかったのよ」とイシスは冷静に答えた。「ただ亀裂に気づいただけ。避けられないことだったのよ。」
「亀裂は扉になるのよ」とヘラは反論した。「そして扉は…悲劇に終わるのよ。」
リアナはベッドの中で寝返りを打ち、シーツを握りしめた。
「やめて…!」と彼女は囁いた。「聞きたくないわ。」
するとフレイヤは静かに笑った。
「つまり、あなたは気にかけているのね。」
リアナの胸が締め付けられた。
「もちろん、気にかけているわ…」と彼女は呟いた。
一瞬、沈黙が訪れた。
それからトヨタマ姫が、夜の潮のように柔らかな声で口を開いた。
「神秘に近づく者は、必ずしも力を求めているわけではない。」
「時には…真実だけを求めることもある。」
「そして真実は滅ぼすのだ。」コアトリクエが口を挟んだ。
彼女の声は重く、古風で、血に染まった大地のようだった。
「私は、たった一つの疑念によって帝国が滅びるのを見てきた。」
リアナはすっと背筋を伸ばした。
「彼は帝国なんかじゃない!
ただの…普通の人よ!」
ヘラは無感情に答えた。
「その通り。」
空気が重くなった。
「リアナ」イシスは優しく言った。「彼が善か悪かなんて議論しているんじゃない。
「私たちが決めているのは、
彼があなたの近くで生き残れるかどうかよ。」
リアナの心臓が激しく動いた。
「何…どういう意味?」
フレイヤは言葉を濁さなかった。
「あなたが目覚めれば目覚めるほど、
隠すことは難しくなるわ。」
「そして、感情の絆は共鳴を増幅させるのよ」とトヨタマ姫は付け加えた。「平穏な時も、災難の時も。」
リアナはダリエルの視線を思い出した。
それは野心ではなかった。
貪欲ではなかった。
それは不安だった。
「それで…」彼女は囁いた。「
私はどうすればいいの?」
「彼から離れればいいの?」
「ええ」ヘラはためらうことなく答えた。
イシスはためらった。
「必ずしもそうではない…」
コアトリクエがようやく口を開いた。
「運命は避けられないものよ。」
「あなただけが…」どう壊すか、自分で選んで。」
リアナは頭を下げた。
「こんなことは望んでいなかった…器になりたくなかった。」
女神を自分の中に閉じ込めたくなかった。
静寂が戻った。
そしてイシスが、胸を締め付けるような優しさで口を開いた。
「でも、あなたは人々を救うことを選んだの。」
「逃げないことを選んだの。」
「あなたは恐怖を感じた…それでも行動したの。」
リアナは目を閉じた。
「なら…私もこれを選ぶわ。」
声が静まった。
「ダリエルと別れるつもりはない。」
「でも、まだ彼に真実は話さないわ…」
フレイヤは微笑んだ。
「それは危険な決断ね。」
「わかってるわ」とリアナは答えた。「でも、私のものよ。」
外では、夜がゆっくりと忍び寄っていた。
リアナは知らなかった…
しかし、村の別の家で、
ダリエルは自分の手が震えるのを見ていた。
なぜなら、彼女と話した後…
彼の中で何かが
変わってしまったからだ。
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