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第27話《4日目》その5



 「お待たせしましたぁ〜! ポテト盛り合わせで……っっ!?」


 

 店員さんが顔を引き攣らせながらポテトを置いて足早に去っていった。そりゃそーだろ!


 「重いよ美沙希ちゃん、早くどいて下さい!」

 「だって! 本当に参謀さんの言う事聞けば上手くいくの?」

 「ハァハァ、……大丈夫です、任せて下さい! だけどこの作戦には多少なりとも演技力が必要となります」



 白河は起き上がり未来乃に手を差し伸べた。未来乃は起き上がると俺の隣に戻り肩で息をしていた。重かったんだな



 「演技をするの? 全然自信ないんだけど平気かなぁ?」

 「まぁそれは置いといて、作戦と言うのは……



 未来乃はさっそくポテトをつまみながら喋り出した。


 「決行日は明日の夕方にしましょうか? 相沢くんの練習終わりに、んー、場所はここで良いですよね? まずは待ち合わせをして下さい。それで『ちょっと困った事があるの、嶺井と未来乃ちゃんは遊びに出掛けていて来れないみたいだから相談に乗って欲しいんだけど』と、明日のお昼に相沢くんが休憩してる時間を見計らってメッセを送って下さい」


 「うん、でも来てくれるかなぁ、大会も近いし練習も最後の追い込みとかじゃないかなぁ?」

 「来るに決まってるじゃないですか? 好きな人の一大事ですよ! それで来ない様ならとっとと諦めて新しい男見つけましょう」


 「……参謀さん? なんか投げやりじゃない?」

 「大丈夫です! 間違い無く走ってここに現れますからご安心下さい」


 「それで来てくれたら私は何を言えばいいの? えっ、待って! 二人きりで会うの?」

 「心配しないで下さい。私達は見えない所で待機してますから!」



 喋りながらもポテトを食べる手が止まらない。私達はって事は当然明日俺も待機するんだよね?



 「それで相沢くんがやって来たらこう言って下さい。

 『昨日告白して来た人が凄い言い寄って来るの、それでどうしても明日会いたいって言って来るから断れなくて、……どーしよう?』

 これを莉人くんによくやってた上目遣いでお願いします」


 「えっ、私、嶺井にそんな事やってないよ?」

 「お前は無意識にやってんだよ! おかげで毎回ドキドキしてたんだからな! イテッ!!」



 余計な事を言ったらしい、未来乃に睨まれ脇腹をつねられた。てかハードル高いな、白河に出来るか?



 「そしたら絶対相沢くんならほっとけません! 明日俺も行くなり、もしくはその場で告白されるかも知れませんよ! 『もう俺の女なんだから行かなくていーよ』みたいな♪」

 「えーっ、そんな上手くいくのかなぁ?」


 「いきます! 熱血体育会系主人公属性の彼ならこんな美味しいシチュエーションを逃すハズがありません。彼は今、意固地になってるので何かキッカケが欲しいんです!」



 確かに相沢なら、と言うか俺でもほっとけないかもな、流石は参謀、あとは白河の演技力次第ってトコか。



 「そして追い討ちをかける様にタイミングを見計らって私が画像を送ります。これで完璧です!」



 そう言ってスマホの待ち受け画面を見せ……ってオイッ! この前のツーショじゃないか! しかも肩を組んで密着してるヤツ!! それを見た白河は目を細めて俺を見た。



 「嶺井さぁ、ここまでやって付き合わないとかなんなの? 肩なんて抱いてデレデレしちゃってさぁー、あっ、でも、この画像を見せれば相沢くんも意地張る必要も無くなるよね?」

 「正解です! ここで得意の上目遣いで『ねぇ、私達も……付き合っちゃう?』これで流石のイケメンもイチコロです!」


 「もうっ、得意とかじゃないからっ! しかもちょっと私の真似してるでしょ? 

 …………でも、なんかイケる気がして来たわ!」



 なんか白河、拳を握りしめてやる気マンマンだけどさ……、ちょっと気になる点があるから聞いてみた。


 

 「ちょっと待った! もし相沢が告白しないで明日その男に会いに行くってなったらどーするんだ?」

 「その時は莉人くんがそこで待ち構えて、二人の前で私と付き合うって宣言して下さい。そしたらいい加減納得してくれるハズです!」


 「お前、……もしかしてそれが狙いなんじゃ無いのか?」

 「まぁ、そうなったら願ったり叶ったりですが、相沢くんはかなりの高確率で告白すると思いますよ、但し美沙希ちゃんの演技次第ですが……」



 それを聞いてさっきまでの威勢の良さは何処行った? とばかりに不安な顔で未来乃にすがりついた。



 「どっ、どうしよう。私、小学校の学芸会で『シンデレラ』をやるハズだったんだけど……、あまりに酷くて『白雪姫』に変更になったって黒歴史があるんだけど、大丈夫かな?」

 「それは、……ただ寝てるだけでセリフがほとんど無かったって事ですよね? これは想定外です、援軍からはその様な情報はありませんでしたから」


 「でも、やらなきゃ私の楽しい夏休みはやって来ないって事だよね? 流石に小学生の頃よりはマシになってると思うんだけど……」



 俺達は中学で出会ったから白河の演技なんか見た事なかったもんな。まぁ勉強は勿論、運動だって平均並みに出来るから大丈夫だろ?



 「じゃあ、とりあえず練習する? ぶっつけ本番だと不安ですよね?」

 「ありがとう! 私、相沢くんと付き合えるなら頑張るよ!」



 未来乃は白河のスマホにセリフを送った。それを見て白河は何度も復唱している。そして大きく深呼吸をした後、真剣な表情で俺達を見て言った。



 「私、二人が納得するまで何度でもやるから! 駄目だと思ったらちゃんと言って欲しいの」

 「わかったよ、美沙希ちゃん。それじゃ莉人くんは相沢くん役ね、先ずは入り口からこっちに来て『どうした白河、何かあったか?』から始めましょう」




 えっ、……俺もやるの? 相沢役は未来乃がやらなきゃ駄目出し出来ないだろ?

 

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