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第25話《4日目》その3



 「ねぇねぇ、これから私も麻倉さんの事『未来乃みらのちゃん』って呼んでもいいかな? 私の事も『美沙希みさき』って呼んで欲しいし♪」

 「是非呼んで下さい、私達友達なので! でもまさか白河さんが私の事名前で呼んで、しかも私があの巨大な壁だった白河さんを名前で呼ぶ日が来るなんて! あぁ、夢にも思いませんでした!」



 未来乃、お前大袈裟なんだよ!



 「ちょっと! 私が身長高いからって『巨大な壁』は無いでしょ?」


 頬をプクッと膨らませる白河に対して未来乃は慌てて否定しなだめている。


 「違いますっ! 私が莉人くんと付き合う為には乗り越えなければならない『巨大な壁』だったって事です! 美沙希ちゃんは『一見しっかりしてるけど天然』援軍からの報告通りです!」


 「未来乃っ、まさかお前白河の事も……」

 「はい、私の援軍こと相沢くんから入手しています。『見た目はクールに見えるがドジっ子』とかヒロイン属性全開です!」


 すると白河は未来乃に詰め寄り両肩に手を掛け、


 「相沢くん、私の事そんな風に言ってたの? おっちょこちょいなのバレ無い様にしてたつもりなのにっ!」


 ……イヤイヤ、俺達何年一緒に居ると思ってんだよ、バレバレに決まってるだろ?


 「大丈夫です、人はギャップに弱い生き物なんです。現にここに居る莉人くんはそんな美沙希ちゃんにメロメロでしたから」

 「お前何言ってんだっ! ……まぁそんな白河を見て可愛いなって思ってたけど」


 「莉人くん、正妻の前で元カノ…………イヤ、元好きだったけどフラれた人を可愛いだなんてデリカシーが無さ過ぎです!」

 「まだ正妻じゃないだろっ? それにずっと好きだったんだからしょーがないじゃん!」


 「あっ、開き直りましたね! ……てか今、()()正妻じゃないって言いましたよね! 実はもう心の中では私を受け入れてくれてるんじゃ無いんですか? 莉人くん、どーなんですか?」

 「あーもうっ、うるさいっ、早く食べろっ!」



 それを聞いていた白河が腹を抱えて笑い出した。



 「あははは はははっ♪ 可笑しい! 夫婦めおと漫才みたいじゃない! でもなんかちょっと妬けちゃうな、私と居る時より嶺井、楽しそうなんだもん!」

 「バカッ、そんなんじゃないって! 白河は天然だけど未来乃は俺がツッコむの前提でワザとボケてるからツッコんでるだけだって!」


 「え? 私、……天然じゃないけど?」

 「そーゆートコが天然なんだよ!」

 「あー、私を除け者にして今度は二人でイチャイチャですか? それとも焦らしプレイですか?」

 「いーから食え! いらないならその卵焼き貰うぞ!」



 俺は未来乃の弁当箱から卵焼きを一つひょいと取って口に入れた。……っ! ウマッ、俺好みのちょい甘だ!


 「ふふふっ、今日の卵焼きは昨日と違って莉人くん好みのちょい甘です。気に入ってくれたのならもう一つどうぞ♡」

 「……まさかそれも相沢か?」

 「はい、リサーチ通りです。とても優秀な援軍です、後で教室に戻ったらご褒美の新作グミをあげようと思います」



 それを見ていた白河がボソッと呟いた。



 「いいなぁ、……二人、仲良しで」



 そうだった。白河は相沢にフラれてたんだ。それなのに俺達は白河の目の前で……、やっぱり俺、デリカシーが無いのかな?



 「私ね、実は未来乃ちゃんの事ずっと前から気になってたの。だって隣のクラスを覗くといつも二人で楽しそうに喋ってるんだもん。

 もしかして未来乃ちゃん、相沢くんの事好きなんじゃないかって、相沢くんも私みたいなのより未来乃ちゃんみたいな可愛い子が好きなのかなって……、ごめんね、勝手に嫉妬してたの」


 それを聞いて未来乃は固まり口をパクパクしていた。あまりに驚いて何か言いたくても言えないんだろうな。


 「だからね、正直言ってずっと嶺井の事が好きだったって知ってホッとしたの、ごめんね、私、巨大な壁なんかじゃ無くて器のちゃちゃい奴なの」



 それを聞いた未来乃は箸を置き、白河の両手を握り締め、


 「私、なんか美沙希ちゃんに親近感が湧いてしまいました。まさか私に嫉妬してただなんて夢にも思いませんでしたし。まぁそんな事言われて内心喜んでる私の方が器がちっちゃいんですけどね」


 「なんか私達、似たもの同士なのかもね!」

 「そうかも知れないです、えへへ♪」


 二人は手を取り合って笑い合った。



 「おーい、そろそろ午後の授業始まるから戻ろうぜ!」

 「あっ、ちょっと待って、未来乃ちゃん、連絡先交換しよ!」

 「嬉しいです! はっ、またしても連絡先を聞きそびれる所でした!」


 未来乃は俺を見てペロと舌を出しウインクをした。二人は早速スマホを取り出して連絡先を交換している。

 

 「莉人くん、決めました! 私、これから美沙希ちゃんの事を全力で応援しようと思います。 美沙希ちゃんはこれから私の事を『参謀』とお呼び下さい! 必ずや『姫』の恋愛、成就させてご覧に入れましょう」



 何故か白河に向かって片膝をつき忠誠を誓った。時代背景がバラバラじゃないか?

 未来乃の援軍が相沢で、白河が姫、参謀が未来乃って、……もう何が何だか分かんないな!


 「ありがとう未来乃ちゃん! とても心強いわ!」

 「それじゃ美沙希ちゃん、放課後時間ある? もし良ければ三人でファミレスに行って『相沢城』を陥落させる作戦会議を開きませんか?」



 未来乃は悪そうな顔をして親指を立てた。なんかお前、悪代官みたいだぞ?



 「いーの? 嬉しい! 正直私どうしたら良いのか分からなかったから凄く助かるよ〜!」


 姫(白河)はまんまと悪代官(未来乃)にそそのかされているが、二人共楽しそうだからいっか!

 てか俺、行くなんて一言も言ってないんだけど? 

 しかも作戦会議って言っても、要は俺と未来乃が付き合えば全て上手くいくって分かってんじゃん。


 それにあの顔は何か良からぬ事を企んでそうで怖いんだけど……。


 

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