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第22話《3日目》その5

なろうラジオ大賞7参加しました。


『雨宿りはひと夏の恋が始まる予感?』テーマは雨宿りです。宜しければそちらも覗いて見て下さい!



 「莉人くん、……さよなら。私達、一緒に帰れないの。…………もう行かなきゃ!」



 「あぁ、……バイト頑張れよ!」




 放課後になり、帰り支度をしていると未来乃がやって来て下手な小芝居をして帰って行った。

 週二、三でファミレスのバイトをしていて結構忙しい店みたいだ。

 うーん、スマホで探してるけど中々都合の良いバイトって無いもんだな。よく考えたら夏休み短期とかじゃ無くて普通に探せばいいのか? どーせ俺帰宅部だし。


 教室を出て、スマホを眺めながら廊下を歩いていると見知らぬ子から声を掛けられた。



 「嶺井先輩っ、今、時間ありますか?」

 「あぁ、……うん。もう帰るだけだから」



 …………先輩とか言うって事は一年生か? 小っちゃくて可愛いらしい子だな。



 「あの、……えっと、白河先輩と別れたって噂を聞いて、私、…………入学してからずっと先輩の事が好きだったんです! 良ければその、…………付き合って下さいっ!!」




 うわっ、びっくりした! 高校入ってから初めて告白されたよ!

 ……あ、そー言えば未来乃にも告白されたんだった。フラれた直後でボロ泣きのインパクトが強すぎてカウントされてなかったよ。



 「……あ、えっと、ゴメンね。俺、そもそも白河とは付き合って無いし、それに今、気になってる子が居るから君とは付き合えないよ。でも、勇気出して言ってくれてありがとう」


 「……はい。突然こんな事言ってすみませんでしたっ!」



 その子は泣きながら廊下を走って行ってしまった。

 あーぁ、泣かせちゃった。こーゆーのはフラれる方も辛いけどフる方も心が痛いよな。可愛かったから尚更だよ。


 ん……? 俺、無意識に気になってる子がって、未来乃の事を思って言ったんだよな? まぁ恋人未満だしおかしくないよな? 

 それより学年が下だと俺と白河は付き合ってると思われてたんだな。 しかし噂が広まるのは早いなー




 ※




 母親と夕飯を食べ、朝出来なかったジョギングをして汗だくになって浴室に駆け込んだ。

 夜になっても気温下がらないなー、太陽が沈んだ分だけマシだけど。

 ほとんど水のシャワーを浴び、上裸パンイチでリビングをウロウロしていても、母親は相変わらずどハマりの韓国ドラマを見ている為、俺の方など見向きもしない。


 「母さん、おやすみー」

 「おやすみー♪」


 そう言って手は振るものの目は画面に釘付けだ。

 俺は冷蔵庫から麦茶を取り出して自分の部屋に戻った。



 部屋に戻りスマホを見るとメッセージが何件か入っていた。……全部未来乃なんですけど?


 『バイト終わったよー♪』

 『ただいまー♪』

 『シャワー浴びたよ♡』

 『ガーン!……全部未読無視っ!!!』



 そーいや学校から帰って一度もスマホ見てなかったよ。今までメッセなんて白河か相沢位しか来なかったから逆に新鮮だな。とりあえず返信しないと!



 『バイトお疲れ!』

 『飯食ってジョギングしてシャワー浴びてたから気づかなかった』



 するとすぐに既読がつき、『電話しても良いですか?』と来たので『いーよ』と返したらビデオ通話でかかって来た!



 『えへへ、放課後すぐに帰っちゃったので顔が見たくなりました♡』

 「おいおい、何で恥ずかし気もなくそんな事サラッと言えるんだよ? てか、家では眼鏡なんだな」




 ん?



 ……未来乃が固まっている。



 「んー、…………未来乃、どした?」

 『りっ、莉人くん、ハッ、ハダカです! まさか下もっ、履いてない……とかじゃないですよね?』

 

 あっ、ヤベッ、俺パンイチだったわ。


 「安心して下さい、履いてますよ!」

 

 俺は一時流行った芸人のセリフを吐いてスマホで全身を映した。


 『キャッ!? …………とか言うと思いましたか? 


 ウチは兄も弟も毎回そんな感じなのでビクともしませんよ! 弟なんて全裸の時もしょっちゅうですし。

 でも莉人くんのハダカはちょっとドキドキしました♡あとボクサーパンツ派なんですね。メモメモ♪』


 「ごめん、調子に乗ったわ、今、Tシャツ着るから」


 この手のギャグは滑るとめちゃくちゃ恥ずかしい。俺は慌ててTシャツにハーフパンツを履き画面を戻した。


 『ハダカで良かったのに! まぁしっかりとこの目に焼き付けましたので、今日のバイトの疲れはは吹っ飛びましたよ、ありがとうございます♪』



 ……何で喜ばれてんだ?


 「いえいえ、こちらこそ粗末なモノ見せてすみません」

 『とんでもない! やっぱりボクシングやって鍛えた体ってカッコイイですね! ウチ、弟はサッカーやっててそれなりですけど兄は思いっきりインドアなのでそりゃ貧相なモンですよ!』


 やっぱり兄と弟に挟まれてるとサバサバしたもんなんだな。…………て事は?


 「まさか未来乃も家では……っ!!」

 『あははっ、そんな訳無いじゃないですか! 莉人くん今、私の裸想像しましたね? 顔が赤いですよ、ふふっ♡』


 「ごめんっ、この話はもう終わりだ! 話題変えよう!」

 『全然いーですよ! 弟なんて私がお風呂入ってるの知っててワザと扉開けたりするし!』


 「ちょっと待て! ……弟って今いくつだ?」

 『中三ですよ。まぁ思春期ってヤツですよ、お姉ちゃんの裸見て興奮するとか可愛いじゃないですか♪』


 「……マジか? 俺、一人っ子だから兄妹ってそんなモンなのか?」

 『うーん、友達に言ったら「ありえない!」ってドン引きされたのでウチが特殊なんだと思います。

 私が小さい頃から弟を溺愛し過ぎたんですかね、えへへ。あっ、ちなみに兄には見せませんよ、兄は真面目なんで下ネタも言いませんし』



 下ネタはこの位にして俺達は今日学校であった事を話しながら俺のバイト先について未来乃があれこれ提案をしてくれた。

 未来乃が言うには、俺は人当たりが良くて体も鍛えてるので接客業か体育会系の仕事が向いてそうだと言い、そっちをメインに探す事にした。



 「未来乃、ありがとう。これで大分絞られて来たから見つかりそうだよ!」

 『良かった! 明日はバイトがないから放課後は一緒に何処かで喋りましょうね♪』


 「あっ、そうだ。放課後って言えば今日……」

 『えっ、何かあったんですか?』



 隠すのも良くないと思ったので放課後、一年の女子に告白された事を伝えたらみるみる顔が曇っていった。


 「心配するなよ、ちゃんと断ったからさ!」

 『心配してるのはそこじゃないです! あぁ、恐れていた事が起こりました!』


 「何だ? ……何を恐れてんだ?」

 『その子、白河さんと別れたってって噂を聞いたんですよね? って事はもう学校中に破局説が広まってるって事ですよ!』


 「破局って何だよ、そもそも俺達付き合ってないし!」

 『あんなの傍から見たら付き合ってる様にしか見えませんよ! いつも一緒でイチャイチャと……』


 「イチャイチャなんてしてないっつの!」

 『まぁそれは置いといて。明日も莉人くんに告白してくる子がもしかしたら複数人来ます。断言します! 勿論、その倍白河さんにも男達が群がると思いますけど』


 「んな訳ないだろ? 俺、高校に入って未来乃が初めてだったんだぜ、告白されたの」

 『そりゃそーですよ! だいたいの人は白河さんと付き合ってるって思ってたんですから、莉人くんに告白なんてする訳無いじゃないですか! 莉人くんは自分の事過小評価し過ぎてます!』


 「んー、そんなもんなのかな? よく分かんないわ」

 『そりゃ相沢くんと比べたら劣りますけど、莉人くんの事を気になってる子って割と居るんですよ!

 私、莉人くんの事ずっと見て来たからそーゆーの察知する能力がズバ抜けてあるんです!」


 「そ、……そうなのか? そんなの全然気付かなかったよ!」

 『そりゃそーでしょ! だって隣であれだけ好き好きビームを放ってたって存在すら認知されてなかったんですからねっ、私っ!』


 「だから悪かったって! 本当ゴメン!」

 『まぁいーですけど、今はちゃんと私の事見てくれてますから♪

 それに幸いな事に明日行けば夏休みです! 明日さえ乗り切れば……』


 「乗り切れば、……なんだよ?」

 『乗り切れば夏休み中に私達、……ねっ♡』



 「……っっ!! もういい、分かった! 切るぞ、おやすみ未来乃っ!」

 『あははっ、おやすみなさい莉人くん♡』



 通話終了をタップして俺はベッドにダイブした。

 白河はともかくそんな事ある訳ないっつの!!

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