第15話《2日目》その6
「はぁ〜っ、なんか今日だけで四年分話した気分です! もう夢の様です!」
「大袈裟なんだよ。それにこれからはいつでもこれで話せるだろ?」
俺がスマホを掲げて見せたら嬉しそうに自分のスマホを見つめて、
「そうでした! これからは私が話をしたい時はいつでも繋がるんですよね? ……あっ、それならずっと通話状態にしておけば良いんじゃないですかね、ふふっ♡」
「そんな事したら未来乃が風呂入ってる時やトイレの音も聞こえちゃうんだぞ? まぁ俺のもだけど」
「それはマズいですね! ……でも、お風呂の音位は聞かれても良いですよ。だって私達もう『友達以上恋人未満』ですから!」
舌をペロと出して悪戯っぽく笑った。でも風呂の音ってなんだ? 響きはエロいけど?
「ところでさ、『友達以上恋人未満』ってなんなんだ? 曖昧でよく分からないんだけど?」
「んー、そう言えばなんでしょうね? 私の感覚では昨日までの莉人くんと白河さんみたいな関係ですかね? 見ればいつも一緒にいるみたいな?」
ふーん、俺と白河ってそんな感じだったんだな。
「だけど俺達、放課後は一緒に帰ったりしてたけど、休みの日は二人で何処かに出掛けたりとかは殆どしてないぞ?」
「そーなんですか? てっきり休みの日も一緒だと思ってましたよ! それなら私の方がワンランク上ですね!」
今日イチのドヤ顔で俺を見て、満足気におかわりして来たアイスティーを飲んだ。
「なんだそれ? 『友達以上恋人未満』にランクがあるのか?」
「はい、休みの日に二人で何処かに出掛けたりするのは必須です。やりましたよ! 認知もされて無かった所からたった二日であの白河さんより上になれるんですね!」
「お前、白河にやたら対抗意識燃やしてるな?」
「そりゃそーです! 白河さんは私が絶対に越えなければならない壁なんですから!」
未来乃はボルダリングをするかの様に壁によじ登る真似をしておどけて見せた。
その後俺達はバカ話も交えて夏休みの計画を立てた。近場で開催される花火大会やお祭りを一通りチェックしたら割と頻繁にある事が判明した。それプラスプールや水族館にも行きたいとなると、未来乃の予定のある日以外はほとんど二人で過ごす事になりそうだ。
※
〜その日の夜〜
俺は晩飯を食べシャワーを浴びた後、ベッドの上で夏休みの間にやる短期バイトを探していた。いっぱい遊ぶと言う事はいっぱい金がかかると言う事だ。
未来乃は高一の夏休みからファミレスでバイトをしていて、予定がある日と言うのは殆どがバイトだったりした。
すると未来乃から『電話しても良いですか?』のメッセが来た。『いーよ』と返すと速攻でかかって来た。
『えへへ、電話しちゃいました♪』
「んー、どーした? 昼間いっぱい喋っただろ?」
『ガーン、恋人未満の私との初めての電話なのに、そんなそっけない言い方あります? もう今夜眠れそうもありません、このまま朝までお話しして下さい!』
「何言ってんだ? 無理に決まってんだろ! ……で、何かあったのか?」
『いえ、何も無いですけど、強いて言うならスマホから聞こえてくる莉人くんの声を聞いてみたかった、ですかね♡』
「よくもまぁ恥ずかしげも無くそーゆー事言えるよな? そんな事言われ慣れてないから背中がムズムズするよ」
『恥ずかしい事なんて無いですよ、莉人くんには私の全てをさらけ出した上で好きになってもらいたいですから。だから莉人くんも思った事はちゃんと口に出して下さいね、それが私達が仲良くなる為の第一歩ですからね』
昼間も思ったけど改めて未来乃は真っ直ぐに自分の気持ちを伝えて来て凄いよな。でもちゃんと言ってくれた方が気持ちは伝わるもんな。俺はまだ恥ずかしいのが勝って言えないけど……。
『ところで莉人くん、今日白河さんが相沢くんに告白するって言ってましたけど……、その後連絡はありましたか? やっぱり元カノ……じゃなく元恋人未満の事は気になります。しかも相手が私の援軍でもある相沢くんだから尚更です』
さては未来乃、これが聞きたかったから電話して来たんだな?
「いや、……まだ二人から連絡は無いよ。でも今頃上手くいって俺の事なんか忘れて二人で電話でもしてるんじゃないの?」
『またっ! すぐそーやって自分を卑下するっ! 良くないですよ、でもまぁ少しずつ直していきましょうね♪』
「まぁ俺の事は置いといて、大丈夫だろ? 明日学校であったら相沢に聞いてみればいーよ」
『そーですね、明日いっぱい冷やかしてあげます!』
そんなこんなで二十分程喋った後電話を切った。
どうせ上手くいくだろうと思って結果なんて気にもしてなかったが、白河はともかく相沢から位は報告が来てもいいんじゃないか?
なんて思ってたらメッセが来たのは意外にも白河からだった。
そして中身は更に意外な結果だった。
『相沢くんに聞いてるかもだけど、……ダメだった。骨、ちゃんと拾ってね』




