16 フットサル 西浜家5人目の選手
冬の空がよく晴れた日曜日。
海沿いの小さな公園のフットサルコートに、西浜家の姿があった。
「よーし、今日は家族対抗戦だ!」
青がボールを掲げる。
「対抗って四人だけど?」
ナギが笑う。
「大丈夫、助っ人がいる」
その瞬間、白い毛玉が一直線にボールへ突進した。
「シローー!!」
2代目シロ――まだ子犬の体で、全力のドリブル(という名の追いかけ回し)を始める。
「ちょ、試合前!」
航太が追う。
「待ってー!」
櫂も追う。
開始一分でゲームは成立しなくなった。
なんとかボールを回収し、キックオフ。
青が軽くパスを出し、航太が受ける。
櫂が横から奪いに行く。
「父ちゃん見て! シュート!」
ころころと転がるボール。
ゴール寸前で、白い影が飛び込んだ。
シロが誇らしげにくわえて走り去る。
「……持っていった」
青が遠い目をする。
「五人目の選手、反則多いね」
ナギが笑う。
試合再開。
今度はナギがボールを受け、海風に揺れる髪を押さえながら軽やかに運ぶ。
青が守ろうと近づいた瞬間――
ふわりとボールが浮いた。
柔らかな弧を描いて航太の前へ落ちる。
「すげー!」
「母ちゃん魔法みたい!」
ナギは微笑むだけ。
海の気配がほんの少しだけ漂った気がしたが、誰も深くは触れない。
最後の一球。
航太が蹴り、櫂が追い、青が止めようと足を出し――
その全部をすり抜けて、
シロがボールを押し込んだ。
ころん、とゴール。
沈黙。
「……勝者、シロ」
青が宣言した。
子どもたちは歓声を上げ、ナギは笑いながら拍手する。
当のシロは何も分かっていない顔で尻尾を振っていた。
帰り道、夕陽が海に沈みかけている。
青がボールを抱え、ナギがシロを連れ、子どもたちがその前を駆ける。
「またやろうね!」
「次は勝つ!」
にぎやかな声が潮風に乗って広がった。
西浜家にまた一つ、
家族全員で笑った日の記憶が増えていく。
それはきっと、どんな試合の勝敗よりも大切な、
彼らだけの得点だった。
了
青、ナギ、航太、櫂 一家のフットサルを書いてみたかったです。2代目シロも登場です。
サッカー観戦というより、私はキャプテン翼Jというアニメにハマり、サッカーのルールを大まかに知ることができました。
キャプテン翼は80年代にアニメで放映され大人気だったようですが、私はキャプテン翼Jを見てその人気の秘密が分かりました。
そりゃ、マンガを描ける人は同人誌を作りたくなりますねと納得しました。
そんなこんなで、西浜家もサッカーの代わりにフットサルをしたらどうなるかなと、AIに任せました。




