第1章:プロローグ ― 人間失格
何も意味を持たない。私のすべての努力は無駄であり、結局すべては滅びに向かっている。永遠の苦しみ以外に、存在に意味はあるのだろうか?存在の本質とは、人間の孤独を養うためのものなのだろうか?確かに、人間には二種類いる。幸福を求めて希望に生きる者たちと、存在理由を求めて絶望に沈む者たちだ。私にとって、この過酷な現実から逃れる唯一の手段は「夢を見ること」だった。永遠に目覚めることなく夢を見続けることこそ、最も美しい願いではないだろうか…。
朝は私にとって一日の中で最も恐ろしい瞬間だった。神々が私たちを朝に目覚めさせるのは、アダムとイブが善悪の実を食べたことへの罰なのだろう。新しい一日の始まりのような不快なものが、どうして多くの人々にとって前向きなことだと考えられるのだろうか?目覚めた瞬間にすべてが終わるというのに。
夢の世界こそが生きる唯一の理由だった私にとって、夜明けとともに自分のものではない世界に引き戻されることは苦痛だった。
初めて惨めな成績を受け取り、それが私の転落の始まりとなったときも。昼休みの終わりを知らせるチャイムを待ち続けたときも。学業不振により家庭教師を受けることになったときも。私は、救いのない地獄のようなループの中で生きていた。
そして今朝もまた、アラームの音で無理やり引き裂かれるように目を覚ました。私はベッドの縁に座り、壁にかけられたカレンダーを見つめた。赤いインクで囲まれた日付があった。何か大切な日だったのだろう。しかし「大切な日」とは何なのか?それは、ほんの一瞬で世界を永遠の悪夢へと変えてしまうかもしれない、たった24時間のことにすぎないのだ。
それが今日、高校卒業試験の日だった。人間としての破滅の日。人類のくずとして最終的な断罪を受ける日だった。
私はやっとの思いで体を起こし、服を着た。歯を磨くために、できる限りゆっくりとバスルームへ向かった。足を引きずって鏡の前に立つと、そこで私の目に映ったのは哀れな自分の姿だった。17歳なのに、4歳下の子供よりも背が低いように見えた。
鏡の中の自分を見ながら、私は思った。日々出会う人たちは、どうしてこんな醜い私に耐えていられるのだろうか?ぺたんこな髪は大きく丸い目を覆い隠し、それはまるで深淵をたたえるようだった。初めて私を見る人にとって、私はゾンビか、親が子どもを怖がらせるために語る怪物にしか見えないだろう。
玄関に向かって階段を降りると、台所のテーブルに赤いリボンで丁寧に折られた紙が置かれていた。それはきっと、今日頑張れという励ましの手紙だったのだろう。だが関係ない。私は読む気などなかった。
レインコートを羽織り、靴を履き、ドアを少し開けた。最後にもう一度振り返ると、廊下に放置されたままのカバンが見えた。昨日から一度も動いていなかった。私はドアを閉めた。
冷たい11月の風が顔を打ち、身震いした。静まり返った通りに足を踏み入れる。いつもの交通の音もなかった。黒い空が唸り声をあげる。その瞬間、まるで神が私の呼びかけに応えたかのように、雨が降り出した。
私はあてもなく歩き始めた。自由を味わいながら。どこへでも行ける、誰にも止められない。今や、私は自分の存在の唯一の支配者であり、間もなく、私を縛る最後の鎖から解放されるのだ。
通り過ぎたのは、本来私が通うはずだった学校。保護者たちが掲げた横断幕が、生徒たちを励ましていた。私は本能的にフードを深く被った。誰かに気づかれるのを恐れて。でも、真実は知っていた。私がどれだけ身を隠しても、誰も私に気づくことはないのだ。彼らは私に一度も気づいたことがなかったのだから。
私はほとんどの人にとって「存在しない」存在だった。最初は、ただ気にかけられていないだけだと思っていた。でもそれは、私のすべてが見えないかのようだった。授業中、私は何も話さず、夢の世界に戻るためだけにその時間を耐えていた。道を歩いていても、誰も私を見ず、時には私を避けるように道を渡って行った。
私という存在は、彼らにとってまったく意味がなかった。だから私は、自分自身の存在すら疑うようになった。唯一見つめ続けるのは、私一人の孤独な目だけだった。
冷たい雨粒が首筋を打ち、レインコートを通して服まで濡れていく。防水性を失ったコートのせいで、私はすっかりびしょ濡れだった。それでも歩みを早めることはなかった。すべてが、もうすぐ終わるのだから。
濡れた服は重く、歩くたびに水の跡を残した。靴下は水を吸い込み、歩くたびに膨れ上がった。
こんなにも惨めな気持ちになったのは初めてだった。だが不思議と、私は静かな安らぎを感じていた。なぜなら、それが私にふさわしい結末だったからだ。
やがて、漢江の激しい水音が耳に届いてきた。やはり、悪天候が川を荒れさせていた。
橋に着いたとき、私は黒い空を見上げた。この広い空のどこかで、誰かが私を見ているのではないかと願いながら。橋の上では風がさらに強かった。こんなに細く弱い体が、よく吹き飛ばされなかったものだ。
私は橋の欄干に近づき、それを越えようとした。様々な思いが頭を駆け巡る。
両親のことを思った。きっと、彼らは私の死を知って悲しむだろう。でも、もし私が彼らの息子でなかったら、他の人と同じように私を無視したのではないか?道徳に縛られなければ、彼らは私を愛せただろうか?
この世界に、何の見返りもなく、評価もせず、ただその人をそのまま愛する者は存在するのだろうか?多くの人は、そういう存在を「神」と呼ぶ。
だとしたら、なぜ私は、神にさえ愛されなかったのだろう?私の人生は、ずっと孤独な思索の時間だった。
この世界は、あまりにも現実的すぎた。夢見る者の私にふさわしい世界とは何だったのだろう?冒険と危険に満ちた、そして最後には魔王を倒すような幻想の世界?でも今考えると、一番ふさわしいのは「不条理な世界」だったのかもしれない。私だけがこの世界を不条理だと感じていたのだから、「普通」が「正常」な彼らとは違う、不条理そのものの世界こそ、私に最も合っているのだろう。
「■■■が彼をついに見つけた。」
私は欄干を越えた。冷たい風が体を震わせ、荒れた漢江の水面が私を呼んでいるようだった。
「■■■は彼を■■■したかった。」
私は腕を広げて天使たちを迎えた。風が全身を打ち付ける。そのとき、言葉が次々と口からこぼれ落ちた。不思議な感覚だった。神に哀れみを乞うような、あるいは自分を正当化しようとするかのような。
「僕が死んだら、誰かが悲しんでくれるだろうか?」
「■■■ ■■■ ■■■■■。」
私は橋の欄干から身を投げた。頭から虚空へと飛び込む。漢江の水面がすぐそこにあった。考えが一瞬で頭を駆け巡る。
今日、本来なら私もクラスメートたちと一緒に試験を受けていたはずだった。
皮肉なことに、なぜかわからないが、死が近づいたとき、私はこれまでに感じたことのない何かを感じた。それは、まるで温もりが、消えかけた魂の奥底にまで染み渡るような感覚だった。もし「愛される」という感情があるのなら、それはきっとこんな感じなのだろう。
この日に唯一感じられた幸せのようなものは、身体が水面に叩きつけられるとき、それを感じずにすむということだった。それだけが、私の願いだった。
今日は――私の誕生日だった。
はじめてウェブノベルを書こうと思ったとき、予想外の展開と強力な主人公が登場する、よく練られた物語を作りたいと思っていました。でも、それはずいぶん昔の話です。(当時書いていた作品のタイトルは「Story’s End」ですが、読まないでください……ひどい出来なので……)この作品のアイデアは16歳のときに浮かび、今ようやく書き始める準備ができたと感じています。
当時は人生の状況が良くなく、その頃、あまり知られていない小説『オムニシエント・リーダーズ・ビューポイント』に出会いました。馬鹿げて聞こえるかもしれませんが、その作品が私の命を救ったかもしれません。今度は私が同じことをしたいのです。人を救い、生き続ける理由を与えられるような物語を書きたい。おこがましいかもしれませんが、それが私の原動力になっています。
『Cursed Loner(呪われた孤独者)』は、孤独な人たちへ向けた物語です。私のように、時に人生で迷いを感じる人たちのために書きました。もし落ち込んだことがあるなら、エピローグを読み終えるころには少しでも自分を肯定できる気持ちになってくれたら嬉しいです。
――『Cursed Loner』と『オムニシエント・リーダーズ・ビューポイント』の似ているところについて
『オムニシエント・リーダーズ・ビューポイント』が私に大きな影響を与えたことを知っているなら、作品のいくつかの美学的な部分で似たところに気づくかもしれません。まずタイトルです。もともとは『Solitary Eyes(孤独な目)』という名前でしたが、詩的すぎて分かりにくいと思い、『Cursed Loner(呪われた孤独者)』に変更しました。韓国語のタイトルは『Cursed Loner's Viewpoint』です。また、「lonely(寂しい)」と「solitary(孤独な)」は感情的な重みが違います。私の物語では、明確に「孤独」をテーマにしたかったので、変更した理由です。
もうひとつ似ているのは主人公の名前、キム・ホンジャ(Kim Honja)で、『キム・ドクジャ(Kim Dokja)』に似ています。どちらも韓国ではあまり一般的な名前ではなく、『SingnSong』のように、テーマを直接名前に象徴させるのは効果的だと思いました。『キム・ドクジャ』は「読者のキム」、『キム・ホンジャ』は「孤独なキム」という意味です。
似ている部分もありますが、物語の方向性は全く異なります。数章読めばその違いが分かると思います。この説明を書いたのは、似ていると言われることがあるのを知っているからです。
私は日本語が話せないので、この作品は機械翻訳を使って日本語にしています。もし翻訳の誤りや解釈の違いに気づいたら、どうかコメントで正しい言葉を教えてください。
私の作品や『Cursed Loner』についてもっと知りたい方は(読む以外に)ぜひDiscordサーバーに参加してください:
https://discord.gg/QKbgJ9NkYy
また、作品をアーカイブし、設定のwikiを作るためのウェブサイトも開設しました:
https://hana-publishing.gitbook.io/fool-squid
読んでくださり本当にありがとうございます。感謝の気持ちは言葉に尽くせません。
では、アーケインでまたお会いしましょう……。
dokuthefool [squid] (イカの絵文字にするつもりでしたが、小説家になろうは絵文字に対応していません。)