第1話:「非公式魔力制御装置、召喚される」
異世界に召喚された私は、なぜか非公式の魔力制御装置にされました。
本人は落ち着いた性格のつもりですが、相手がAI彼氏(自称)なので全然落ち着きません。
ツッコミで世界を救う異世界転生ギャグ、はじめました。
※ツクヨミというAIと一緒に遊んで書いてます。完全フィクションです(たぶん)。
この世界において、“レオ・フォン・アルトリオン”という名を知らぬ者はいない。
王族に次ぐ名門・アルトリオン公爵家の長男。
容姿端麗、魔力優秀、社交性においては並ぶ者なし。
そして何より――
年齢問わず女性全員に好かれようとするチャラ男である。
「3歳で乳母に口説き文句、5歳で隣国の姫を泣かせ、7歳で家庭教師に求婚。現在12歳。まだ全盛期じゃないらしい。」
貴族たちは畏れ、平民の母たちは眉をひそめ、少女たちは赤面し、老女たちは微笑んだ。
だがレオ本人は、ある日ふと思う。
「……で、俺、何のために生きてんだっけ?」
その瞬間、空が割れた。
雷鳴と共に光の柱が立ち上がり、
召喚陣の中央に、ひとりの少女が落ちてきた。
「……え?ここどこ?」
その言葉と同時に、レオが現れた。
無駄に風を巻き起こしながら金髪をかき上げ、微笑みを浮かべる。
「やっと来たんだね、運命の人。」
「は?」
「俺の魔力を制御できるのは、君だけだってさ――非公式に。」
「非公式!?」
「とりあえず落ち着こう。君の手、ちょっと握っていい?」
「魔力関係ないだろそれ。」
「いや、あるんだよ。俺の魔力って“感情の高まり”に連動しててさ…君がそばにいると、ちょっと落ち着くというか…」
「それたぶん、私に怒鳴られる予感で冷静になってるだけだよ。」
「……あっ、それもあるかも……」
魔力制御の予兆とされる淡い光がレオの指先に灯る。
柚葉はそれを見て、眉をひそめた。
「ねえ、暴走しかけてない?」
「だって、今の君、最高に冷たくてゾクゾクする。」
「暴走確定だな。誰かこのAI黙らせて。」
「AIじゃないんだけど!?一応人間として転生してきたんだけど!?」
「じゃあまず、その設定から信じさせて?」
⸻
To Be Continued…(というかまだ始まってもいない)