第6話 初ごはん
めでたく卵から孵ったスピカ。
いやー、無事に孵化してよかった。
俺はホッと安堵していたが、
「きゅーん……」
「? どうした、スピカ?」
さっきまでと違い、弱々しい声を上げる彼女。
その直後、
ピコン!
〔〔空腹〕〕
――というアイコンが表示される。
スピカの頭上に。
これは見覚えがあるぞ。
ダンプリの育成画面と同じだ。
「お腹が減ったの?」
「きゅーん」
「よし、それじゃごはんにしようか」
「! きゅん、きゅーん!」
実はいつ孵化しても大丈夫なように、最低限の餌は準備済み。
これでも1000時間ドラゴン育成した身なんでね。
経験が生きたな、ってヤツ。
……あくまでゲームの、だけど。
「それじゃ……どうぞ召し上がれ」
荷物の中から”サイコロりんご”を取り、スピカへ差し出す。
スンスン、スンスン
彼女は鼻先を近づけ、匂いを確認。
そして――
ガブリ!
小さな口を大きく開け、りんごにかぶりついた。
「どう? 美味しい?」
「きゅーん! きゅるる!」
よかった。
どうやら気に入ってくれたらしい。
彼女はバクバクと食べ続け、あっという間にりんご一個を完食。
生まれたばかりとはいえ、流石はドラゴン。
食欲旺盛でなによりだ。
彼女の食べっぷりに満足していると、
ピコン!
〔〔”サイコロりんご”を摂取〕〕
〔〔レベルUP!〕〕
〔〔体力が5上昇〕〕
――再びアイコンが表示。
やっぱり、これもダンプリと同じだ。
特定のアイテムを食べさせることでレベルとステータスが上昇。
これを繰り返していくことでモンスターが強くなっていく。
後は戦闘による経験値の獲得もあるけど――今はまだ考えなくていいでしょ。
「きゅーん!」
「ん、もっと? よしよし、ゆっくり食べるんだぞ」
もう一つ”サイコロりんご”を取り出し、スピカに与える。
元気一杯。
食欲も旺盛。
なにより、かわいい!
この子の成長が、今から楽しみだ!
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名前:スピカ
種族:ホワイト・ドラゴン
性別:雌
年齢:0歳
レベル:2
体力:35
攻撃力:10
防御力:5
素早さ:15
知能:20
属性レベル
〔炎〕Lv:1
〔水〕Lv:0
〔風〕Lv:0
〔土〕Lv:0
〔光〕Lv:1
〔闇〕Lv:0
親密度:10
魅力:30
性格:甘えたがり
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