ホワイトデーとこいつ
実際、春なんて言われてもパッとこないほど気温の変化がはげしい今日。3月14日、今日は朝からかなり冷え込んでいた。
「あー--、寒い。昨日は20度近くまであったのに」
なんて、ぼやきながら朝の登校道を歩いていくと、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた
「おーい!まてって!」
「待ってもらうんじゃなくて走って追いついてきてー!」
「ったく」
そこからダッシュで来たが、全然息を切らしてないのが運動部って感じだ。
「で、そんなに急いでどうしたの?」
「い、いやさ。」
そういって、背負ってるカバンを地面において中をあさりだした。
「ほら、ハッピーホワイトデー」
差し出された手には、手の平いっぱいくらいのサイズをした袋箱がのっていた。
「お、ありがとー。さてさて、今年はなんだろうなー」
毎年あげているので、お返しが返ってくるのはもう慣れている。特に驚かないで箱を開ける。
「ん?なにこれ?」
中には、しっとりとした生地の明らかにチョコではない何かが入っていた
「バームクーヘンだよ。好きかなーって思って」
「あ、うん!好きだけど・・・どうしてバームクーヘン?」
「ん?あーいや特に意味はないよ。ただ家に余ったからさ」
「あまりものかい!まあ、いいけど。ありがとっ」
「おう。それじゃおれはこのまま走っていくわ!じゃ!」
「え、あ。うんーわかった」
そういってすごいスピードでかけていった。