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私とこいつ  作者: すい
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新年とこいつ


 年末年始の休み中は、学校に行きたいとか思ったこともあったが、いざ休みが終わって朝を迎えるとそんな気持ちは案外どこにもいないものだ。


 「げっ」

 「朝いきなりの一言目がそれかよ」

 「いや、まあね」

 「あけおめ。今年もよろしくな」

 「あ、うん。よろしく」


 朝から毒を吐いてしまったこいつは晃樹(てるき)。私はてるって呼んでる。

 同じマンションに住むいわゆる幼馴染、っていうか腐れ縁ってやつ。まあ、お互いバスケやってたりと本当に腐れ縁って感じだ。

 

 「今日は、てる遅いんだね」

 「あ、おう。ちょっと寝坊してな」

 「まだ、今日まで休みだと勘違いしてたとか?てるのことだし」

 「俺をお前といっしょにしないでくれ」

 「一緒って、、、私?!」

 「そうそう」

 「な訳ないでしょ」

 「そうか?やりかねないぞ?」

 「ま、まあ。言われてみると確かに...」


 カーンコーン。

 エレベーターのドアがあ開く。

ここから学校までは近いことに徒歩15分と言ったところだ。これが、あまりに近くてギリギリに出てしまう所以である。

 カーンコーン。


 「うわぁ、さむ」

 「玄関開けっぱなしだからな」

 「はぁ、誰だよ〜」

 「まあ、いいじゃん。目覚めだろ?」

 「うぅ、まあね」


 大寒波によって降った雪が、うっすらと歩道を覆う


 「そういえば、年始とかどっか行った?」

 「いやー、あ。初詣いったよ、近くのあのー神社」

 「あー、あの神社ね。家族と?」

 「うんー、なんで?」

 「いや、別に。俺もいったんだよね。」

 「あ、ほんとに?会わなかったね」

 「そりゃ、あの人だしな」

 「あー確かに」

 「俺さ、おみくじ引いたらさまさかの凶だったんだよね」

 「え、やば。凶とか入っているんだ」

 「マジそれな」

 「今年、運勢悪そうじゃんどんまーい」

 「ちょっとは心配してくれてもようくないか?」

 「いやだって、てるだし」

 「おい。」

 「ははは」

 「あ、でも。今日はいいことから始まったかも」

 「ん?それどういうこと?」

 「あ、いや。何でもない。ほら遅れるぞ」

 「あ、うん」


 朝から、好きな朝食でもでたのかな? 


 「朝ごはん好きなものだったの?」

 「は?なん言ってるの?」

 「違うのか。ちなみに私の朝ご飯はフレンチトーストだったよ」

 「いや、聞いてないけど。見かけによらずかわいいの食べてるな」

 「見かけによらずってなんだよ」

 「そのままだよ」


 そういって、てるは少し歩くペースを速めた。

ただの幼馴染って難しいですよね。

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