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死闘、ゴブリンキング

「エイレインさん、お願いします」


「フム。お前達を甘やかしたくはないが、そう何度も全滅されてはパーティーの評判に関わる。仕方がない。サポートしてやろう。あの初心者どもは私に任せて、残りは片付けるんだな」


だから、何目線なんだよ。まあ、いいか。これで戦いやすくなる。


「おーい、初心者君達。できるだけゴブリンキングとクイーンから距離をとって雑魚処理をしてくれ」


「た、助けてくれるのか?」


「まあね」


パーティーメンバーじゃないNPCは多分死んだらそれっきり。さすがに寝覚めが悪いじゃないか。だって、初めに因縁つけたのはこっちの方なんだからな。


「生意気なボウズどもだが仕方がない。このダンクさんの近くで戦いな」


囲まれていた初心者達がダンクさんの方へ逃げようと動くが、そこにゴブリンキングが割り込む形で入ってくる。手にした巨大な斧で女の子を狙う。彼女の武器は十字ロッドだったが、あの細腕で攻撃を受けられるとは思えない。


「いやぁぁぁ。助けてぇ」


「お前の相手は俺だよ。って、言ってみたいセリフだよな」


言いつつ、俺はゴブリンキングの斧を盾で受ける。強い衝撃が来るが、吹き飛ばされるほどじゃない。すぐに反撃に移る。


「す、すごい。ゴブリンキング相手に押している」


と、パウチと呼ばれていた少年。



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【チャット民】


サラリーモン:『それマジ分かる。言ってみたい台詞第一位かもな』

やほやほ:『ショーさんカッコ良すぎじゃないですか?』

またたびワンコ:『惚れますな~』

えらすごすTV:『第二位、俺に構うな先に行け。三位、お前、女だったのか?』

やほやほ:『意外な強さ』

curry udon:『灰プレイヤーショー』


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「オラ、オラ、オラァ」


右肩、左胸、右腕、と、ゴブリンキングのヨロイのパーツを切り崩していく。が、そう順調にはいかないらしい。


「ギラッカ、マララッカ、ステズッ」


「おわっ、あぶねー」


もう少しで右腕を切り飛ばせるという時にクイーンから魔法の援護が入る。

鋭く尖った石のつぶて、ストーンブラストだ。


「ウガラッ」


ゴブリンキングの追撃も来る。避けて地面を斧がえぐる。


「エガラ、キニ、イランガ、マタンガッ」


今度は電撃が足元に突き刺さる。またしてもクイーンの魔法だ。


「ヘヘン、カミサン、イイッゾ」


横薙ぎのキングの斧は盾で受けるが、体制が崩れてしまう。

連撃によって防戦一方になってしまう。これは見事な夫婦の連携と言わなければならないな。


「くそっ、面倒だな」


「すぐに私を頼るな」


すかさずエイレインの声。姿は見えない。


「いや、面倒だなって、言っただけなんだけど」


「情けない顔でこっちを見た」


「どこにいるかわかんないんですが。いつものことだけど一人でどうにかしろってか」


クソ、どっちにしても援護は頼めないか。

防御に専念しながら魔法の準備をする。ストーンブラストを何発か食らうが気にせず魔法を完成させる。


「マジックバインド」


魔力の束で相手を縛る上級魔法。それでもゴブリンキング相手には大した時間稼ぎにはならないだろうけど、それで十分。コイツを倒す事が目的じゃない。


「グァォォォウ」


ヤツがもがいている隙にやる事がある。


「お前が先だ」


素早くクイーンに走り寄ると剣を振る。かわされて無詠唱のファイアーボールを受けるが、想定内。距離さえ詰めてしまえば敵じゃ無い。一方的に切り刻み、5撃目で胴を両断した。


「クイーンの耐久力無くて良かった」



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【チャット民】


MIHON:『おお~、パチパチパチ』

太陽神:『エイレイン様~』

またたびワンコ:『つよす』

curry udon:『いやまて、ここからが本番』


●≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠●●≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠●



「お、おおおおおおおおぉぉぉぉおおおっっ!!!」


相方が倒されたのを見て、辺りを切り裂くような雄叫びを揚げるゴブリンキング。マジックバインドは引きちぎられて無くなってしまう。そして、開放された王様が怒り狂って突進してくる。


「グッフッ」


どうにか盾でガードしたけど、身体ごと吹っ飛ばされる。


「おがぁぁぁぁっ!!」


キングの突進はなおも続き、俺はさらに後方へと飛ばされ、倒れ込んだ。


「プラントウィップ」


地面から木の根や植物の蔓が伸び、ゴブリンキングにしなるムチのように打撃を与えるが、キングは構わず前進。斧を振りかぶり俺に叩きつけてくる。


「おふっ」


盾で受けるが、衝撃で肺が詰まりそうになる。


「うがぁぁぁぁぁあぁっ!」


ゴブリンキングはそれなりに知性があり、個体によっては意思疎通ができる。だけど、目の前のゴブリンは完全に理性を失っている。ただの狂った凶暴なモンスターだ。


「いい加減にしろ」


右手の長剣で頚動脈を斬る。多量の血飛沫が上がるが、体制が悪いため致命傷にならない。


「お、おおぉぉぉっっ!」


痛みと憎しみでやたら滅多に斧を振るキング。それを盾で防ぐ。


「ファイアーシールド」


盾から炎を放つカウンター魔法だ。威力は低いが相手の意表を突ける。顔面にヒットし、流石にゴブリンキングも怯んだ。そのスキに体制を整える。


「アイススピアー、ロックブラスト」


立て続けに魔法を命中させると、キングはよろけながら後退を始めた。


「止めだ。エンチャント・フレイムソード」


剣に炎の魔法を付与して、背中を見せたゴブリンキングに斬り付ける。


「おがああああああぁぁぁぁっ!!」


「まだ立ち上がって来るのか。しぶとい」


何度目かの斬撃でゴブリンキングの身体は崩壊し、代わりに大きな魔石が転がった。


「よし。やった」



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【チャット民】


あるぱぱ:『さすがっす!』

やほやほ:『ショーさんさすがよ』

ふしきだね:『キング強かったな。激闘お疲れ様でした(パチパチ』

またたびワンコ:『惚れますな~。惚れますな~』

いってらBOY:『ナイスいってらっしゃい!』

マッドショット:『PSたけーな』

かのん★★★:『やるやん』

ランダム娘:『ギリギリショーさん』


●≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠●●≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠≠●



「ギャア、ギャア、ギャァーッ」


ゴブリンキングとクイーンが消滅した事でその他のゴブリン達が騒ぎ出す。そして頭を失った群れはすぐに四方に逃げ散って行った。


HPは既にレッドゾーン、MPも残り少ない。ギリギリの勝利だった。

【★お願い★】


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