第二章第十一話 地球人は冷たい
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豊橋はケプラーという地球と同じような構造の星に住んでいた。
豊橋はケプラーで初めて地球進出という偉大な使命を受けたのだった。
これは地球でいうなら人類で初めて月面着陸を果たしたアームストロング氏と同じか、それ以上に偉大なことであった。
しかし、地球に行くということはもう家族や友人とは二度と会えないことを意味していた。
地球までスペースシャトルに乗って光のような速さで移動した場合、たどり着くのは1000年後の地球だからだ。
もしもケプラーに戻れたとしても、そこは2000年後の世界ということになる。
「父さん、母さん今までありがとう。」
「何をいうの。私達こそありがとう。あなたはこの星の英雄よ。人類で初めて地球に行った人物として歴史に名を残すことになるんだから。私達にとってもあなたの親になれて名誉だわ。」
「父さん、ごめん。できれば父さんに孫を見せてあげたかったんだけど…叶わなかったね。」
「気にするな。でも1000年後の地球で嫁さん見つけて新しい家族ができたら空に向かって報告してくれよ。」
豊橋は冷凍カプセルに入れられ、コールドスリープ状態で地球に送られる。
カプセルはケプラーで最も硬い物質でできているので宇宙船が爆発しても傷一つつかない。
だが、地球に衝突して宇宙船が爆発することで、カプセル内の冷凍状態を維持するために電気を供給するケーブルが切れることで冷凍状態が解除され、豊橋は無事地球に降り立てるという仕組みになっている。
そんな彼が地球に辿り着いた瞬間が、10年前の「レインボーインパクト」とされた事象である。
当時地球人には、まだ宇宙人などというものは空想上の生き物でしかなかったため、地球人は隕石の衝突として片づけるしかなかったのだ。
地球にやって来た豊橋は日本政府が所持する南極観測基地、昭和基地に滞在していた南極観測隊を救助するために訪れていた日本の自衛隊によって救助され日本へとやって来たのだ。
しかし、成田空港に降り立った豊橋にはパスポートもなければ国籍も戸籍もなかった。
言葉すらもわからない。
警察官という武装した男達に囲まれ、パスポートを提示するよう求められた時、命の危険を感じた豊橋は能力を使用して彼らを洗脳して成田空港から脱出したのだ。
それからは海面上昇によって島となっていた房総半島を放浪し続けた。
幸い人間を洗脳できる能力があるので、食料や衣服、住居を提供してもらったり、日本語を教えてもらったりすることができたのだ。
しかし豊橋はあることに気づいてしまう。
能力で洗脳しなければ地球の人々は自分のことを差別的な目で見るということだ。
当時の豊橋はまりもと同じように、銀髪で緑の瞳をしていた。
そんな銀髪緑目の中年男性を目にした者達は、彼を一目見て、いい年したヤンキーかコスプレでもしているおかしなオジサンだと思ったのだ。
こうして「地球の人々は能力で洗脳しなければ自分のことを避けて話すら聞いてくれない」という観念が豊橋の中に芽生えたのである。
その後、豊橋は能力も活用して、自分が何も知らない星で生きていくため、協力者を集めた。
地球人と容姿を近づけるため、髪も黒く染めた。
協力者と共に生活していた豊橋であったが、彼の能力を使用しても人を常に洗脳できるわけではないため、洗脳が解けると彼の元を脱走する仲間が相次いだ。
急いで豊橋の元を立ち去ろうとする仲間の一人にどうにか一緒にいて欲しいと頼むが、
「頼むよ、仕事があるんだよ!無断遅刻になってクビになっちまう。家族の生活もかかってるんだ、放してくれよ。」
と言って慌てて逃げて行ったのだ。
豊橋は仲間に逃げられるために、新たな仲間を探したが、皆一応に「仕事が忙しい」「仕事を休めない」などと言って彼の元を去って行った。
豊橋が育ったケプラーという星は地球よりも科学の進んだ星だったため、仕事をしている人はほとんどいなかった。仕事をしていても暇つぶし程度といったところだ。
そんな豊橋は困っている人よりも「仕事」などを優先する地球人の冷たさに愕然とした。
この星の人達はなんでこんなにも自分勝手で冷たいんだ。
それから豊橋は時間をかけて考えた。
なぜ地球人は仕事をするのか。地球人はなぜこれほどまでに何か取りつかれたように仕事のことばかり考えているのか。
イライラしながら自分の運命を嘆くように、時には愚痴をこぼしながらも当たり前のように「仕事」に捉われている地球人の心理ははっきりとは理解できなかった。
それでも豊橋は猛勉強の末、ある答えを導き出す。
「地球人は仕事をしなければ生きていけない」ということを。
これが豊橋が地球に来て受けた一番のカルチャーショックだった。
ケプラーではほとんどの人が人生の大半を自分の好きなことをして過ごす。
一日中仕事をしているのなんて罪人くらいのものだった。
しかし地球は違う。
仕事の対価として「お金」というものをもらうのだが、もらえるお金も満足に食事をとるくらいが精一杯なくらいの金額しかもらえず、人生のほとんどを「仕事」に費やす人もいるのだ。
「ケプラー星人が人知の限りを尽くして辿り着いた地球という星はこんなものなのか」と落胆した豊橋は、地球人の考え方を変えようと心に決めた。
それが「リベリオン」という組織である。
その後の豊橋の人生は順調だった。
地球人の女性と結婚し、念願の子供を授かった。
ここで問題が発生した。
もし生まれてきた子供が自分と同じように銀髪緑目で、しかも胸にコアがある子供であれば大変な騒ぎになる。
騒ぎにしないためには、事前に産婦人科の先生に事前に説明をしなければならない。
しかし、どう説明していいかわからない。
もしかしたら得体のしれない人間だからと受け入れてもらえないかもしれない。
そんな豊橋の不安は的中した。
豊橋は産婦人科を営む月潟鹿男に自分は宇宙人であり、胸にコアを持っていること、生まれてくる子供も同じような特徴があるかもしれないことを告げたのだった。
鹿男は豊橋の胸のコアを見た瞬間、腰が抜けるように尻餅を着いた。
「こういうことなので、どうか妻が子供を主産する際は、病院の関係者以外立ち入らせないで欲しい。そして、この私達の体を秘密は絶対に誰にも公開しないで頂きたい。」
豊橋が鹿男に説明するが、鹿男はすんなりとは受け入れなかった。
「勘弁してください…。うちも商売でやってるんですよ。そんなに無理な要求をするなら他を当たってください…。」
豊橋はこの言葉に我慢できない程の怒りを覚えた。
「ふざけるな。私は妻以外には誰にも明かしていない秘密を打ち明けたんだ。それなのにあなたも『仕事』のために私の気持ちを踏みにじるのか…。」
豊橋は鹿男の胸倉を掴んでは睨みつけた。
「いいかい、私との秘密や約束を誰かに口外した時は君を本気で殺す。君が口外すれば私と私の家族が苦しむんだ。家族を傷つけることは許さないぞ。」
鹿男は拳銃を取り出して豊橋に向けた。
「自分の家族のことばかりで、僕達の家族のことはどうでもいいってのか!」
そういった鹿男を豊橋は壁に叩きつけた。
「仕事をしなければ生きていけない絶望への怒りを私に向けるのはやめてもらいたい。
それともう一つ言っておく。私は君達と違ってコアか脳でも撃ち抜かれない限り死なない。君達とは生き物としての性質が違うんだよ。だから…私には歯向かわないことだ。」
その後、妻が産気付いたため、豊橋は鹿男に病院を貸し切るよう連絡を入れ、豊橋夫妻は鹿男の営む産婦人科に急行した。
病院関係者と思われる人以外は誰もいなかったため、鹿男はきちんと約束を守ってくれたのだと安心した。
しかし、そんな安心も束の間だった。
気が付けば少し前までいなかったはずの、青年二人と、片方の背の高い青年によく似た少年一人の三人が隣の椅子に座っていたのである。
思わず豊橋は声を掛けた。
「君達、病院の関係者じゃないね?何をしているんだい?」
「あ、えーと。ちょっと一休み」
少年が答えた。少年は何かを隠しているような言い方で不信感を感じた。
そのため、少年を問い詰めることにした。
「本当のことを言いたまえ。この病院は貸し切ってもらったはずなんだ。先生から入ることを特別に許可されたのかい?」
少年は豊橋を怖がっている様子であった。
豊橋が少年に詰め寄ると、少年とよく似た青年が止めに入った。
「すみません、保険証忘れてしまって取りに来たのですが曜日を間違えてしまって。ご迷惑になりますのですぐに退散します。失礼致しました。」
豊橋はその青年から殺意のような、また悪意のようなオーラを感じた。
青年に問い詰めた。
「保険証を取りにくるのに3人で来る必要があるのかね?」
青年はわざと自分との接触を避けようとしているようだった。そして素っ気なく言う。
「弟達も車で待ってるのは退屈だというものですから。じゃあ邪魔になりますので僕らは失礼します。」
「兄弟か…。道理で容姿が似ているわけだ。おう、驚かせてすまなかったね。」
この時豊橋は思った。
自分に恨みのあるものが自分に内緒で何かをしているのではないかと。
とはいえ、さすがにそんなことはないだろうと思い、しばらくするとこの事は豊橋の頭から消えていた。
あの青年と再会するまでは。
この後、豊橋は鹿男に部外者が病院内にいたことを告げ、激高した。
部外者が病院内にいたという事実を言ったにも関わらず、「そんなはずはない。部外者は一切入れていない」と言い訳する鹿男がなんとも腹立たしかった。
しかも「なら入れない病院に無理やり彼らが入ってきたのかね?」と聞いたら「そうだ。そうとしか考えられない」と答えたのである。
結果的には鹿男が嘘をついていたわけではなかったのだが、豊橋には嘘をついているとしか考えられなかった。
それ以来豊橋と鹿男は会うことはなかった。
しかし5年後信じられない話が豊橋の耳に入ってきたのだ。
娘の大空と同じような容姿の娘が月潟夫妻にいるというのだ。
これを知った豊橋はすぐさま仲間を集めて、月潟夫妻を殺害するよう指示した。
大空が生まれた日、嘘をつかれた(正確には豊橋の思い込み)ことすら腹立たしかったにもかかわらず、娘が双子であることを隠し、片方の娘を自分の娘として育てていたというのだ。
しかし豊橋婦人は豊橋に月潟夫妻の殺害をやめるよう必死で説得した。
「お願い。あなたが月潟夫妻を殺したら、苦しむのは大空なのよ。
そうでなくてさえ、髪の色でいじめられてるのに父親が人殺しなんてやったらどうなるかわかっているわよね…」
「ふざけるな。今回ばかりはどれだけ謝られても許せる話ではない。お前もそうだろう?」
「もちろん許せない。でも大空のためだと思って堪えて!
あなたには何も言えない人達が大空や私に色々酷いことをしてくるんだから…」
「なぜ俺に文句があるのに俺でなくお前や大空に酷いことをするんだ?
お前達のが弱いからか?お前達のが言いやすいからか?」
「…そうよ。」
娘を苦しめている者達は強い自分には何も言えず弱い者にしか強く言えない弱者なのだ。
地球人は心が根から腐っている。自分が新しく国を作ったらそんな弱者には容赦しない社会にしてやる。
この時豊橋はそう誓ったのだ。
気が付くと大空が家からいなくなっていた。
大空は、一人で家を飛び出していたのだ。
父親である豊橋は自分へのいじめが悪化することを考えて激しい怒りをこらえてくれた。
でも妹という家族を攫われてしまった怒りは大空も一緒であった。
だからこそ思った。
--パパの代わりに私が妹を攫った奴らを殺してやる--
こうして大空は月潟夫妻を家の前で待ち構え、タクシーに乗り込んだところを、タクシー運転手を洗脳しコンビニエンスストアに車ごと衝突させて殺したのだ。
月潟夫妻を自分が殺害したと大空が自覚したとき、スカっとしたのは一瞬だけだった。
急に焦りや不安がどっと押し寄せて来た。
--私は人を殺してしまった--
パニックになった大空は急いでその場を立ち去ろうとした。
すると、5人程度の男女が大空の行く手を塞いでいた。
「え?まりもちゃん?」
赤いスカートに白いワイシャツの女性が大空に声を掛けた。
「いや違う。こいつはまりもではない。豊橋大空だな?あの事件を起こしたのはお前か?」
続いて背の高い青年が大空に拳銃を向けた。
大空は頭が真っ白になってしまった。
--なぜこの男は私がやったって知ってるの?どうして?私の能力もしらないはずなのに…--
大空は何も答えられず怯えながらその場で立ち尽くした。
すると、黒いスーツを着てサングラスをかけた男二人が大空の手を取った。
その後何が起きたのか、大空は覚えていない。
恐らく父親の豊橋の手の物が助けてくれたのだろう。
気が付くと豊橋が大空を抱きしめていた。
「大空…、すまなかった。辛い思いをさせたな…。」
大空は大声をあげて泣いた。
そして父親である豊橋に全てを話した。
月潟夫妻を能力を使用して殺害してしまったこと。
その後逃げようとしたら、怖い目つきの背の高い青年に拳銃を向けられ「お前がやったのか?」と問い詰められたこと。
それから豊橋は大空から背の高い青年についてどのような人物であったか詳しく聞いた。
すると大空が生まれた日、関係者以外誰もいないはずの病院に入り込んでは不信な行動をしていた怪しい青年と特徴が一致することに気が付いた。
「私達は…あの男につきまとわれているのか…」
豊橋はその男に激しい怒りを覚えた。
この時から、豊橋は家族以外の地球人を全く信用しなくなった。
世の中のが腐っているが故に、心の歪んだ人間ばかりなのだから、人間は信用してはいけない。
そう大空に教え込んだ。
できるならもう一人の娘にも同じことを教えてあげたかった。
それからも大空へのいじめはなくならなかった。
大空が小学生になると、彼女へのいじめが発覚するたびに豊橋は学校の職員室に怒鳴り込んだ。いじめを見て見ぬ振りをした学校側の対応に激しい怒りを覚え、我慢ならなかった豊橋は「次に同じようなことがあれば関係者全員を殺す」と脅迫した。
また、胸のコアについて知られるといじめを悪化させる原因になると考えた豊橋は、健康診断とプールの授業を大空には受けさせないよう校長先生に直談判したのだった。
これをきっかけに大空の父親はモンスターペアレントであるという噂が学校中の生徒とその保護者の間で広まり、大空のことをクラスメイト達は避けるようになって行った。
次第に大空は学校では先生も含め誰からもほとんど話しかけられなくなった。
やがて大空は学校に行かなくなり、家からもあまり出なくなった。
髪のことでいじめられるなら髪を黒く染めるのはどうかと豊橋婦人は提案したが「どうして私ばっかりこんなことしなきゃいけないの」と大空は泣いて悲しんだ。
豊橋夫妻は悩みに悩んだ末、大空を勝浦市の小学校に転校させることにした。
豊橋だけが木更津に残り、妻と娘とも別居し、豊橋勝也の娘ではなく、豊橋大空として気分新たに学校生活を始めて欲しかったからだ。
しかし、大空が豊橋婦人と勝浦に向かう途中で事件が起きる。
大空は転校してももう二度と学校に行かないから木更津に帰りたいと言い出したのだ。
そんな大空を豊橋婦人は叱咤した。
「ダメよ!学校行ってちゃんと勉強しなきゃ将来お仕事できなくなっちゃうんだよ。それに大空が学校いけるようにパパもママもこんなに色々手を尽くしたのに今さら何を言うの?」
「私学校行きたいなんて一言も言ってない!!
ママもパパも私のため私のためって言っていつも私にあれしちゃこれしちゃダメってのばっかり。
体のことがわかっちゃうから健康診断は受けちゃダメ、プールも行っちゃだめ、学校のプールの授業も全部見学。私はそんなの気にしないって言ったのにママとパパが先生に健康診断とプールは絶対にやらせないでって言ったせいで、パパとママが怖いからみんな友達いなくなった、髪が白いから『ババア』って言われていじめられた。もうこんなの嫌だよ!学校行くくらいなら死んでやる!!」
「待ちなさい、大空!本当に大空のためを思ってやったことよ。大空が学校でいじめられないようにパパも先生に強く言ってくれたし、私達は大空がいじめられないように精一杯頑張ったんだよ。」
「パパ、私をいじめたら殺すって言ったんでしょ。そんなことして欲しいなんて私言ってない!言ってないのに全部パパとママが勝手に私のためだって言ってやったんじゃん!!」
すると大空は拳銃を母親である豊橋の妻に向けた。
「大空…いい加減にしなさい。そんなもの捨てなさい…」
「うるさい…、全部パパとママのせいだ。」
大空は豊橋婦人を洗脳し、拳銃を自分に向けさせた。
そして大空も豊橋婦人に銃を向けた。
大空は能力を使ってお互いの頭部を撃ち合った。
こうして豊橋大空は短い生涯を終えた。
豊橋は日本社会をただひたすら憎んだ。
もし大空が無理して学校に行って良い就職ができたとしても、今まで見て来た人達のように仕事に振り回されて洗脳されたように生きていくしかなかっただろう。
娘の無念を晴らすため、豊橋はただひたすら仕事(組織の活動)に没頭し続けた。
ケプラーで学業が優秀であった豊橋は、その才能を生かして地球が圧倒的に遅れていたAI技術の促進に投資し、日本のAI技術の発展に大きく貢献した。
また、超能力を開発するビジネスも成功し巨万の富を得た。
こうして得た資金を使って、暗部組織リベリオンは日本政府にとって脅威となるまでの組織に成長したのである。
組織の規模は日を追うごとに拡大した。
もちろん豊橋なら洗脳の能力を使えばいくらでも人は集められるが、好奇心旺盛で地球人のことをもっと知りたかった豊橋は組織のメンバー勧誘や組織のマネジメントでは洗脳の能力を使わなかった。
そして地球人にも地球人の良さがあることを知った。
自分より立場の上の物には絶対服従するのだ。
例え不満があっても文句を言うものは少ない。
飲み屋で仲間同士で愚痴をこぼし合ってでも組織のトップである豊橋に文句を言う者はほとんどいなかった。
浅風竜義という変わった青年が組織に加入してくるまでは。
豊橋は組織が大きくなってからも、唯一の家族である、まりもの行方を追っていた。
しかしまりもについてのめぼしい情報は豊橋には一切入って来なかった。
なぜならまりも自身が他人に姿を見られないように、ひっそりと生きていたからだ。
タカヒロに匿われていた時期があったり、その後は浅風によって房総の外、都内へと出されたため房総中を探しても見つかるはずもなかった。
時は流れ、10年の時を経て、豊橋は初めてまりもと会うことができたのだ。
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