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ウメコのダンジョン  作者: かが みみる
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地宮04年6月3日(土)

週末は良い!サヤさんと会える!ウメコと話せる!


昨夜のうちに移動してサヤさんの家に泊めてもらった。そして早朝ランニングのために起きてサヤさんと一緒に外に出た。

すると見慣れぬ物が庭にあることに気付いた。


「何あれ?犬小屋?」


「ウメコさんから聞いてないの?ウメコさんに犬を飼って欲しいって渡されて、飼い始めたんだよ。」


「ウメコが?じゃあ普通の犬ではないのか。」


ウメコから渡されたということはダンジョン産のモンスターなのだろう。


「毛が黒いからクロって名前にしたの。とっても賢くて、朝は一緒に走っているんだよ。」


何?サヤさんと一緒にランニングだと。俺は平日は一人寂しく走っているというのに、羨ましい。


クロはまだ子供だそうで、膝下くらいの大きさだ。サヤさんがリードに繋ぐのをクロは大人しく待っている。確かに賢そうだ。

クロを繋いだリードを持ったサヤさんとランニングを開始した。クロはサヤさんの走りに合わせてサヤさんの少し前を走っている。俺はサヤさんの横に並んで走る。ペースはゆっくりで俺にとっては余裕があり、走りながら会話もできる。


「クロは何時からいるの?」


「水曜日から。」


「エサはどうしているの?」


「ウメコさんが用意してくれるよ。」


「噛んだりしない?」


「大丈夫。とっても賢い子だよ。」


うーん。人間を襲うモンスターということでは無いようだ。後でウメコに聞いてみよう。

それにしても平日の一人でランニングと比べると、今日のランニングは何と心地よいことだろうか。ペースがサヤさんに合わせてゆっくり。車通りの少ないので走り易い。田舎なので空気も景色も良い。そしてサヤさんと一緒。このランニングなら続けられるな。


ランニングを終えるとサヤさんは野菜の出荷に出かけた。

俺は今日は同伴しなくてよいということだったので、ウメコの部屋に入った。


「ウメコ~。あのクロってモンスターなの?」


「モンスターの定義によります。ダンジョン外生命体を捕食するための尖兵としては生み出した生物をモンスターとするならば、クロはモンスターではありません。ですが、私が生み出したものではあります。」


「モンスターとは生み出した目的が違うってことかな?」


「その通りです。カズキ様がダンジョン攻略する際のお供として生み出しました。」


「えっ!?ダンジョン攻略があるの!?」


「いえ、今すぐにではありません。クロが育ってからのことです。まだ子犬ですが、大きくなれば戦闘も熟せるはずですので育てて懐かせてください。」


「クロが育ってからね。焦ったよ。でもあいつそんなに大きくなるの?そういえば何て犬種なの?」


「私が生み出したので犬種はありません。大きさは恐らくはドーベルマンくらいではないでしょうか。」


「恐らくは?ウメコも良く分かっていないの?予定より大きく育って化け物みたいになったりしないよね?」


「恐らくは、大丈夫でしょう。」


不安!

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