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ウメコのダンジョン  作者: かが みみる
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地宮03年12月30日(金)

ウメコを探し始めてから5日目。本音を言えばもうウメコは見つからないと諦めている。ただ、意地のようなもので探し続けているだけだ。


「ウメコ。何処にいるんだい。」


俺が畑の真ん中で蹲りながら呟いたときに、異変が起きた。ザザザッと言う音がして、庭の隅に大きな穴が空いたのだ。


近付いてみると人が入れるほど大きな穴だ。モグラの穴ではないだろう。ライトを持ってきて中を照らすと、かなり深いことが分かる。穴は斜めに下っていて、滑り下りることができそうだ。もしウメコがこの穴に転がり落ちていたのだとしたら、どうしよう。

かなり深い穴で奥は見えない。人が入れそうとは言え、中に入って探そうという気にはなれない。


「ウメコ。」


穴に向かって呟いた。


「カズキ様。私はここにいます。どうぞ中にお入りください。」


穴の中から声が聞こえた。やばい。幻聴が聞こえる。俺は頭が可笑しくなったみたいだ。困惑しつつも再び穴の中に声を掛ける。


「ウメコなのか?」


「はい。ウメコです。」


やばいよ。また聞こえたよ。ウメコ擬人化の妄想はこれまでもしてきたけど、マジで声が聞こえちゃうっていうのは拙いよな。病気も末期通り越して、死んでアンデッドとして復活したくらいに進行しちゃっているよ。

でもどうしよう。穴の中に興味が出てきてしまった。何があるのか知りたい。でも恐い。変な動物とか住んでいたらどうしよう。それに穴が崩れて生き埋めになったら大変だ。でも気になる。


「ウメコ。本当にウメコだったらごめんよ。もう少し待ってくれ。中が安全か探ってからでないと入れないんだ。臆病な俺でごめんよ。」


穴の中にそう声をかけてから、穴は一旦木の板で塞いでおいた。



実のところ、もうウメコかどうかなんてどうでもよくなっていた。そんなことよりあの穴は何なのかが気になっている。突然空いた穴。聞こえてくる声。全て俺の妄想?でも現実に穴がある。これはもう、中を調べるしかないだろう。


穴は人が這って入れる位の大きさで、斜め下に下っている。だが流石に這って入る勇気はない。無人探査機が必要だ。ラジコンに小型カメラを搭載して、無線で映像を飛ばそう。

そうと決まれば急いで買出しだ。


電気街で必要な物を買い揃えて、家に帰ると徹夜で組み立てた。


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