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ウメコのダンジョン  作者: かが みみる
19/83

地宮04年2月10日(金)

母さんに捕まった。


「毎日何時間も物置の中で、一体何をやっているの?」


「特に何もやっていないよ。」


「あんなところじゃ寒いでしょう。家の中でやりなさい。」


「あそこがいいんだよ。」


「悪いことをしてないでしょうね?変な薬とかは絶対ダメよ。」


「何もしてないよ。」


「とにかく、物置に篭りっぱなしは駄目よ。あまり酷いようだと撤去するからね。」



拙い。本気で撤去されそうだ。薬はやっていないが、本当のことを話しても、幻覚を見る系のヤバイ薬をやっていると思われるだろう。対策を考えねば。



「ウメコ~。どうしたらいいかな~。」


「カズキ様の部屋が1階でしたら、部屋の地下に穴を空けて繋げてしまえばよいのですが。」


「2階だからな~。」


「いっそ、向かいの空き家を買われて住まわれては如何ですか?」


「過疎の田舎でいくら土地が安いとは言っても、そんなお金はないよ。」


「やはり生産物で儲けるしかありませんね。そこで、この様なものが作れるようになりました。」


蔓が伸びてきてテーブルに置かれたのは、肉と卵だった。


「軍鶏の生産に成功しました。卵も生産できるようになりました。」


「おお!それは凄い!」


「これを売ってお金を稼いでください。」


「ちょっと待って!俺には畜産品販売のノウハウがないから無理だよ。それに飼育場所も無いのに肉や卵が出てきたら直ぐにおかしいってばれちゃうって。」


「ままならないですねぇ。ではサツマイモやキャベツは如何でしょうか。生産の目処は立っています。」


「農作物も同じだよ。小遣い稼ぎ程度の販売ならできるかもしれないけど、家を買うほど稼ぐのは無理だから。」


「ままならないですねぇ。」


「・・・。もしかしてそれが言いたいだけだった?」


「ままならないですねぇ。」



それは昨日一緒に見たアニメに出てきた台詞だった。


肉と卵は後で美味しくいただきました。

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