地宮04年2月7日(火)
「新しいモンスターが準備できました。」
「よかったね。」
「新しいモンスターが準備できました。」
「うん。おめでとう。」
「新しいモンスターが準備できました。」
「えーと、戦わないと駄目?」
「はい。お願いします。」
「何でウメコは俺とモンスターを戦わせたいの?」
「剣スコップ最強説の検証のためです。」
「もうモンスターに剣スコップ持たせればいいじゃん。」
「それも検討中です。」
「検討しているのかよ!それができたら俺は戦わなくてもいいの?」
「剣スコップの件は抜きにしても、カズキ様には是非とも戦う力をつけて頂きたいと思います。」
「何で?」
「私の兄弟の話を覚えていますか?何れ兄弟たちはモンスターを地上に放出するでしょう。その時に戦える力がないとカズキ様が捕食されてしまうからです。」
「モンスターを地上に放出か。でもそれなら銃とか手に入れた方がいいんじゃないかな。剣スコップじゃなくて。」
「私のモンスターと戦っているのでお気付きではないですか?モンスターは痛みを感じないため、局所的な攻撃では活動を停止しません。特に虫や植物をベースとしたモンスターは部分的な損耗などお構い無しです。対モンスターにおいて銃はあまり有効な武器とは言えません。ミサイルなどであれば別ですが、入手は困難でしょう。」
「だから剣スコップ?」
「はい。多分に趣味が入っていることは否定いたしませんが。」
「俺も強くなって無双したいとは思うけど、強くなった実感がないとなぁ。モンスターを倒すとレベルアップとかないの?」
「ありません。」
「え~。それじゃあやる気でないよ~。」
「確かにそうですね。それでは私のダンジョンに宝箱を設置しましょう。モンスターを倒しながらダンジョンを攻略し、アイテムをゲットするということで如何でしょうか。」
「俺が欲しがるようなアイテムを用意できるの?」
「頑張ります。「草薙の剣スコップ」とか、萌えますね。」
「結局剣スコップなの?」
「最強ですから。」
今日のところはアイテムの準備はできないが戦ってみようということになった。
新しいモンスターは体長50cmくらいある巨大ダンゴムシ。殻が固くて剣スコップが弾かれる。腹を狙おうと思い横に回りこんで剣スコップを下に差込み転がしてやったのだが、丸まって腹を隠されてしまった。これで反撃を受ける心配はないが、倒すにはひたすら殴り続けるしかない。必死に1時間くらい殴り続けて、ついに殻を突き破ることに成功した。もう疲れて腕が上がらない。剣スコップもダンゴムシを殴り続けたせいでベコベコに変形していた。
ウメコの部屋で結果を報告する。
「ウメコ。何とか倒せたけど、剣スコップも俺の腕もがボロボロだよ。」
「流石は最強の剣スコップですね。あの特別硬く作ったダンゴムシの殻を突き破るとは。これほどボロボロになっても使えるタフさも流石です。」
「でももう使えないから戦えないな。」
「今後は剣スコップの内製化を最優先事項とします。」
「武器も作れるの?だったらもっと格好いい武器を作ろうよ。」
「剣スコップが最優先です。」
「分かったよ。剣スコップは新しいのを買ってくるから、他のを作ってよ。」
「それでは他の武器の生産も検討しましょう。」
新しい武器か、楽しみだ。やっぱり刀かな。刀って格好いいよな。居合いとか練習しようかな。