初めての敵
遅れてすみませんでした!!待っている方がいたなら嬉しいです!|д゜)
「本当に、フーニア様はお美しいですわ!」
「ふふふ、ありがと。」
そんなの知ってるわ。
「フーニアってさぁ、成績も優秀だし、顔もかわいいし、優しいからさ、俺、狙っちゃおっかな。」
「はぁ!?抜け駆けはずるいぞお前!!」
ふふふ、みんな私の虜ね。まあそんなの昔から知ってるわ。
「フーニア、あなたは自慢の娘よ。」
「ああ、まるで妖精のように愛しい。中等部の学院に入学してからも活躍を期待しているぞ。」
「はい、お父様、お母様。」
そう、私は他の子とは違う。十一歳にして魔法の原理の多くを理解し、成績は常に一番。容姿だってあの両親から生まれているのだから恵まれている。それに本心をさらけ出さずに生活をしているのだから、周りは私を優しい人、と思うでしょう。だから私は”完璧”だったのだ。
____そう、あの女さえ学院にこなければ。
私だって、自分より優れている男の子の出現くらいは覚悟していた。だけど女子の中では自分が一番だと思っていた。
「フーニアってさぁ、かわいいし、いいよな。」
「でもやっぱりルミアちゃんほどじゃなくね?」
「あー分かる。俺、平民なのにすっごく優しくしてくれたし。」
「この前なんか、「ハンカチ落としましたよ?」って笑顔で拾ってくれてさぁ!!」
「お前のハンカチなんかを拾ってくれるのか!!やっぱいい子だなぁ。」
「もちろんハンカチは洗ってないぜ!!」
「・・・うん、まあ、うん。」
「でも前まではフーニア派だったけど、今はルミアちゃん派だ!」
「それは俺も賛成。」
入学してからずっとこれよ。みんなあの女に騙されてるんだわ。多少容姿が整っているだけ。筆記満点なんてあり得ないわ。それに・・・
「ルミアー。ここの問題よく分からなかったんだけどー。」
「あぁ、確かにゼラルは苦手そうな問題ね。」
「ルミアは苦手な問題とかあるの?」
なんでゼラル様があの女と!!ゼラル様との出会いは忘れもしない。初めての社交界入りで、初めてのドレスを着て緊張していた時、転びそうになった私を支えてくれた。あの年不相応な大人っぽくてクールな彼の笑顔が忘れられない。
・・・いいことを思いついたわ。もうすぐ新入生歓迎パーティーがある。入学して一か月後にあることが前は不思議だったけどまあ忙しいから後回しにされたのでしょう。このパーティーでは貧富の差が出ない様に、学院がドレスを貸し出しする。予備のドレスは少ないの。だから当日、あの女に飲み物をかければあの女は恥をかく。
それだけじゃ私の気も済まないわ。まず何をしようかしら・・・
「ねえ、そこの君ぃ。」
「えっ・・・ああ、私のことかしら?」
「そうそう、ずっとルミアちゃんのこと見てたからさぁ、何か用でもあるのかなぁって。」
この人はいつもあの女と一緒にいる、カイ様だ。この人は何を考えているのかよく分からないし、とりつきづらそうな雰囲気だ。でもあの女に騙されている。
「用はありませんわ。でもカイ様、あの女に騙されているのではなくて?」
「・・・どういうこと?」
「あの女、どう見ても権力狙いではないですか。周りを見れば一目瞭然ですわよ。」
「ふーん。そう見えるんなら君の目はおかしいんじゃない?彼女はそういう人には見えないけど。」
なぜかカイ様の口調がとげとげしくなった気がする。
「・・・そうですか。でもくれぐれもお気を付けくださいね。」
「余計なお世話だよ。」
今に後悔しますわよ。私は忠告したというのに。




