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割といいやつ・・・?

「そういえば・・・」


「どうしたのかしら?」


「さっきは決闘中とはいえ、思いきり首に剣をぶつけて悪かった!!」


 そう言うとダリーシャは私に頭を下げた。確かにあの時は痛かった。首に同い年とはいえ鍛えている男の子がほぼ全力で木刀とかで叩きつけたようなものだからね。でもダリーシャは謝るようなやつとは思っていなかった。


「・・・まあ、確かにあれは痛かったですわ。でももう気にしないでください。もう私たちは友達(・ ・)ですからね。」


 友達を少々強調していってしまった気がする。まあ私も青春を謳歌できて嬉しいのだろう。


「本当か!?ありがとうな!」


 そう言うとダリーシャは私の手をとる。・・・剣ばっかに夢中で女の子の接し方を知らないようね。急に手を握るなんて。


「俺のことはダリーシャ、って呼び捨てで呼ばせてやる!」


「ふふっ、ありがとうございます。じゃあ私のこともルミア、とお呼びください。」


 ダリーシャはパアっと顔を輝かせる。この性格からして友達とか今までいなかったのだろうか。よほど嬉しいのだろう。


「ああ、ルミア。だったら敬語もやめて気軽に接してくれ!」


「分かったわ。これからもよろしくね。」


「おう!よろしくな!」


 ダリーシャは私の手をさっきより強く握った。握手でもしようとしているのかしら。私も少しダリーシャの手を握り返す。こうして触ってみると、この年でちゃんと鍛えている人の手をしている。小さいころから、毎日練習してきたのだろう。まあ、練習量じゃ私も負けないけどね。


「・・・ゴホン。ところでお二人さん。」


「あ?・・・なんだ。まだお前らいたのか。」


「いやいるから!っていうか僕らがルミアと話しているところに君が入ってきたんでしょ!?」


「そうだっけか?・・・あ。カイじゃねーか。」


「・・・違うよぉ。俺はカイじゃないぉ。」


 カイはエレナとベルに隠れるように立っていたが、そもそも二人は小柄で、カイは大きい。普通に隠れられていない。あと見つかった時に声を裏声気味にしていたので笑いかけた。


「いやカイだろ。決闘申し込んだ以来会ってなかったな。なんで決闘受けてくれなかったんだよ。」


「・・・だってめんどくさかったしぃ。君が負けたらもっとめんどくなるでしょお。」


「はぁ!?どういう意味だよ。・・・つーか話し方変わってねえか?前はもっと尖ってたよな?」


「さぁ。俺はもう忘れたなぁ・・・」


 カイ、元ヤン説濃厚ですね。カストロとの会話のこともあるし。でもこの年になるまでにヤンキーになって更生するってどんな人生だったのよ・・・


「・・・もう五時ですよ。」


「あ!寮の門限五時半ですよ!そろそろ帰りましょう!!」


「そうね。じゃあ、また明日ね。」


「うん、じゃあね。」


「じゃあねぇ。」


「明日な!!」




 私とエレナとベルが寮に向かって歩く。


「・・・にしても。だんだんメンツが濃くなってませんか!?」


「・・・私たちの影が。」


「そうよねぇ。濃いわね。確かに。なぜかしら・・・」


 エレナとベルは顔を見合わせる。本気で言ってるのかこの人は、と。まあそれが彼女の魅力であり、強みであろう。今のところは彼女に反感を買っているのは、下級貴族と平民を見下しているようなやつらだろう。


「じゃあ、また明日ね。」


「はい!また!」


「・・・さようなら。」


 私たちは自分の部屋に帰っていく。濃い一日だったが、家に帰れば癒しが待っている!!・・・と思ったのだが。


「ただい・・・え!?ナニコレ!?」

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