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うるさいヤツ

 魔法訓練の結果はダントツで一位だった。ワイバーンもどきを倒したことには先生も驚いていたが、何かを聞かれることもなかった。まあ別に変なことはしてないし。

  

 授業後は日課となった、食堂でのティータイムだ。今日の話もした。____さすがにゼラルが植物に頭から突っ込んだことは言わないであげたわ。でも一つ気になる話があった。


「そういえばねぇ、明日、ダリーシャが復活するらしいよぉ。」


「そうなんだ。ルミア、謝る準備しといてね。」


「私がやったってバレてないんじゃないかしら?」


「まあまだバレてないねぇ。ルミアがやったのを知っているのは俺達だけだけどぉ、あいつ脳筋だから噂を鵜呑みにして証拠もなしに何かしてくると思うよぉ。」


 うわ・・・めんどくさいタイプ・・・


「ルミア様、顔が露骨過ぎませんか?」


「・・・ルミア様は隠し事できなさそうです。」


 まあ嘘は苦手なのよね。


「・・・分かったわ。何か言われそうになったら謝ります。」


「まあ、それでいいよぉ。めんどくさくはなると思うしぃ。」


 え、普通に困りますけど・・・





 ティータイムも終り、私は寮に帰る。帰ると癒し(リュカとルル)が待っている!!


「ただいまー。」


「お帰りールミア。」


 私は家に帰るとまずリュカを撫でる。前に撫でてから癖になってしまった。初めて撫でたときよりはリュカも慣れてきたけど、撫でている間は何をしていいのか分からずにフリーズしている。控えめに言ってかわいい。ルルは撫でさせてくれる時とそうじゃない時が気分によって変わる。猫のそんなとこが好きなんだけどね。


「リュカ、魔法の基礎は覚えた?」


「うん、早く使ってみたい!」


「そうねぇ・・・」


 私は眼に魔力をこめてリュカを見る。いわゆる魔眼だ。全く、私の中二心をくすぐるなこの世界。


 魔眼でリュカを見てみると、魔法の知識がなかった時のように魔力のブレがなくなってきている。うん、これなら平気だろう。


「うん、いいよ。」


「やったぁー!!」


 喜んでるリュカを見てまた私の右腕が勝手にリュカの頭の方へ行ってしまいそうになるが、左手で止める。危ない危ない。


「でも簡単な魔法しか最初はダメだからね。」


「分かった!」


「素直でよろしい。じゃあ最初は指先に小さい光を灯す魔法よ。私は使えないから教えることはできないわ。頑張って。」


「うん。」


 それからリュカは力んでみたり、謎の呪文を唱えたりしていたけど、ダメだったみたいだ。


「はぁ、はぁ・・・できないよぉ。」


 目が少し潤んでる。


「そうねぇ。魔法は頭の中で想像して使うのよ。」


「そ、そうなんだ・・・やってみる!」


 するとさっきまでのことが嘘のように一瞬でポッと光がつく。


「やったぁ!できたよ、ルミア!」


「よくできました。今日の夕飯は少し豪華にしてあげるわ。」


「ありがと!」


 これは私って親になったらいろいろとダメな気がする。


「あとはこの光を大きくしていけばいいのよ。」


「分かった!」


 それからリュカは頑張っていたけど今日一日じゃそこまでの上達はなかった。まあすぐに魔法の感覚を掴めるのはすごいと思うけどね。


 




 翌日、私はいつものように学院に登校した。するといつもは空席の私の隣に体格が他の子よりもしっかりした男の子が座っていた。座っているだけじゃ分からないけど、身長もそこそこ高いんじゃないだろうか。


「おはよう。」


「おはようございます。」


「おはようございます・・・」


「おはよう、みんな。」


 登校するとグループのみんなは私の席の周りに集まるようになった。まあ離れているのはエレナだけだったけど。


 私は自分の席に着いてから、隣の男の子、ダリーシャに話しかける。


「初めまして、ダリーシャ様。私はルミア・ルノワールです。一年間よろしくお願いしますわ。」


 ダリーシャは私の方を見るとガっと立ち上がる。突然の出来事に私を含めた周りの人たちが驚いていると、ダリーシャは私に言った。


「ルミア・ルノワール!!貴様に決闘を申し込む!魔法は認めない、剣での勝負だ!放課後、闘技場まで来てもらいたい。」


 言い終わるとダリーシャは何事もなかったかのように席に着いた。


「「「「・・・え?」」」」




「おっはよぉ。・・・あれ?なんかあったぁ?」


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