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波乱の入学式!?

ブックマークなど、ありがとうございます。

 カイが派手に登場したので、さきほどよりも周りがざわついている。そりゃあ私も引いたしね。そばにいた先生たちも状況が飲み込めた瞬間カイに説教をしようとしたらしいが、入学式開始の時間が迫っていたため、一人の先生がそれを制した。カイはその光景を見てから私たちに向かってドヤ顔ピースサインをしてきた。


 そして、開始時間になった。前にあの学院長が立ち、あいさつが始まった。あの先生はなんとなく口がうまくないと思う。どちらかと言うと、脳筋って感じなので、あいさつも長くなくて安心した。前世ではよく校長の話のときに貧血で倒れていた。


「では、新入生代表のあいさつ!主席のルミア・ルノワール、前へ!」


 私は静かに立ち上がり、ステージに上がっていった。途中でお前があいさつやるのかと驚いたような顔をしたカイと目が合った。少し面白い顔だったので、緊張がほぐれた。実は前世でも私は高校入試で一番になり、本来なら私が新入生代表のあいさつをする予定だった。前世で何度も練習した内容を思い出し、それをもとに書いたものだ。前世ではよくある形だったが、この世界でも一応通じると思う。


「____あたたかな春の訪れとともに、私たちはこのバレンシア学院の入学式を迎えることができました。私は今、この学院での生活を通してどのような経験が得られるのかととても胸が弾んでいます_____」


 よくあるあいさつを終え、礼をしてから下がると、拍手が起こった。私は安心してステージから降りた。席に着くと、ゼラルが顔ですごい!と訴えてきた。どうやらあいさつはあれで良かったようだ。


 入学式を終え、私たちは自分たちの教室へ移動した。あらかじめ席に名札が置かれていた。これは入試の成績優秀者順に縦に並んでいて、一年に四回の定期テストの時の順位によっても変わるらしい。つまり席替えは計四回だ。私は今回首席だったので、一番右の前の席だ。ちょっとめんどうな場所だな。でも私の後ろはゼラルで、その後ろはカイなので安心した。知り合いがいないって心細いしね。


 全員席に着いたらしく、前に先生が立った。私の隣は空いてるんですけどね。


「えー、私はこのAクラスの担任の、メルイア・シュゼットだ。何回かAクラスの教鞭はとったことがあるが、不満があったら改善したいから迷わず言ってくれ。文句を言われたくらいで成績は下げないから心配するな。」


 口調と言葉は上からで、いかにもベテランって感じだが、腰まである長く艶やかな黒髪に、金色の瞳で見た目は二十代にしか見えない。とっても美しい大人の女性って感じだ。


「先生、なぜ私の前の人がいないのでしょうか。」


 私の左斜め後ろの活発そうな女子が言った。つまり私の隣の空席についてだ。


「ああ、そこには本来ダリーシャ・オズベルトがいるはずなんだが魔法試験のときに爆発に巻き込まれて一ヶ月は入院するそうだ。そのときに仲良くしてやってくれ。」


「そうですか、ありがとうございます。」


 そう言ってその子は座った。・・・よりによって私の魔法に巻き込んじゃった子が隣なんてね。申し訳なく思うけど知られたらめんどくさそう。


「基本的に、活動は席が縦の五人で行われる。だが一週間後の魔法訓練には各自で五人一組で組んでもらう。前日までにはグループを作っておくように。では、これでホームルームを終える。次の時間では委員会を決める。強制ではないので各自考えておくように。」


 そう言ってメルイア先生は教室を出た。

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