決闘
「皆さん、今日は皆さんに班を組んでもらい、クラスの中で対抗戦をしてもらいます」
「先生、班は自由に組んでいいんですか?」
「もちろんです」
さて、誰と組むかな~
「フリントローグ嬢、私と組んでいただきたい!」
「馬鹿を言うな!私が…」
マジで?魔法師一人で何でこんなに争奪戦が勃発すんの!?
事実、このクラスの大半の貴族は私狙いなんだろうね…
「よう、アルン」
「あれ?ヒビキ君?もう決まったんじゃないの?」
「生憎まだなんでね、組まないか?」
「良いよー」
「トドロキと俺、それにアルンの三人のチームだ、それでいいか?」
「え?一人少なくない?」
「入ってくれる奴がいないんだ」
「じゃあ、ちょっと待っててね」
「ああ、わかった」
間違いがなければあと一人どことも組んでいないのがいるはず!
「ねえ、君、名前は?」
「え?私?」
「そう、名前は?」
「アルン・フリントローグだけど?」
「やはり合ってましたか、良かったです」
「えっと、そっちは?」
「あ、ごめんなさい、私はエミリーと申します」
「で、私に何か用?」
「実は入る班がないのであなたの班に入れてほしいのです」
「え?良いよ、こっちもあと一人足りなかったから丁度いいんだ」
「では、よろしくお願いいたします」
「うん、じゃあ早速他のメンバーを紹介するからついてきて」
「分かりました」
ーーーーーーー
「ってわけで、最後の一人、エミリーだよ」
「おう!俺は、シロガネ・トドロキ!よろしく!」
「俺は、クロガネ・ヒビキだ、よろしく頼む」
「エミリーと申します、以後お見知りおきを」
「その耳と髪からしてエルフか?」
「はい、その通りです」
「で氏族名を名乗らないってことは訳ありか…」
「察しが良くて助かります」
訳あり…名乗ることを許可されていないのかな?
「取り敢えず、俺が使えるものを簡単に説明していくから聞いてくれ」
「うん、分かった」
「俺は知ってるから聞き流してもいいか?」
「いいぞ、もともと、お前が説明を聞くわけがないと思っていたからな」
「では、私も話します」
「無理はしなくていいよ」
「では、俺から、全部は言い切れないから何個かだけにしとくぞ、〔身体能力超向上〕〔精神統一〕〔一心同体〕〔立体機動〕、今言えるのはこんなもんか、後は模擬戦の時に説明しよう」
「え?何で?」
「どこで誰が聞いているのかわからないからな、なあ、そうだよな?貴族の皆様方?」
「くっ…まさかばれていたとはな…どうしてわかった?」
「いろいろあるのさ」
「まあいいさ、私はシュテルン・グリムトベルグ!貴様に引導を渡す者だ!決闘をしろ!」
と言い手袋を投げるシュテルン氏、だが、ヒビキ君に当たる前に手袋は地面に落ちてしまった
「手袋を相手が受け取らないと決闘は成立しないぞ?」
「そんなことは分かっている!」
「大体、決闘を受けたところで、俺に得はないだろう?」
「ふん、そういうと思ったぞ、だから貴様が勝てば、我が家が誇る宝剣〔シュナイズ〕をやろう」
「宝剣か、で?俺が負けた場合は何を差し出せばいいんだ?」
「もちろん、そこのアルン嬢を我が班へ引き抜かせてもらう」
「へえ…アルンをね…だが班の上限人数は4人だろう?」
「要するに一人抜けさせろというのだろう?」
「いいや、気が変わったその決闘、受けてやるよ」
ーーーーーー決闘当日…
「逃げずに来たな!クロガネ・ヒビキ!」
「お前に名前を呼ばれたくないな、控えめに言って不愉快だ」
「貴族に対して不愉快とは、よほど私に殺されたいようだな?」
「貴族だろうが平民だろうが関係ない、不愉快な者は不愉快なんだよ」
「ふっ、良いだろう、その減らず口今すぐ叩けぬようにしてやる!来い、ルクス!」
「ん、精霊術師か、面倒だな」
「貴様にはできぬ芸当であろう?」
「いや、もう見えた」
見えた?まさか…
「白虎、喰っていいぞ」
「わふっ!」
えっ、あの子、精霊だ…しかもとんでもなく高位の!
「ルクス!やれ!」
「白虎、いなして返せ」
凄いね…
「なんか、ポ〇モンバトルみたいだな!ちょっと面白そうだ!」
「トドロキ君、ヒビキ君に言ったら怒られるかもよ」
「違いねえや!あはは!」
さて戦況は…
「どうした?光精霊の力はこんなもんか?」
「くっ、こんなはずでは…」
もう、決着ついてました…
「お疲れさん、白虎」
「やっぱ、ポケ〇ンみたいだな!」
「だから、怒られるよって…」
「おう、勝ったぞアルン」
「ヒビキ君、何があったの?」
「え?見てなかったのか?あいつの間抜け面」
「うん、見てなかった」
「あいつ、白虎のこと知らないからルクスに突っ込ませてな?白虎がルクスのビーム防いだら驚いた顔しながら、『馬鹿な!?あの光精霊ルクスの攻撃を受け切っただと!?』ってさ」
「そこにヒビキ殿が速攻魔法を当てて勝ったということですよ、アルン殿」
「先生、見てたんですか?」
「ええ、最初から最後まで見せてもらいましたよ」
見てたんなら止めるべきでしょ…
「ああ、誰かしら疑問に思うかもしれませんから言っておきますがヒビキ君の実力を見たかったので決闘を続けさせました」
「なるほど、理解しました」
理解早!
「まあ、俺たちは勇者だから負けるわけにはいかないってだけだけどな」
「結局、班は決まったのかな?」
「ああ、アルンは俺たちと同じ班だ」
「じゃあこの四人で頑張ろうか!」
「そうだな」
「そうだ、エミリー、私たちに言うことはない?」
「!?…いえ、ありません」
うーん…そう簡単には打ち明けてくれないか…
そう、なんと、エミリーも勇者だったのだ!
読んでいただきありがとうございます!
新しいメンバーはなんと頑固エルフです!(しかも勇者)
色々と面白い展開も書こうと思っているのでお楽しみに!