学園生活の始め方
入学式当日…
「これより、入学式を始めます、新入生は着席を、」
流石に、皆静かになるか…あの学園長の圧は凄いからな…
「まず、学園長からのお言葉があります、よく聞いておくように」
「さて、まずは入学おめでとう諸君、知っての通りこの〔青雲学園〕はこの王国の中で三大学園と呼ばれる学園だ、その為入学試験の合格点数も他学園より上だ、その合格点を超えたものしかこの席についていない、これは誇っていいことだ、自分が頑張ったから合格できた、そう思うのは当然だろう、だが慢心だけはしないでほしい、慢心はいずれ己を破滅へ導くものだからである。なので皆にはどんな時も本気で物事に取り組んでほしい、以上だ」
あー…確かに慢心だけはよくないな…慢心して死んでいった英雄は山ほどいるからな…
「そして、今年度は特待生がいますので一言挨拶をしていただきたいと思います、新入生のアルン・フリントローグさん、前に出てきてください」
「フリントローグ!?あのラフィリア様のお名前では!?」
「つまりあの子は、ラフィリア様の娘さんなのでは!?」
「それは特待生ってのも納得だな」
「できればお近づきになりたい…」
母様、何をやらかしたんだ…前に出るのが嫌になってきた…
「静かに!」
お、おお、助け船を出してくれるのかな?
「さあ、アルン・フリントローグさん出てきてください」
仕方ないか…
「はい」
視線がすごい…
「あの子が…!」
「おい、あの髪色」
「ああ、やはり、ラフィリア様に似ておられる」
確かに、髪の色は同じだけど…
「皆様こんにちは、特待生のアルン・フリントローグです、挨拶と言っても特に私から話すべきこともないでしょうから、一言だけ、同じクラスになったら仲良くしてください、以上です」
「アルン・フリントローグさんありがとうございました、次にクラス発表です、先生お願いします」
と、そんな具合に入学式は順調に進んだ…
ーーーーーー
A組か…成績優秀者と一部の生徒しかいないのか…
「おや、これはアルン殿」
「あ、ユリウス先生、さっきぶりです」
「早く教室に入りましょうか」
「え?」
「そういえば、言ってませんでしたね、A組の担任を受け持つことになりました」
「あ、はい、よろしくお願いします」
マジか…でも、イフリートと友人になるくらい有望な人材を腐らせておくわけにはいかないから当然と言っちゃ当然か?
「はい、皆さん、着席してください」
このクラスの生徒は分かってるやつが多いらしい…
「まずは、自己紹介から失礼します、今日から皆さんの担任を担当する。ユリウス・ユークリウスです、よろしくお願いします、皆さんも順番に自己紹介していただきます、まずは…特待生からで」
「なら、俺からで、俺はクロガネ・ヒビキ、魔法適正は光、武器は主に曲剣などを使う、こんななりでも一応勇者なので舐めないでもらおう、よろしく頼む」
「じゃあ、次俺な、俺はシロガネ・トドロキ、魔法適正は無属性、武器は大斧とか鈍器を使う、よろしくな!」
この子たち前に助けてくれた子!?勇者ってこの子たち!?
「あ、じゃあ、最後私、アルン・フリントローグです魔法適正は特にないです、武器は色々使います、よろしくお願いします」
さて、反応は…
「フリントローグ!?まさか、あのラフィリア様とガレアス様のご息女か!?」
「その話、本当か!?」
おお…ものすごく予想通り…
「おい!てめえら話聞いてたか!?魔法適性なしだぞ!?そんな奴が特待生試験合格して特待生になれるわけねえだろうが!裏口入学に決まってる!」
やっぱりこういうのもいるんだね…てか特待生試験とは?後で学園長に聞いてみようかな…
「フリントローグ嬢、申し訳ない、貴殿の魔法の実力を見せていただきたい」
「いえ、まあ、確かに魔法適正無しはあり得ないですもんね~」
「駄目だ、彼女に魔法を使わせるな、国が滅ぶぞ」
「国が滅ぶなんて戦略級魔術ぐらいしか聞いた事ねえぞ?」
「ああ過去に国王様達と冒険を共にしたラフィリア様の…あ!」
「さっき、自己紹介の時に言ってなかった?私、母様の覚えてる魔法も魔術も全部教えてもらってるよ?」
「アルン殿」
「はい?何ですか?先生?」
「そういうことはもっと早くに言っていただきたいです」
「あ、すいません」
と、その後はスムーズに自己紹介が進み学園生活の一日目が終了した。
「では、さようなら」
という先生の言葉で…
ーーーーーー
「おーい、フリントローグ嬢」
「アルンで良いよ、クロガネ君」
「ならば、こちらもヒビキで構わないよ」
「うん、で?どうしたの?」
「いや、一応同じ特待生だし勇者だろ?だから挨拶をしておこうと思ってね」
「わざわざ、ありがとう」
「いや、そうだ、君は家で暮らすのかい?それとも寮?」
「寮で暮らそうと思ってるよ」
「そうか、親に許可を得ないといけないらしいから頑張れよ」
「うん、あ、そうだ、この間の試験の時助けてくれてありがとう」
「ああ、あれは少しひどかったかな…」
「え?何が?」
「あの貴族たちさ、貴族の使命が優秀な子を残すことだからってああして誰でも声をかけるんだ、この前は小さな女の子にも声をかけてたな」
「そういうのは取り締まらないの?」
「俺らは貴族じゃないから取り締まれないんだ」
「それだったら私の家が力になれるかも」
「そうか!そういえばフリントローグ家だったな!ぜひよろしく頼む!」
「うん、分かったよ」
ーーーーーー
「ただいまー」
「おう、アルンおかえり、今、母さんが夕食の準備をしてくれてるからな」
「うん、じゃあ待ってるよ」
「そうだ、アルン、青雲はどうだった?」
「初日から大変だった」
「ん?何がだ?」
「名前を言うだけで皆に驚かれるし、言ってなかったけど試験の時なんて求婚してきた貴族もいましたからね」
「ほう、アルン、それはどこの貴族だ?」
「名前を聞いていないので分からないです」
「そうか…名前がわかれば対処できるんだが…」
名前か…ヒビキくんに聞けばわかるかな?
「明日、友達に聞いてみる」
「お、もう友達ができたのか?」
「こっちが友達って勝手に思ってるだけかもしれないけど一人」
「性別は?」
「男の子だよ?」
「今度連れてきなさい」
「良いけど、彼、勇者だから忙しいかも」
「その子も勇者なのか!?」
「うん、クロガネ・ヒビキくんっていう子」
「そうかヒビキに会ったのか」
「え?知り合い?」
「知り合いも何もヒビキは俺の弟子だよ」
「へ~、道理で立ち居振る舞いにスキがないわけだ」
「トドロキには会ったか?」
「会ったけど話はしてないよ」
「明日話してみると良い」
「はい」
「アルン、お帰り~、お夕飯できたわよ」
「はい、早く食べましょう!」
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翌日…
「おーい!ヒビキ君!」
「あ?おお、アルンか」
「昨日の件お父さん協力してくれそう!」
「そうか、やっぱり師匠は変わらないな」
「あ、そうそう、父様の弟子だったならもっと早く言ってよ!」
「悪いな、忘れてたんだ」
そういえばトドロキ君がいないな?
「ヒビキ君、トドロキ君は?」
「トドロキはまだ寝てるよ」
「遅刻するんじゃない!?このままだと!」
「別に心配はいらないと思うぞ」
「え、何で?」
「おーい!兄貴!」
「ほらな、来たろ?」
すごいな、よくわかってる
「置いてくなよ~」
「言っておくが俺は起こしたからな」
「起きるまで起こしてくれよ」
「嫌だ」
大丈夫かな、この二人…