条件
さて、今日は待ちに待った試験の結果がわかる日だ!
コンコン……
ん?早速来たのか?行ってみるか
「すいません、こちらフリントローグ様のお宅で間違いないでしょうか?」
「はい、そうですが?」
「こちら、青雲学園からの緊急の手紙を配達しに伺った次第です」
「すみませんがあなたのお名前は?」
「申し遅れました、私、青雲学園教師のユリウス・リッターハイムと申します。以後お見知りおきを」
「失礼しました、私はアルン・フリントローグと申します」
「あなたがご本人でしたか、それなら話が早い、実を言いますと、入学前に学園長がお会いになりたいそうなのです」
「なるほど、理由をお聞かせいただけますか?」
「なんと、あなたはその年で〔黒雷〕を使用できるそうですね?そのことについてお話ししたいことがあるそうです」
「分かりました、それでいつお伺いすればよろしいですか?」
「では、4日後にお迎えに上がります」
さて、学園長とご対面と行こうか?
ーーーーーー4日後…
「失礼します、アルン・フリントローグ様はいらっしゃいますか?」
「あ、ここですよ、いつでも行けます」
「では、早速学園に向かわせていただきますので、こちらの馬車にお乗りください」
「分かりました」
ーーーーーー
「アルン様、着きましたこのまま学園長室にご案内致します。」
「あ、はい」
「おー、広いですねー」
「ええ、学生たちの寮などもありますから」
「そういえば、ユリウスさんは、何を担当する教師なんですか?」
「私は召喚の授業の担当です、俗に言う、召喚士ですな」
「使い魔を呼び出せるんですか?」
「ええ、その通りですよ私は、炎の上級精霊であるイフリートと友人になりました」
凄いな…!天界でも上級精霊の力を借りることのできる人物は数え切れるほどだぞ!
「イフリート、それは凄い!自分も入学出来たら召喚の授業を取ろうと思います、その際はよろしくお願いします」
「ええ、是非、貴女ならば、超級の精霊を呼ぶことさえ可能かもしれませんからな」
「呼び出せるかはわかりませんけれどね」
「ええ、そして、着きました、学園長室です、私は仕事に戻らなければなりませんのでここで失礼します」
ノックはしないとな
コンコン…
「入れ」
ん?女性の声?
「失礼します、アルン・フリントローグお呼びと聞き参りました」
「とりあえず、そこに座ってくれ」
「では失礼します」
「さて、まずは、自己紹介から、私は青雲学園、学園長、レミアス・ハインツリーフだよろしく頼むよ」
「はい、よろしくお願いします」
「さて、本題だが、君は勇者だそうだな?」
「はい、そうですが」
「実は、今年の受験者に君以外にも勇者が二人いるのでね」
「その二人の名前を聞かせていただいてもいいですか?」
「クロガネ・ヒビキとシロガネ・トドロキという二人だ」
んー、どう考えても異世界人だよね…
「その顔、君もまさか…」
「いえ、申し訳ないですが二人の名前も聞いた事がありませんしその二人を見たこともないはずです」
「そうか…私はできればあの二人を故郷に返してやりたいんだ」
なるほどね…
「そうだ、話を移すが、アルン、君は魔術を一人で行使したそうだな?」
「はい、勇者の持つユニークスキルのおかげですが」
「そこでだ、その秘密を少しでも教えてくれたら君を特待生として入学させよう、勿論誰にも口外したりしない、なんだったら契約書も書こう」
そこまで言うなら…
「ちなみに断った場合でも君は試験に合格しているので普通に入学可能だ」
「質問なんですが、特待生になるメリットは?」
「まず、学費の免除、糧食の提供、選択授業の優先選択権などがある、その他にも色々あるのだが説明しきれないので割愛させていただくよ」
なるほど、こちらには得しかないな、願っても無いことだ
「では、是非、その条件を吞ませていただきます」
「そうか、では早速聞きたいのだが、君は誰の加護を持っているんだい?」
「なぜ私が加護を持っているとお思いになられたのですか?」
「私はこの魔眼、透視の魔眼で相手のスキル、ステータスを見れるのだが君にはそれが通じない、私の魔眼が見えないものは、特別な保護のかかったスキル、〔加護〕だけだ」
確かにそうだ、もともと透視の魔眼は天界の頃、私が持っていた魔眼の1つだから、その能力も知っている。透視の魔眼、その能力はあらゆるものを見通す力。
「ええ、私は加護を持っていますよ」
「どの精霊の加護を持っているんだ?」
「それはいずれお教えします」
「そうか、分かった」
こうして、〔青雲学園〕に特待生で入学することが決定した…
次回からやっとちゃんとした学園編になります!ご期待ください!