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6 ハンナ&エイン夫婦



色々あった魔法実技の授業が終わり、急いで昼食を摂ってスラムに戻って来た。診療所の受付に座って落ち着いて息を吐くと、昨日今日で変わった事があり過ぎてなんだか久しぶりな気がしてしまった。


ちなみに昼食の際に例のAグループの人達から、午後のお茶のお誘いを頂いてしまったけれど、そもそも難癖つけられそうで怖かったし、午後からは予定があると言って逃げて来てしまった。


「おう。お疲れ!どうだったよ?」


「エインさん!なんかほんと色々あり過ぎて疲れました!エインさんは人と違う行動を取っちゃったり、悪目立ちしちゃったりしましたか?」


「はは!何ださっそくやらかしたのか!まあそれはそれで、楽しくて良いじゃないか!ちなみに俺は実に品行方正に学園生活を終えたぞ!」


エインさんは冗談めかして慰めてくれた。…慰めてくれてるんだよね?


「…クオルフ!帰って来てたのね!お疲れ様。エインさんったら教えてくれたら良いのに!」


「ハンナ姉!やっほー!」


ハンナ姉が二階の居住スペースから降りて来たよ!エインさんと結婚してから毎日見る光景だけど、相変わらずまだ慣れないな〜


「すまん。つい話し込んじまった。…そうだ!ハンナ良い事考えついたぞ。ちょっと耳貸せ。」


ん?何だろ…って思ってたらあああああ!!!!


「ひゃっ…!何するのもう!クオルフが見てるでしょ!?」


「見せつけてんだよ!こいつの反応いちいち面白いんだよな!」


「あわわわわ!き、きす!鱚?ちゃう!キスするなんて!私のハンナ姉に指一本触るんじゃねぇ!」


ふざけやがってぇーーー!例え頬でも許さんぞ!


「はっ!今は俺んだよ!ていうか、ハンスに言われたらちったぁ考えるが、お前には何言われても痛くも痒くもねーよ!」


「むっきー!確かにそうだけどさ!ふぐぅ…ふんっだ!」


「はっは!むっきーなんて口で言う奴初めて見たぞ!ハンナ、猿っていうのはこういうのを言うんだぞ!」


「ふふ…まあまあ二人とも。ほんとに仲が良いのね。でもエインさん。あんまりクオルフばっかり構ってるとスネちゃうわ。いいの?」


メッ!て感じに窘めたその後に、ハンナ姉はひっそりと付け足した。


「…今日の夜ご飯、美味しく食べたいでしょ?」


「俺が悪かった!ハンナ、今日はオムライスの約束だったろ?頼むよ…」


おぉー!凄い!ハンナ姉胃袋めっちゃ掴んでるやん!ちょっとドスが効いてて周囲の温度が下がった様な気がするのはスラム式のご愛嬌って事で。


「良いわよ!とびっきり美味しく作ってあげる!そうだ!クオルフも一緒に食べない?オムライスの作り方教えてもらったお礼まだしてなかったし。」


「わー!良いの?…あ。でも、寮の門限が結構ギリギリなの。ごめんね。良かったらまた誘って。」


残念!ハンナ姉の手料理、何回か食べた事あるけど美味しいのよ!子どもの家で暮らしてた時と違って材料が豊富にあるし、生活に余裕が出来て料理に手間をかけられるようになったから格段に料理上手になってるよ!元々の才能もありそうだけどね!


「それじゃあ学園がお休みの日にでもまた誘うね。それで学園の方はどうなの?やっていけそう?」


「うー、うん!…うん?多分!とりあえず勉強にもついてけそうだし、寮の相部屋の子とも仲良くやって行けそうだし、まあ色々やらかしたけど今度から気をつける!うんっ!」


「ちょっと!心配ね〜、ほんとに大丈夫なの?」


「なんか、主に魔法の授業がヤバそうなのよ…あちこちからボロが出るというか…普通にしてるつもりなんだけどね。」


「魔法でやらかしたのか。何だ?教師に向けて爆裂魔法でもぶっ放したんじゃないだろうな?」


「んなわけないでしょ!?ただ使える魔法とスキルとギフト全部書けって言われて書いたら枠が足りなかったのと…歌いながら何種類か魔法同時に使ってたら見咎められただけで…」


「……はっはっは!お前盛大にやらかしてんな!ハンナから聞いたが、お前クォーターエルフなんだって?その上、上級貴族の血ぃ引いてたらそりゃそうなってもおかしくないわな!いや、それにしても規格外だけどな!」


エインさんが大爆発…違った!大爆笑してる…うるさいやい!

…多分転生の影響だとは言えないしな。


「あら、そっちは初耳!貴族の子とは知ってたけど、上級貴族だったの?」


「そうらしいね。私もスラムに来てからドンに言われて知ったんだよ!もうほんとに学園の貴族の生徒見てると信じらんないだけどね。」


「そういえば…お母さん見つかりそう?その為に学園に入ったんでしょう?」


「そうだったね…ただ、肝心の上級貴族っぽい子達からは目つけられちゃった気がするのよね。貴族に聞く以外の方法を探さなきゃかも。」


「教師に聞いてみるってのはダメなのか?まあ平民が何の為にと、怪訝な顔はされるだろうが。」


「あ、それダメです。さっそく貴族の隠し子かなんかだと思われかけた所だから、今そういう行動取ると多分完全に勘違いされます。ややこしい事にさえならなければ良いんだけど、お母様に迷惑をかける可能性があるなら出来ないもん。」


「面倒だな…ああ!お前自分の家名は分かるんだろ?だったら、上級貴族なら古い家柄だろうし、図書室に本の一冊でもあるんじゃないか?そこに載ってりゃあ、とりあえず父親の事は知れる。そっから母親んとこに辿れないかやってみたらどうだ?」


「……なるほど!学園に図書室なんてあったんですね!?久しぶりに本も読みたいし、明日にでも行ってみます!」


よっし!新たな目標が出来たぞ!空いてる時間はとりあえず本探しにつぎ込む!


お父様のダドレフ家、ナニーのハウスル家は今の所家名が分かってる。まずはその二人からだな!



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