49 学校再開
翌日、今日の昼から学校をまた再開する。
「こんにちは!今日からまたよろしくね。」
「よろしくな!クオルフ!」
「ユリア!リサ!こちらこそだよ!これから楽しみだね。」
ちゃんとリサの仲間の四人の生徒が集まってくれて、子どもの家からは今日はナサラとタユタが来ている。ジンとエルーは仕事で今日はお昼も抜けて来られないらしい。ゼムはそもそも勉強する気無いからね、チビたちの送り迎えだけしてくれるみたい。
「そういえばみんな冬の間大丈夫だった?」
「…それがねぇ、運の悪い事に生理が来ちゃったのよ。具合は悪くなるし下着は汚れるし、その間仕事ができないしで、大変だったんだから。除去魔法が使えるようにならないかしら…」
最年長のユリアは本当なら来ててもおかしくない年だから納得と言えば納得なんだけどね…
「それは大変だね…貧血とかにはなってない?ほんと、妊娠には気をつけなきゃね。もし危険日に仕事した時はすぐに私のとこに来るんだよ。ギフトで取り除くから。もちろんタダよ!」
「うん。ありがとう。その時はよろしくね。」
「他の子は特に変わった事は無い?」
「ああ!今んとこな。ただ痒がってる奴が多いな…」
「それってもしかして…大事な所?」
言いながら直接確認した方が早いか。と、この場にいる全員にギフトをかける。兄弟達には毎日かけてるからすぐにキラキラは収まるけど、他の生徒達は約半年ぶりだからね。そりゃあキラキラキラキラと光りましたよ。主に下半身がね。
「うん。性病にかかってたね。約半数。危ない危ない。」
「そうだったの?通りで変だと思ったわ。」
「今度からは授業の度にかけられるからもう大丈夫!次の冬はもう少し頻繁に診療所に遊びに来て欲しいな。」
「そうするわ。冬場に温かいお湯で体を洗うのとっても気持ちよかったしね。」
という事で近況報告&女子トークが終わって若干居心地悪そうにしてたタユタも交えて楽しくお勉強を再開した。
お昼休憩もそろそろ終わる頃、ナサラとタユタを迎えにゼムがやって来て、二人は一足先に帰って行った。
残った女子はおしゃべりしながら髪をお互いに編んだり思い思いに過ごし始めた。彼女たちはこれから気の早いお客さんの相手をするのだ。
「クオルフの髪はサラサラと逃げて編みにくいねぇ。油とかがあるといいのかもしれないけど、贅沢品は高いものね。」
「あら、ほんと!サラサラじゃない!うらやましいわ。私なんか癖っ毛で編み込んでおかないと見られたものじゃないのよ。」
「でもなんで伸ばしてるんだ?アタシ達はその方が喜ばれるからだけどよ。髪なんか伸ばしてても邪魔なだけだろ?」
「そう!リサの言う通りよ!うざったいのよね。滑って結べもしないし。でも売るとお金になるでしょう?サラサラの金髪は高く買い取ってくれるって言うから伸ばしてるの。腰まで伸びたからそろそろ売るつもりなんだ。」
「あら!いいわね。わたしもしようかしら。でも贔屓の旦那が怒るかしら?」
「そうね。綺麗な赤髪だもん。もったいないよ。まだまだ武器にできるよ!」
笑いながらあーでもないこーでもないとおしゃべりに興じていたらいつの間にか時間が過ぎていたようで、診療所からエインさんが出て来てコツンと頭にゲンコツを食らった。
「おらっ!仕置だ!もう昼休み終わったぞ!仕事しろ仕事!」
「ごめんなさーい。夕方ちょっと残業します。それで許してね?エヘ。」
「舌出すな!ったく。で、これは何の集まりだ?まさか世に言う女子会とか言うんじゃ無いだろうな?」
「違いますよー!毎日ここで学校開いてるんです。生徒数は最大で八名ですが。」
「学校って…お前が教師か!?どんだけ稼いだら気が済むんだ…」
「やだな勘違いしないで下さいよ!うちの学校は完全授業料無償の上に給食に豆まで出してるんですよ!あと綺麗なお水も。」
「そうだぞ!クオルフが学校作るのがんばったんだからな!ていうかお前誰だよ?」
「あぁ。リサ、みんな。紹介するね。この人はやっと見つかった診療所のお医者さんだよ!名前はエインさんって言うの。」
「おう。エインだ、よろしくな。お前ら勉強って何してんだ?俺には遊んでるようにしか見えんが。」
「今は放課後なんです!何なら明後日のお休みの日は昼前から授業やるんで見学しますか?」
「あ?めんどくせぇな。…けど、ま!やる事も無えし良いか。」
「じゃ、気が向いたら医学も教えてあげてね。基礎で良いから、特に女性特有の病気とか避妊の方法とか知れるととってもありがたいの。」
「まあ構わねぇが。俺はその方面はあんまり詳しく無いぞ。専門的な事は女医が教わってたからな。」
「へー!この時代に女性の医師もいるんだ?意外ね。」
「まあ大概、女の患者は女医が診る事が多いな。で、開業医は医者同士で結婚する。その方が両性をカバー出来るからな。」
「その方が効率も良いかもね。」
「んな事よりそろそろ行くぞ。患者を待たせたら悪い。」
「分かりました。みんなまた明日!明後日はお医者さんの授業があるから休まないように!バイバイ!」
「またな!」
「バイバイ!」
よっし!成り行きで医学を学べる機会をもぎ取ったぜ!
天才だね!(こんなCMあったな…)




