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ケッペキショーの珍道中  作者: 朱華
初めましてスラム街
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12 仲裁と教育


「………私が仲裁しましょうか?」


膠着した状況についポツリと、そう呟いてしまった。


「…仲裁?お前さんのようなか弱い娘っ子がやるのか?果たして意味があるのかのぉ〜」


髭じいは、懐疑的な視線を向ける。他のメンバーはいきなり割って入った事とその内容に驚いて固まっている。それもそうか。普通五歳児がギャングの頭同士の仲裁をやろうとも出来るとも思わないわな。…でもまぁ、


「手段としてはあるんですよねー。軽い仲裁だと私の小さくするギフトで服を小さくして破く。当然圧迫されて痛いし、全裸は恥ずかしいでしょ?もうちょい重いのだと、小さくした岩を頭の上に投げつけて元のサイズに戻して頭ゴーンとかね。もっと言うと、水ギフトで溺死させたりも出来ますよ?

ほら、抑止力としては充分じゃないですか?」


「「「「…………………!?」」」」


あれ、皆さん唖然としてらっしゃる。どしたの?おーい!

…そんなにびっくりした?


「いやいや!お前のギフトそんなに便利な物だったのか!?つか、魔法と組み合わさったら最強じゃねぇか!そんなもん…」


「そうですよ!わたしのギフトは凄いんです!」


えっへん。無い胸を張って自慢して見たけど、ツッコミが入ることも無くドン以外は未だ呆然としておる。


「…やれやれ、貴族の子というのは少しばかり自覚が足りぬようじゃ。今は儂らで抑えられるじゃろうが成長して魔力が多くなり使える魔法が増えればお主は凄いどころでは済まなくなるぞ。」


えっ?何すかいきなり…

髭じいが割と真剣モードでビビるんですけど。

って思ってたらドンがさらっとバラしやがった。


「そうだな〜適性検査受けたんだろ。つまりそういうこった。」

「ひえ〜!適性検査まで受けてたのかよ!」

「そんな奴が良くスラムで生きてけるな〜」


「…あれ?皆さんも知ってたんですか?私が貴族の出だって。というかどういう事ですか?適性検査がどうかしたんですか?ドンは相変わらず説明が足りてませんよ!」


もー!意味分かんないんですけど。


「あ~!お前は貴族としての常識が所々抜け落ちてたんだったな。俺達のが詳しいじゃねぇかまったく…

 んで、適性検査ってのは、上級貴族以外は10歳で学園に入る前の入学試験で受けるもんなんだよ。つまりお前は上級貴族の子って事で。しかも、重要視されてない妾の子とかでは無いってこった。」


「はあ…そうなんですか。」


まじっすか。お母様もお父様もそういう話はしなかったからなぁ

正直実感なんか無いぞ?


「ったく、しっかりしてくれよ〜!つ・ま・り、お前は魔力が多く純度も高い、上級貴族同士の子である可能性が高いって事だ!要は俺達の様な一般人からしたらやべー、力を秘めてるってこった!ちったぁ気ぃつけろ!」


「ぷはっ!一般人て!あんたどー考えても一般人には見えんでしょ!つか実際ギャングだし!あはは!」


その強面といかにもな格好で一体何を仰ってるんだか


「ちっ!そりゃその通りだが揚げ足を取んじゃねえよ。」


「はーい!ごめんなさーい!」


おどけて答えて、それから表情を引き締める。


「んで、結局どうなの?私の仲裁で収まりそう?」


「………さっきも言った通り今の時点の娘っ子は押さえ込めるだろう。だが、まあ、今の調子で行けば一年後には中々の脅威となってくるじゃろうて。悪知恵も効くようじゃしの。その頃には医者も井戸も確保できてようやく診療所の正規開業じゃ。水と治癒師の仕事が無くなったお主には良い話じゃとは思うがの。」


おおぅ、髭じいに見抜かれてたや。こっちに意味深な視線を送ってくる。なんか見定められてる感じ!?

その通りです。定期的なお金が入ってくるのって結構ありがたいのよね〜。だから今の仕事無くなった時の事も考えての提案な訳。


仲裁に金取るのかって?

もちろんよ!相手はギャングの頭よ!?

タダでやってられっかってぇの


「………まあ、何だかんだ幼子に甘いお主らには丁度良い仲裁役かもしれんな。」


髭じいは私をじっと見つめ考えた末に自分の中で結論を出したようだ。少し微笑ましそうにギャング三人組とついでに私を見ている。


「まあ、そうだな。それがいいか。」


「同じ仲裁でもちんちくりんの方が腹が立たなくていいかもな。」


「あー、俺もクオルフの嬢ちゃんには弱ぇしな。」


東、西、そして南のドンも次々と同意する。

あれ、こんなにすんなり決まるなんて何か意外。


「じゃあ言いにくいですけど、期間は髭じい以外の三人の内の誰かが亡くなるまでで良いですか?その方が髭じいも安心でしょ?」


さすがにずっとはやる気無いよ?

スラムに縛られる気も無いしね。


「…うむ。それが良かろう。このメンバー以外が入れば勝手も違うじゃろうし。じゃが儂が死んだ後の事も考えると、その仲裁は必ずせねばならんし、そうなるとそこら辺が妥当な所じゃろうて。」


「皆さんも良いですか?」って聞いて了承が得られた所で本題に戻る。


「ご理解頂けて良かったです。じゃさっそくサクサク血判状作って行きますか。あ、その前に不可侵条約結んじゃわなきゃね。」


「おー、そうだったな。各々草案を持ってきただろ。意見のすり合わせすんぞ。」


その後はドンが主導して、各自の意見の調整を髭じいが行い、私は現場の意見として求められると意見を言ったりした。


流れるように話し合いは進み、条約の清書まで済んだ。

と、そこへドンが渋い表情で待ったをかける。


「ちょっと待て、ここに嬢ちゃんの扱いも入れとかなきゃならんだろ。」


「ほへ?」



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