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1 神様



「最近人口増えすぎてマジで手に負えんから、転生して貰える?」


軽いノリで突然そう言ったのは、この世界を統べる神を名乗るこの男。


自称  神

見た目 20代後半

服装  自由の女神みたいな白いの(ギリシャ?)

髪型  ハ…


「誰がハゲや!失礼な奴やわ〜!これはがんばった勲章や。これまでどんどんどんどん増え続ける人類に対応するため俺がどれだけ苦労してきたか!その結果がコレや!この寂しい頭髪。見てみよ!っとに、やってらんねえわ。

 ……つーことで、転生してくんね?」


「、、、、、、、、、、、、、、、、」

突如始まったマシンガントークに、その内容に固まる。

この男、心が読めるの!?

それとも視線で気づかれただけ?

てか、この人頭のネジ数本飛んでるよね!?


「ちょ、おい、どうした?具合でも悪いんか?

 というか、心の中!ひどいで。だから、神やって言うてるじゃん?そりゃすぐに信じられんのも分かるけどさ〜

 とにかく、転生して欲しいのよ。分かった?」


「…え、いや、そんな急に言われましても。え、ほんとに神様?んなわけないよね?ね、そうだって言って。」


絶賛大混乱中の脳みそで、必死に紡ぎだす。この人は詐欺師で、もしくはただの夢で、こんな事は無いんだって。あり得ないんだって。そう思いたいけど、、、


「そんなこと言われても…ホントの事だし。」


神様・・は、ちょっぴり困った顔で言う。

なんでって?

…ハハッ!しょうがないじゃん。だって、だってここ宇宙なんだもん!…お父さんお母さん。わたし、今宇宙にいるよ

……地球って、こんなに綺麗なんだね。

ねえ、わたしさっきまでがっこうでべんきょしてたんだよ…


「ちょっと、落ち着いてよ、精神がちょっと崩壊してきてるよ!端っこの方!ね、深呼吸しよう。大丈夫だから。」


かみさまがあわてた様子で、オロオロとしている。

両手をワタワタさせてちょっと面白い。


「…あんたのおかげでちょっとだけ落ち着いたわ。で?転生ってどういう事?」


あぁ、振り切れてついぶっきらぼうになっちゃった。

相手は神様だって分かってるのに。

…泣きそう


「とりあえず落ち着いてくれたようで何よりだよ。それでね、転生っていうのは、どこか別の世界の別の星に行って、そこで現地人として生まれ変わって欲しいんだ。そこは、まだ神様がいない星だから好きにしても問題ないよ。神罰が下ることも無いしね。」


最後はペロッと舌を出して説明する神様。

あぁ、これは…


「ここまでで何か質問ある?」


「…その別の世界の別の星というのは?」


「んーとね、主に文明レベルの低いところかな〜

 大体、人間が石使い始めた時代から世界戦争おっ始めた頃くらいまでだね。」


「………それってどの時代か選べたりしますか?」


「できるよ。ついでに国も選べるね。」


「そうですか…それで、現地人として生まれ変わる、というのはどういう事ですか?」


「現地人、そこに遥か昔から住んでる人達の子どもとして産まれるという事だね。体が弱かったりで、本来生まれる事ができなかった精神と入れ替えて、肉体も君の精神を受け入れるためにちょっと作り替えるんだ。」


「…なるほど。それなら多少は罪悪感が少ないか…」


「あ、そういうの気にするなら転移もできるよ。

 今の自分の肉体のまま他の世界に転移するの。…もちろんそこの環境に合わせるために、肉体には少しばかり手を加えるけどね。」


どっちがいい?

と、悩んでいる私を見かねて神様が提案する。


「転移ってなると、そこの常識とかなんも知らないのに今の年齢で行くわけですよね。…それってなんかやらかして殺されたり、悪い奴らの食い物にされて、売られたりするんじゃないですか。」


「…まあ、その可能性はあるね。というか高いかも。ふふ。ちゃんと気づけて偉いね。気づかなかったらそのまま送り出してたよ。」


あはは。と黒い笑みを浮かべる神様にゾッとした。

どうやら気合を入れ直さなきゃいけないようだ。


「マジで軽蔑しますよ。それで、転生の方にはどんなリスクがあるんですか。今度はちゃんと一つ残らず教えてく・だ・さ・い。」


ふんっ

鼻息荒く言ってやった!


「そうだね〜。親は選べないから、捨てられたり〜すぐに殺されたりする可能性はあるかなー。あと、奴隷に産まれたら大体その子どもも奴隷だから。そしたら、一生奴隷人生が始まるね。親に売られても一緒か。あとは〜うーん大体親だね。どの親から生まれるかは賭けだよ。」


「…賭けかぁ。」


「うんっ!ちなみに、種族は選べるよ。種族によっても色々変わってくるからね」


「種族って?人種の事ですか?」


「種族は種族だよ。エルフとかドワーフ、獣人、竜人、魔族、天族などなど、世界とか国にもよるけどね。」


「…えっ、そんなファンタジーな感じなの?」


「…だってなろうだもん。」


「え?」


「やっぱ何でもない。気にしないで。」


「えっ、じゃあ、エルフは魔力、獣人は運動能力、竜人は

…竜と人間のハーフ?魔族は、魔王とかそんな感じで、天族は聖なる力とか?

 …合ってる?」


「まあ、大体合ってるよ。世界によっても違うけど。大体はね。」


「え、どの種族が一番迫害とかされてなくて、生き残りやすそう?」


「え〜世界とか星とか国によるよ。種族の希望がないなら世界から選んだら?」


「…そっか。うーん、できたら魔法とかある世界が良い。」


「お、やっぱ、そういうの憧れる?他の人も結構そういう所選んでるよ。」


他の人…かぁ。

やっぱり異世界行かせる気まんまんじゃん。

はぁ、断れそうに無いと思ったんだよ…


「…うん。そりゃあね。ハリーポ○ターとか好きだし。」


「じゃあ、ファンタジーなところにしとく?お約束の魔法ありエルフドワーフ獣人魔物ありの。割とオススメだよ。面白いし。冒険とか求める人にはさ。」


「またなんか、大っきなリスクがあるんじゃないでしょうね。」


ジロッと睨みをきかせておく。


「あっはは。疑われてらぁ。ま、そうだね。リスクが無いわけじゃないけど、親が駄目だった場合一番やり直しが聞くのが魔法の世界なんだよね。才能さえあれば重宝されてまともな暮らしが送れるかもしれない。ね、悪くないでしょ?」


「…才能ないって理由で捨てられる可能性もあるけどね。」


「あは。それはそれだよ。魔法無い世界でも勉強できないとかで捨てられる可能性はあるよ?」


「…………ああ〜、もうっ!分かったよ!

 なんかに失敗してひどい人生送る事になったとしても自分が行きたいと思った世界なら多少は許せるっしょ!魔法ありのファンタジー世界に決めた!」


こうなったら、コイツの掌に乗っかってやらぁ!


「ふふ、じゃあ次は年代だね。どのくらいの文明レベルの世界に転生する?えーと魔法ファンタジー世界で今あるのは…っと、戦争ばんばんやってるとこと〜、中世から近世あたりのとこ〜それから、君のいた日本の弥生時代あたりのとこかな。」


「えーっと、じゃあ中世から近世のしか選択肢がないみたいな物じゃない…」


「別にどこ選んだってこっちは構わないんだよ?」


「はいはい。分かりましたよーだ。」


やさぐれて、ふてくされて、べーっと舌を出して言ってやると、神様のやろーはニコッと笑った。


「じゃあ、国はどうする?あんまり差別とかない国にしとく?」


「うん…あと、戦争してないとこにして。なんなら私が生きてる間はしなさそうなとこで。」


「できる限りそうするよ。あと貧富の差も少なめのとこにしとくね。」


できる限りか…怪しいな。

まあ、いいか。なんかどうでも良くなってきた。


「ん。ありがと。次は種族ね」


「そうだよ。その世界だとさっき説明した中の、天族と魔族、竜人以外はいるね。」


「あっそ。じゃあ、詳しい説明よろ。」


なんか疲れてきた。眠たい。


「分かったよ。獣人は差別されてる。君が行く国はそこまででも無いけどね。寿命は短い。魔力はあまり無い。

 エルフは魔力が高くて容姿に優れてる。寿命も長い。

 ドワーフはちんまいけど、筋力があって鍛冶師をしてる者が多い。魔力は普通。寿命は人と同じくらいだ。

 人間はそれら種族の平均的な能力を持ってる。魔法使える以外は君たちとほぼ変わらない。」


「じゃあ、人間ね。それかハーフエルフかクォーターエルフくらいで。…ふぁー」


あ、あくびでた。眠い。


「ん、どうする?」


「…ハーフとかクォーターは差別されてたりするの?」


寝そう。…いけない、頬を叩いた。


「エルフの里に生まれるとね。人里だとそうでもないよ。クォーターエルフがエルフの里で生まれる事はまず無いし。」


「…んじゃ、クォーターで。」


「こほんっ…それじゃあ、新たなる旅立ちを迎える善良なる子羊に。神様から贈り物をあげましょう。あちらの世界ではギフトと呼ばれるモノです。」




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