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ケッペキショーの珍道中  作者: 朱華
新章 夏休み明け(仮)
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3 カワイイは正義!




 ハンナ姉になんとか私の結婚の事を納得してもらって、寮に戻ってカトレアにエインさんから聞いた事を話して。あ、もちろんエインさんとハンナ姉の夫婦事情は抜きでね(笑)


 カトレアは魔塔の話を聞いて余計に心配になってしまったみたいで、次の日はずっと一緒に行動して守ろうとしてくれた。私の親友可愛くない?天使だよねやっぱり!


 それでも拍子抜けするほど何も無く。もう疑いは晴れたと思っていた。次の魔法学の授業までは。


「皆さんに改めてご紹介します。こちら魔法学校からいらっしゃった先生で、これから私の補佐をしてくださる事になりました。魔法実技では主に魔力の多いクラスを担当されます。皆さんなかなか無い機会ですから先生のお話はよく聞くように」


「クオルフ……!」


「しっ、カトレア。後で話そう」


 思わず、といったように声を上げるカトレアが怯えている。しっかりしないと。これ以上変な行動を取って怪しまれるわけにはいかない。


 魔法学校もとい魔塔の先生は、全体を見渡しているようでいて実際は私に刺さるほどの視線を向けてくる。隠してるつもりなのかどうか分からないけど、スラムの住人だから気配はすぐに分かってしまう。


 先生は魔法学の時間はただ後ろで見ていて、次の魔法実技の授業になると、当然のように私の所へやって来た。


「クオルフさん、今日は新しい魔法を覚えましょう。何か希望はありますか?」


「えーっと、それなら土魔法で食器を作りたいんですけど……今はこんな感じですぐに割れる物しかできなくて」


 土魔法なら禁忌魔法とは思われないだろう。今まで何度も作った食器をその場で生み出して見せる。何種類か作った物は全て割れたり欠けたり、持っただけで砕けたり。出来は散々だ。


「食器ですか……面白い事を考えますね。イメージはどのように?」


「そのまんま、粘土が固まって食器の形になるイメージです」


「食器は確かに粘土から作られ、そして高温で熱せられて固まります。火のイメージが足りないのでは?」


「なるほど!それなら……かまどを作ってその中に食器の形の粘土。それから火魔法でっと……どうですか?」


 即興で作った皿はコンコンと叩いてみても割れそうにないし、形も綺麗だ。これでスラム学校で使う食器が揃えられるぞ!


「上出来です。やはりイメージも魔力の使い方も上手いですね。それでは仕上げに皿を装飾してみましょう。絵を描いても、凹凸をつけても良いですよ」


「えっとそれじゃあ……うん、かわいい。できました!」


「へえ。繊細なレース模様ですね。真ん中のこれは小花を凸凹で表現しているのですか?裏は薄桃色ですか。女の子らしいですね」


 目を細めて隅々まで眺めたかと思うとクスっと笑われた。そうだよ、私はかわいい物が好きな普通の女の子だよ。だからもう疑うのはやめてくれ!


「これは記念に貰っても良いですか?部屋の飾りに良さそうだ」


「はい!どうぞ。教えてくれたお礼です!」


「ありがとう。それじゃあ他の生徒を見に行くよ」


 良かった。賄賂でなんとかなった。それにしても男性なのに部屋に可愛らしい物を置くんだろうか?いや、そういう偏見は良くないな。カワイイに性別は関係ない!でも意外に親しみやすい人かも?



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