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ケッペキショーの珍道中  作者: 朱華
もっと知ろうよスラム街
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35 パパに相談

しばらく新生活で忙しくて投稿できてなかった分これからバンバン更新する予定です。昨日の夕方にも更新してます。まだの方はそちらから読んでください。



 しばらく休んだ後、こうしていても仕方ないと動きだす。まずは大量にあるアクセサリーをクローゼットの引き出しに、ドレスやワンピースをクローゼットにしまう。それでも溢れた物は押入れに綺麗に畳んで片付けた。


 そして気が重いけどドンのところへマーヌッケの事を報告に行く。そろそろ夜ご飯の時間だからついでに食べながら話そう。今日の夜ご飯は料理長が魚料理を作ってくれると言っていたから楽しみだ。


 ドンを呼んで一緒に食堂に行って、白身魚のソテーを頬張りながら話す。お行儀が悪いのはこの際気にしない。


「ふぉん!あおへ、さっきいおふぉのマーヌッフェにあったんらねど、私がいとほだってばれひゃった」


「食べるか喋るかどっちかにしろ!何言ってるか分からん」


「ひゃい……ごめんね。なんかもう腹立っちゃって。いとこが突然やって来てお前みたいなのと血が繋がってるなんて恥ずかしいから自分の近くからいなくなれ。って、退学しろって言うもんだから。それもお父様を侮辱するような言い方で。お祖父様も私が生きてる事を知って、これから何をして来るか分からないし。なんかもう色々いっぱいいっぱいで……」


 口の中の魚を飲み込んで、俯きながらドンに今日あった事を話す。ドンはちゃんと真面目に聞いてくれている。それだけで少し落ち着いた。


「そいつは前に言ってた奴だな?本当に典型的な貴族のアホ坊って感じだな。お前の身の安全は俺達が保証するし、学園にも安心して通えば良い。どうせそんな奴に対した事は出来ないからな。だが、お前の祖父は宮廷でも顔が利く侯爵だからな。古狸は確かに何をして来るか分からん。孫娘を殺す事に躊躇いも無さそうだしな」


「そうなんだよぉ……既に一回殺されかけてるからね。一週間もほぼ飲まず食わずにさせた上、スラムの前に捨てたんだもん。普通の令嬢なら生き残れなかったよ。しかもあれ、夏場だったからね。ギフトで水が出せてなかったらスラムに辿り着く前に馬車の中で脱水と熱中症で死んでたよ」


「そうだろうな、よく生き抜いた。お前は強いからな。何かあったらすぐに俺らに頼れるのもお前の強さだぞ」


「そうかな?自分で解決できるならそうしたいけど、でもドン達の事は頼りにしてるから」


「ああ、頼れ。俺達も一緒に考えてやる。情報共有はしておくから、まずはあちらの出方を見てからだな。動きを見せればすぐに対応策を練るためにあいつらを集めてやる。むしろスラムにいる今で丁度良かったんじゃないか?」


「確かにそうかも。じゃあなんかあったらよろしくね。パパ」


「任せとけ。お前の婿候補もバシバシ使って選考の参考にしようじゃないか。一石二鳥だな!」


 そう言って豪快に笑うドンのおかげで和む。何かあってもこれなら大丈夫そうだ。心配事も減ってご飯が美味しい。


 ぐっすり寝た翌日、朝からさっそく南のギャングの縄張り一帯の掃除を始める事にした。昨日の内に全ての家々に伝達を終えたらしいのでクレームを恐れずに隅々まで綺麗にできる。そばにはギャングの中堅構成員が付き添って、申請された堆肥など除菌されては困る場所を教えてくれる手筈だ。


 話を聞いて既に物見高い人達が遠巻きに集まっている。ギャングの用心棒がにらみを聞かせているので近付けはしない。変に絡まれたりもしないのでそこも安心だ。


 手始めにアジトの周りの建物や道路から手当たりしだいに除菌・除去ギフトを掛けていく。この辺りはある程度お金のある人達が住んでいるのでそれほど汚れてはいない。移動して行くと歩くのも躊躇われるような汚い地面に血のこびりついた壁などなど、ギフトの膨大な光が溢れる。窓や壊れて空いた壁などから中が見える建物はそのまま、そうでない建物は住人に扉を開けて貰ってギフトを掛ける。ギフトに必要なイメージをつけるためだ。


 早歩きくらいの速さでどんどん進んで行く。広いスラムもギャングという錦の御旗を掲げていれば道を塞ぐものは誰もいない。昼前に縄張りの4分の1くらいが終わって、一度アジトに戻って休憩になった。


 今日はドンは一緒に食べられないと言っていたので、一人でお昼ご飯を食べようと食堂に行くと、そこにはドンの甥っ子で婿候補の少年がいた。




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