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第52話 フェリナスの森2

翌日朝


 ファイガ達は昨晩に食べ過ぎたらしくまだ寝ているので、俺は久しぶりに朝ぶろを堪能している。森林浴のような気持ちのいい風呂を、他の獣たちと一緒に入っているとハネカが、


【おはようございます、ミツヒ様】

(ああ、おはよう、ハネカ)

【本日は如何されますか、ダークエルフを捻り潰しますか?】

(あ、まだ根に持っているのか? 試合をするだけだよ)

【そうですか、では、魔剣ギーマサンカで試合を】

(ダメでしょ、それはダメでしょ、灰になっちゃうでしょ)

【いいじゃありませんか、浅黒いエルフの1人や2人。魔物数千体に比べれば、とても、それはとても、小さいことです、ミツヒ様】

(ハネカさん? 何か変わった? 大丈夫か?)

【問題ありません、ミツヒ様。十分お気をつけてください】

(ああ、わかった、ハネカ。気をつけるよ)


 風呂を出て部屋に戻ってからしばらくして試合場に行くと、エレミーヌさんが剣士の装備で準備運動をしていた。スタイルがいいと何でも似合うね。俺に気がついたエレミーヌさんは、


「おはようございます、ミツヒさん。昨晩はいかがでしたか?」

「ええ、ゆっくりできました」

「それは良かったですね。ではさっそく、お願いします、ミツヒさん」


 エレミーヌさんには、俺には魔法が効かないので剣技だけでやりましょうと提案したが、強さを見てもらうので実践的に魔法も使いたいと願い出たので、普通に試合が始まる。


 エレミーヌさんは、以前とは格段に違う凄い速さで踏み込んできて、ギインッ、と男も負けるほどの力強い一撃を打ってきて、一瞬で左に移りウインドカッターを放ってきた。軌跡を見て避けると想定していたようで、避けた方向にファイヤーボールを放つと、また一瞬で横に移る。俺も同じ方向に避けると、すかさず、ギインッ、ガインッ、と力強い2撃を俺に打ってくるけど俺が剣で受けた。それも想定していたのか、俺が受けた剣をはじき、懐に入り込んでくると剣では無く掌で俺に触ると。うわ、掌底だ。と避けたが追随され、発勁のような力が、ズドンッ、と放たれた。俺は吹き飛んだが、金剛があるので問題ないが、ある意味新鮮な試合だよ、楽しいな、いや、嬉しいな。そして今度は、エレミーヌさんが剣で、


「ギンギンキンキンキンキキキ」


 と撃って来たので俺が剣で受けていると、片手剣になりウインドカッターを放ち、また


「カンカンカンカカカカカ」と撃って来た。


 いやあ、強いな、相当強いよ、エレミーヌさん。最後に渾身の剣で、


「ギンギンギンギギギガインッガインッガガガガ」


 と打って来たがすべて剣で受けて、エレミーヌさんが力尽き終了。


「ゼエゼエゼエ、どうですか、ゼエゼエ、ミツヒさん、ハアハア」

「いや、強いですよ、エレミーヌさん、凄いです。俺の知っている中で一番強いと思いますよ、どれだけ鍛錬したんだか」

「ハアハア、それは勿論、ハァハァ、ミツヒさんの嫁に、フウフウ、なる為です、フゥフゥで、どうですか、ご一緒出来ますか、フゥ」

「強いのは認めます、確かに認めますが、同行は無理ですよ。相手が魔物を率いる魔族ですから」

「それでは、まだまだ、と言う事ですね。わかりました、もっと修行をしてミツヒさんに認めてもらいます」


 うーん、とりあえず今は諦めてくれたようだからこのままにしよう。しかし、強いな、エレミーヌさん。すると、いつの間にか起きて部屋を出て、ここまで来ていたファイガ達がいて、ユキナが、


(ミツヒ様、私とダークエルフで戦って見ませんか)

(え? ユキナが? 殺しちゃダメだよ)

(問題ありません、だた、怪我くらいはしますけど)

(怪我くらいならハネカに治してもらえるからいいけどね)


 俺は休んでいるエレミーヌさんに、


「エレミーヌさん、ユキナと試合をしてみますか? フロストタイガーですけど」

「ええ? やってみたいですけど、殺されませんか?」

「大丈夫です、多少の怪我くらいにはなりますけど」

「やりたいです、ミツヒさん。お願いします」


 そして、俺はエレミーヌさんにはユキナの攻撃魔法と手の内を少し教えてから始まった。


 いきなりユキナが、アイスランスを3連で放つと、エレミーヌさんは1本目を避け、2本目3本目を剣で受け流した。すかさずユキナが爪攻撃をするが剣で受け流し、至近距離からウインドカッターをユキナに放つと、一瞬で避けるユキナ。エレミーヌさんはそのまま踏み込み、剣で上段から振り下ろすと、知っていたように、サラリ、と避けて一度後退するユキナ。間合いを見て、ユキナが爪斬で、エレミーヌさんに攻撃するが剣で受け流されて、幻術の2人のエレミーヌさんになると、ユキナが幻影をアイスカッターで打ち消した。その隙を狙ってエレミーヌさんはユキナに踏み込み、ユキナが爪攻撃をすると受け流して懐に入ると、掌底をいれて、ドンッ、と打ち抜くとユキナが後ろに飛ばされる。でも半分はユキナが自分で飛んだかな。俺はそれを見て、


(初めてユキナが攻撃を受けたよ、それだけエレミーヌさんが凄いんだな)


 そして、今度はユキナが、アイスランスを打つと、剣で受け流し、ユキナが素早く近づいて牙攻撃をすると見せかけて、爪攻撃を出し、同時にアイスカッターを放つとエレミーヌさんんは、アイスカッターを間一髪、剣で受けたが爪攻撃を避けられず腹部に裂傷を負って血が噴き出した。そして終了。すぐにハネカに、


(ハネカ、エレミーヌさんにヒールを掛けてくれ)

【本当に治すのですか?ミツヒ様、これがチャンスでは】

(ハネカ? ちゃんとしような、治してあげて)

【畏まりまた、ミツヒ様。ヒール!】

「大丈夫ですか、エレミーヌさん」

「ハアハア、大丈夫です。ハァハァ、お陰様で傷も治りました。ハァハァ、まだまだでしたね」

「いやいや、エレミーヌさん。凄いですよ、フロストタイガーとここまで戦えるのはとても凄いですよ」

「フゥ、でも、大分手を抜いてもらったみたいですから、鍛錬不足を痛感しました」


 傍で欠伸をしていたユキナが俺にスリスリして来て、


(ミツヒ様、このダークエルフはそこそこ強いですね。久しぶりに当てられました)

(ああ、手を抜いてもらったようだけど、エレミーヌさんが強いのは十分わかった)

(以前のエルフと同じように認めてもいいです)

(そうか、ありがとうな、ユキナ)


 俺は休んでいるエレミーヌさんに、


「エレミーヌさん、さっきの俺とユキナに入れた掌底は、発勁みたいなものですか?」

「ええ、発勁かどうかは分かりませんが、鍛錬している時に徐々に出来るようになりました。手の掌を相手の体に触れた時に魔力を込めると言うか放つと言うか、うまく言い表せませんがそうすると相手にダメージを与えることが出来ます」

「凄いですね、こういう戦い方もあるんだ。と、俺も、とてもいい勉強になりました」

「いえ、ミツヒさんは初めてこれを受けて立っていられる事が凄いです。今までは全員、衝撃で最低でも気絶はしましたから。それに、この攻撃方法はミツヒさんと試合をする時の隠し攻撃だったのですが、ダメでしたね」

「たまたまですよ、エレミーヌさん。とても強かったです」


 その後、エレミーヌさんと軽く鍛錬して昼食を食べ、午後は里を散策したり、部屋でユキナ達とマッタリして過ごし、夕暮れも迫ってきたころにファイガ達を部屋に置いて風呂に行く。


(ファァー、この風呂もいいなぁ、自然と緑の中で入っている感じがたまらないな。いい湯だね、フゥ、癒されるよ)

【明日はお帰りですか、ミツヒ様】

(ああ、そうだね、そろそろ魔族も動き出す頃だろうから、ターナの町に戻ってギルドで情報を聞こうか)

【畏まりました、ミツヒ様】


 そして風呂で癒されて部屋に行き、夕食を食べるためにファイガ達と大広間に行くと昨日と同じように美味しそうな料理が並んでいた。ファイガ達は嬉しそうに肉料理を、ガッツガッツ、と食べ始めるのを見て、昨日みたいに食べ過ぎないように。と思ったよ。

 俺の座る場所は昨日と同じエレミーヌさんの横だ。今日のエレミーヌさんはとても綺麗な赤いワンピースで胸元が大きく開いて、たわわな物が、パッツパッツ、になっている。でもそれが似合っていてとても綺麗だ。すると察したハネカが後ろから俺の首に両腕を回してきて、ちょっと口が尖った口調で、


【今日はお気を付けくださいね、ミツヒ様、本当に、お気を付けくださいね】

(ああ、わかったよハネカ。大丈夫だよ)


 食事が始まり、長のヤオデさんとエレミーヌさんと談笑しながら食事をして、明日は帰る事を告げ、何事も無く終了した。そして部屋に戻ってユキナ達とマッタリじゃれ合って就寝。


(おやすみ、ハネカ)

【ごゆっくりお休みください、ミツヒ様】



 夜はまだ終わらなかった。

 寝静まった頃、部屋に1人入って来て、ユキナとファイガはすぐに気が付いたが、知っているかのように気にする素振りもせずに寝ている。そして、俺の横に入って来るとハネカが、


【ミツヒ様! ミツヒ様! 起きてください! エルフが!】


 俺は目を開けると、横にいるエレミーヌさんが抱きついてきたので、


「エ、エレミーヌさん? 何しているんですか?寝ぼけているんですか?」


 嬉しそうな笑顔のエレミーヌさんが、


「ミツヒさんが明日お帰りになるので、今晩は一緒に寝たいな。と思いました」

「それは不味いんじゃないですか?」

「問題ないですよ、長にも言ってきましたし他の仲間にも言ってきましたから。ウフフ」

「言ってきた? 一緒に寝るって言ったんですか?」

「はい、しっかりと。頑張ってこい、と言われましたが、ダメだったでしょうか。私はミツヒさんに嫌われているのでしょうか」


 悲しい顔になり、涙目になっている。そこにハネカが、


【今です、ミツヒ様。ダメに決まっているだろ、お前なんぞ嫌いだからとっとと去れ! と言いましょう。ミツヒ様、さあ今すぐ】

(まあ、ハネカ。興奮しないでさ。今晩だけだからさ許してあげようよ)

【またですか? ミツヒ様。またですか? ミツヒ様は、優しすぎませんか? 私だけに優しくしていただけたら嬉しいです】

(何か違う方向になってないか? でも、今晩だけね)

【グヌヌ、ミツヒ様は、もう、ミツヒ様は。グヌヌ、畏まりました、ウウゥ】


 ユキナもちょっと嫌な顔をしていたが、何も言ってこなかったな。

 そしてなんとか就寝。


翌日早朝


 俺は今、エレミーヌさんにガッチリとホールドされている。エリセもそうだけど、エルフはみんなホールドするのが癖なのかな。しかし、エレミーヌさんの、ムギュッ、としたものが、あ、いや、なんでもないよ。そして、空いている手でエレミーヌさんを軽く背中をトントンと叩きながら、


「おはようございます、エレミーヌさん」

「あ、おはようございます、ミツヒさん。ミツヒさんの体はガッチリしていて、スベスベで気持ちが良いですね、ウフフ」

「そろそろ、ホールドを解いてもらえますか」

「え、あ、失礼しました。ミツヒさんのお体が私にとてもフィットしていたもので。ウフフ」


 離れるエレミーヌさんの後ろにハネカが睨んで仁王立ちしている。そして、殴る殴る。でも、スカ、スカッ、と空振りになっている。俺は見ていない振りをして何気なくユキナ達の方に移動して、

(おはよう、ユキナ、ファイガ)

(( おはようございます ))


 そして何気なくハネカに、


(おはよう、ハネカ)

【おはようございます、ミツヒ様。私は我慢できる女なんです、大丈夫です】

(そ、そうか、それは良かったよ、うんうん)

【さあ早く、とっとと、ここから帰りましょう、ミツヒ様】

(ああ、そうだね、でも急がなくても帰るからさ)

【早くしないとこのエルフがまた何か仕掛けて来そうで気になって仕方がありません】

(ああ、わかったよ、ハネカ)


 その後、エレミーヌさんは嬉しそうに話をしていたが、そろそろ、と言うと後ろ髪をひかれるように部屋を出て行った。

 食事の後、ヤオデさんに挨拶して里を後にする。入口のある丘を歩いて行くと、入口のあるところで、エレミーヌさんが待っていた。そして、


「お帰りになってしまうのですね、ミツヒさん」

「はい、でもまた来ますよ、エレミーヌさん」

【来ます、ミツヒ様。避けてください、突き飛ばしてください】


 俺もわかってはいたが、可愛そうなので、顔を近づけてくるエレミーヌさんを避けず、キスされた。そして、離れると涙目のエレミーヌさんは、


「もっと強くなりますね、ミツヒさん。不束者ですが、待ちますね。それとも私が出向いた方が」

「つ、強いですよ、エレミーヌさんは。ま、また来ますね」


 会話になっていない気がするけど、このまま帰ろう。そして森に入って行くと霧が濃くなってくる。エレミーヌさんはずっとっ手を振っていたけど見えなくなった。宿は見当たらず、濃い森の中をハネカに誘導してもらって森の外に出た。一度ハネカに森の中を周囲感知してもらったが、魔物は1体もいないのを確認してからターナの町へ戻った。

 ターナの町に戻ると、ギルドに行ってカルバンさんに話をしに行き、魔物は討伐したことをつけると、


「ありがとう、ミツヒ。そして丁度良かったよ、いいタイミングで会えて」

「どうしたんですか、カルバンさん」

「実は今朝、魔族から、今度の赤い満月の日に王国を襲う、と王国に通達が入ったんだ」

「そうですか、次の赤い満月はいつですか」

「それがわかったら苦労はしないよ、ミツヒ頼めないか? あ、いや、これは独り言だが」

「ははは、ええ、いいですよ、明日にでも調べに言って来ます」


 そういって、ガイルの宿でケフィルさんに1泊をお願いして部屋に入ると、さっそくユキナが、お魚、と言ってきたので、はいはい、と皿を出し、リーブーの刺身を、ドン、と盛って油醤を、タラリ、と掛けると、バックバック、と食べ始める。次にフラットフィッシュのレイカの煮つけを盛ると、尻尾を、ブンブンと、それはもう、ブンブンと振りながら食べる。あ、クリーン掛けていないから埃が、まあ、いっか。最後にケッホの塩焼きを盛って終了。俺は風呂に行って癒され、食堂では、やはり周囲にチラ見されながらシチューを食べて部屋に戻った。あとはお決まりの、ハネカも交えたマッタリタイムを過ごし就寝。


(おやすみ、ハネカ)

【ごゆっくりお休みください、ミツヒ様】


翌日早朝

話のつなげ方をを四苦八苦しながら考えていますが、浮かんできません。

なので先日の通り、考える時間のため今回でお休みに入ります。

大変申し訳ありませんがよろしくお願いします。

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