第34話 スレギナの町3
翌日早朝
【おはようございます、ミツヒ様】
(おはよう、ハネカ、ファイガ、ユキナ)
(( おはようございます ))
布団を片付けて、装備を魔剣ギーマサンカに変更してからセーフエリアを出て進むと、さっそく、体長3m程で銀毛のミスリルグリズリーが現れた。俺はミスリルグリズリーの攻撃を、朝の運動とばかりに、避けて受けてを繰り返してから、セイッ! と剣で袈裟懸けに切断し倒して魔石を拾う。
16階層
体長2m程のレッドスコーピオンが3体現れ攻撃してきた。3体は尾から酸を飛ばしてくるが避ける。 ファイガは爪斬でザシュッ! と切断してパッと離れると、ボアンッ! とレッドスコーピオンが炎となって破裂したよ。
(何だあれ、最後に破裂して道連れにする気か。ファイガは知っていたのか?)
(はい、他愛もないことをする魔物です、ミツヒ様。我は耐性を持っていますので大丈夫ですが、こんな雑魚の攻撃を受けるのは屈辱なので避けただけです)
(え、雑魚ですか、ファイガさん。16階層の雑魚……了解しました)
ユキナも耐性はあるが、爪風で、スパスパッ! と切って離れ、ボアンッ! と破裂する。俺も酸の攻撃を避けつつ踏み込んで、ウリャ! と切断して離れ、ボアンッ! と破裂して魔石を拾う。
17階層
進んで行くと、体長4m程のジャイアントメタルアントが現れた。俺はジャイアントメタルアントの攻撃をガントレットの甲で受け止め、跳ね飛ばしてそれに合わせて踏み込み、軽く力を入れる感じで正拳を ジャイアントメタルアントに入れると、ドガンッ! と腹に穴が開いて倒し魔石を拾う。
18階層
奥に体長10m程のアリゲーターキングがノソノソと歩いている。今度はファイガとユキナが向かって行き、アリゲーターキングの攻撃をヒラリヒラリと優雅に避けて爪攻撃をしている。アリゲーターキングは必死になっているが、ファイガとユキナは弄ぶように爪攻撃している。なんだかアリゲーターキングが可愛そうに見えてきた。そして、そろそろかとファイガのライトニングとユキナのアイスカッターで、
バリバリバリッ! ドシュドシュッ! ヒュンヒュンヒュンッ! スパパパッ!
とアリゲーターキングを倒し、魔石を拾う。
19階層
体長3m程のメタルゴーレムとミスリルゴーレムが立っていた。ファイガとユキナにミスリルゴーレムを任せて、俺はメタルゴーレムと鍛錬をする。メタルゴーレムの体当たりをガントレットで受け止めると、反動もなくメタルゴーレムは吹き飛んで岩壁に激突する。再度攻撃してくるが剣で受け、避け、を繰り返し、ガントレットで受けて弾き飛ばす。そこにスロウソードを、フンッ! と投げて刺さり戻って来るが……石化しなかった。
(おお、メタルゴーレムは石化耐性を持っているのか)
【はい、ミツヒ様。ロック、メタル、ミスリルは元々鉱物ですので効きません】
(ふーん、なるほどね。了解)
メタルゴーレムの攻撃を受け流して、魔剣ギーマサンカで、セイッ! と切断し倒して魔石を拾う。ファイガ達も遊んでいたのか、俺が倒したのを見計らって、爪斬でザシュザシュッ! と倒したよ。さすがだね、俺は魔石を拾って進んだ。
20階層
体長5m程で赤毛の双頭のレッドオルトロスが奥にいて俺達を見ている。
(ハネカ、あれも破裂する類かな)
【はい、その通りです、ミツヒ様、それに風魔法と炎魔法です】
俺はレッドオルトロスに向かって行くと片方の頭からファイアボールが、もう片方の頭からウインドカッターを連射してきた。俺は軌跡を見ながらササササッ、ヒョイヒョイ、スッスッと避けながら近づきガントレットで軽く正拳を片方の頭に入れると吹き飛んだが再生してくる。俺は一旦距離をとって再生するのを待ってもう一度向かって行く。それを数度繰り返し、最後は魔剣ギーマサンカでレッドオルトロスの双頭をセイヤッ! と切断して倒し、魔石を拾う。
(ハアハア、いい鍛錬になったな、フゥ、楽しかったよ、ハアハア)
21階層
横穴がありセーフエリアになっていたが入らずに進む。すると奥から体長2m程で黒い10数体の人らしき魔物が現れて、何か、ボトッボトッ、と落としながらゆっくり歩いてくるよ。
(ハネカ、何だあれは、人? うわっ、キモッ。腐ってるよ)
【あれはグールです、ミツヒ様】
(嫌だなー、でも鍛錬だからやるか)
俺はスキルの身体加速を使って魔剣ギーマサンカで、スパパパパッ! と切断し倒して魔石を数個拾う。
22階層
奥から体長2m程の人らしき魔物が10数体現れた。
(またグールか、続けて出るなんて嫌だな)
【いえ、あれはゾンビです、ミツヒ様、腐っていないので】
(え? それだけの違い? でも嫌だな、ハネカ、よろしく)
【畏まりました、ミツヒ様。フルフレイム!ミニマム!】
ズゴゥーッ!
と、ゾンビ達を炎で焼却して倒し魔石を数個拾う。
23階層
奥から何やら、ガサガサガサッ、ゴソゴソゴソ、と聞こえてくる。あ、まただ、嫌な音が。ここにもいるんだ、まいったな。奥から体長60センチ程のレッドフラッターとメタルフラッターが数十体、ガサガサ、と向かって来た。
(うわっ、凄いねありゃ。仕方がない、これも鍛錬か、でもみんなでやろうよ)
俺とユキナとファイガで同時攻撃をして進んだ。メタルフラッターは切るだけだが、レッドフラッターは炎で破裂するので切っては離れ、ボアンッ! と繰り返す。炎耐性はあるが鍛錬なので避ける。気分的にも嫌だし避ける。ユキナ達も俺を見て真似して避ける。それを繰り返し倒した。でも、魔石はなんとなく拾わなかった。
24階層
体長1m程の黒毛の腐ったネズミのような魔物が10数体現れた。良く見ると死肉を、ボトボト、と落としながら向かって来る。
【グールマウスです、ミツヒ様】
(オエ、もうだめ、あれはもう嫌だ、あれで鍛錬したくない、ハネカ)
【畏まりました、ミツヒ様、フルフレイム! ミニマム!】
ズゴゥーッ!
と、グールマウスを炎で包み込み、焼却して倒し、魔石は一応拾っておこう。
25階層
体長2m程の黒いローブを纏ったエルダーリッチとボロボロの服を着たリビングデッドが現れた。あれくらいは許せるな、と向かって行き魔法攻撃を避けながら近寄り、魔剣ギーマサンカで、サクサクッ! と倒して魔石を拾う。
(なあハネカ、こんなに簡単に倒したけど、エルダーリッチとリビングデッドの強さはどれくらいなのか?)
【はい、ここまで来ると推測になりますが、2体同時に相手をした場合、8階層にいた冒険者が60人から70人は必要かと】
(げっ、ろ、60人? そんなに強いのか、この魔物)
【ウフフ、ですからミツヒ様がお強いのです】
(そんなに強くなった気がしないけど……でも上には上がいるから、まだまだ鍛錬だね)
26階層
ここにもセーフエリアがあったが入らず素通りして進む。
奥から体長8m程の蛇女が現れた。青髪、冷たい赤目で恐ろしい顔、体に蛇が4匹と剣を持つ魔物、ステンノー。俺はステンノーと攻防を繰り返し鍛錬したが、
(ハアハア、攻撃パターンが以前のステンノーと変わらないな、ハァハァ)
【はい、ミツヒ様。同じ魔物ですから変わりません】
俺が倒すのも何だからファイガに任せた。ファイガはしばらく爪攻撃で楽しむように戦っていたが、最後はフルフレイムで、ズゴーッ! と焼却して倒し魔石を拾う。
27階層
体長10m程の蛇女が現れた。緑髪、青目の恐ろしい顔、ステンノーの蛇より大きい蛇が2匹と槍を持ち、指3本で爪が鋭い魔物、エウリュアル。俺はまた攻防を繰り返して鍛錬したがあとはユキナに任せ、ユキナもエウリュアルに爪攻撃で戦っていたが最後はアブソリュートゼロで、ズゴーッ! パキパキパキッと凍らせ粉々にしたが魔石が出なかった。
念のためにハネカのフルフレイムで、ズゴーッ! と焼却したら魔石が出たので拾う。もしかしたら再生するのかな。と思っていたら、炎魔法が無く、シュンとなるユキナ。俺はシュンと下を向いているユキナの顔を持ち上げ、チュッ、とキスしてあげたら、あっという間に元気になったが、ハネカが、グヌヌ、と言っているのは気にしないでおこう。
28階層
奥から体長8m程のドラゴンが現れた。
(ドラゴンだ、デカいな、初めて見るよ)
【あの竜は皮膚が硬く高熱の炎を吐きます、ミツヒ様】
(高熱? じゃ、ハネカのフルフレイムじゃなくヘルフレイムくらいかな)
【そのようです、ミツヒ様】
俺はドラゴンに向かって行くと、ドラゴンの攻撃が来て、凄い高熱なのか青白い炎を吐き出したが範囲を見て避けながら進み、爪攻撃が来たのでガントレットの甲で、ガキンッ! と受け、少し俺に反動が来たがそれ以上にドラゴンは吹き飛んだ。起き上がり攻撃をしてくるドラゴンの攻撃を避けたり受けたりして攻防の鍛錬を繰り返した。
(ハアハア、いいなドラゴン、楽しくなってきた、ハアハア、もう少し付き合ってもらうか)
剣を取りかえてドラゴンと攻防の鍛錬を続け、最後はガントレットの正拳をドラゴンの腹に強めに入れたら、ドガンッ! と腹が吹き飛んで穴が空き、倒して魔石を拾う。
29階層
体長9m程で銀色の鱗のドラゴンで尾が2本ある、メタルドラゴンが現れた。
【ミツヒ様、あの竜は雷と炎を使います】
俺が近寄って行くとファイヤーボールを連射してくるが避ける。避けながら近づくとサンダーストームを放ってくるがその範囲を避けて踏み込み爪攻撃を剣で受け流し、攻撃しようとしたら2本の尾が同時攻撃してくる。1本は何とか避けたが1本は間に合わず剣で受けて吹き飛ぶ。また近寄って行くとファイヤーストームを放ってくるが範囲を見て避けて近寄り攻防を繰り返し鍛錬する。
(ゼエゼエ、このドラゴンはさっきのドラゴンとは別物だな、ハアハア、気に入ったよ、ハアハア)
俺はまた近寄って行くとライトニングを連射してきたが避けながら近寄り爪攻撃を避けると2本の尾が攻撃してくる。1本を避けてもう1本の攻撃をガントレットでガキーンッ! と受けたら衝撃は強かったが留まることは出来て、ドラゴンは吹き飛んだ。この攻防も数度繰り返し一度距離を取る。
(ゼエゼエ、これはいい鍛錬になるよ、ハアハア、でもこれくらいかな、ハアハア)
魔剣ギーマサンカに変えて近寄り、攻撃を躱しつつ踏み込んで、セイヤッ! とドラゴンの首を切断し倒して魔石を拾う。
30階層
進んで行くと、体長10m程のヒュドラ、キングヒュドラが出て来た。
(うお、テスタロのヒュドラとは大きさが倍だよ、首も太いし。これはキツイな)
頭が9個あり蛇の様にクネクネしている、キングヒュドラ。
俺はキングヒュドラに近寄って行くと9つの口から不規則に炎が来る。それを避けながら近寄ると9つの牙で不規則に攻撃してくるが避けてガントレットで、ギインッ! と受けるとその首だけが弾かれる。他の牙攻撃もガントレットで受けるとその首だけが後方に弾かれて戻ってくる。その攻防を繰り返して、キングヒュドラからいったん離れる。
(ハアハア、これは判断能力が上がっていいな、ハアハア。ハネカ、ハアハア、あのヒュドラも9つの頭を同時に潰さないと倒せないのか?)
【はい、その通りです、ミツヒ様】
(全部か……今の俺には無理だな)
【いえ、ミツヒ様ならすぐにでも倒せます。魔剣ギーマサンカを使えば倒せます】
(そうか、んじゃ、やってみるか)
俺はキングヒュドラに近寄り戦闘を始める。また炎を避けながら近づき、その横から他の頭が攻撃してくるので避けて踏み込むと不規則に攻撃してくる牙攻撃を受け流しセイッ! と1本の首を切断すると……再生しない。他の牙攻撃も受け流してハッ! と切断すると再生しない。結局1本1本切断して最後の一本もセイッ!と切断し倒した。
(ハァハァ、魔剣の力か、ハアハア、こりゃいいや、楽しかったな、ハァハァ)
【ミツヒ様、ダンジョン踏破おめでとうございます】
(( おめでとうございます ))
(フゥ、ありがとう、これもみんなのお陰だよ)
キングヒュドラの跡に、魔石を拾ってマジックバッグに入れると、その横に腕輪が二つ落ちているので拾って見る。一つはマジックバッグだね、もう一つは赤くキラキラと小さい綺麗な魔石がちりばめられている腕輪だ。
(なんだ? この腕輪は)
【それは腕にはめると炎魔法が使えます、ミツヒ様】
(へぇー、魔力の無い俺も出来るのかな)
【はい、魔石の力があるので魔力はいりません】
(なるほど、でも俺はいらないな。ハネカがいるしね)
【ウフフ、ありがとうございます、ミツヒ様】
何かあったら使おう、とマジックバッグに入れる。奥の壁に穴があり、入るとセーフエリアになっていて隅には転移の魔方陣があった。
(ハネカ、もう夕方かな)
(いえ、夕方を過ぎて夜になっています)
(じゃ、今日はここで寝て明日帰ろう)
セーフエリアの中をハネカに、クリーン、を掛けてもらってから、俺とファイガ、ユキナにも、クリーン、で綺麗になる。皿を出して、素のから揚げを盛るとバクバク食べ始める。俺も素のから揚げを食べながら次はタレのから揚げを盛ると、またバクバク食べると、やっぱり尾がブンブン振られる。最後は塩味のから揚げを盛って終了。ハグハグアグアグ、と食べて満足そうだ。俺も、サクサクホクホク、と美味しく食べて終了。
マジックバッグから敷き布団を出して並べるとみんなで寛ぎ、まったりして就寝しようとしたら、疲れたのか今日は寝つきが良いな、もう寝ているし。
(ハネカ、いつもありがとうな)
【滅相もございません、ミツヒ様】
(今の俺があるのもハネカのお陰だよ、感謝している)
【いいえ、ミツヒ様のお力です、私は口添えだけ】
(この先もよろしくな、おやすみ、ハネカ)
【ごゆっくりお休みください、ミツヒ様】
翌日早朝
次回は、閑話になりますが、よろしくお願いします。




