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第24話 テスタロの町2 

翌日早朝


【おはようございます、ミツヒ様、起床されるお時間です】

(おはよう、ハネカ、さっきから起きてはいるんだけど、フサフサの巨体が両方から密着して動けない。くっ、くっ)


 動こうと、モゾモゾ、していたら目が覚めたユキナが気づいてどいてくれた。すると遅れてファイガも起きた。

 布団をマジックバッグに入れて、朝食のホワイトラビットの串焼きを食べようとしたら、1日1食でいいと言っていた、ユキナとファイガが恨めしそうに、チラチラ、上目づかいで見るもんだから、あげたよあげました。皿にボアのステーキ10枚ずつ。食べ過ぎは太るからこれだけって言ったけど、嬉しそうに、ハグハグ、食べていた。

 準備が終わって奥に進むと20階層の長がいた。

 グリフォンだ。体長3m程の鋭い爪とクチバシを持つ4本足で歩く鷲だな。


(この階層から俺の鍛錬にさせてもらうよ、ダメなときは頼むからね)

【ミツヒ様、あの鷲は風魔法と雷魔法を使います】


魔法攻撃は加護があるので大丈夫なのだが、攻防も鍛錬なのでしっかり避ける。俺が近寄って行くと、グ リフォンのウインドカッターが、ヒュンヒュンッ、と飛んで来たが避けると、すかさずライトニングを放ってきた。が、それも軌跡を見て避けて近づくと、サンダーストームが来る範囲を見て回り込み、踏み込んで、ハッ、と切りかかったがクチバシで、ガキッ、と受けられる。すぐにグリフォンの鋭い爪攻撃が来て剣で、ギンッ、と受けると体を弾き飛ばされた。俺は一度距離を取り、一呼吸する。再度近づくとライトニングが、バリバリッ、と来たが避けながら近づき、続けざまに放ってきたウインドカッターも避け、踏み込むと爪攻撃が来るが、スッ、と避けて切り込むが、またクチバシで、ガキッ、と受けられると同時に爪攻撃が来たが、ぎりぎり躱して距離を取る。


【お手伝いいたしましょうか、ミツヒ様】

(ハァハァ、大丈夫だよ、ハネカ。ハァハァ、もう一度やってみる、ハァハァ、楽しいな)


 再度近づくとグリフォンは再びウインドカッターが来るが避けながら近づき、続けざまに放ってきたサンダーストームの範囲を回り込んで、スキルの身体加速を使って踏み込み、攻撃される前にグリフォンの首を、セイヤッ、と切断し倒した。


(ハァハァ、魔法が無いとキツイけどいい鍛錬になったな。フゥ、お、魔石と剣があるよ)


 グリフォンの魔石とその隣に深紅の色をした30センチ程の細い剣が出た。


(綺麗な色だな、ショートソードか)

【それはスロウソードです、ミツヒ様】

(投擲の剣なのか、でもこれ一つじゃ投げたら終わりだな)

【このスロウソードは魔剣です、投げても持ち主に戻ってきます】


 さっそく投げてみた。クルクル回って岩壁に当たって落ちた…………拾いに行く。


【ミ、ミツヒ様? その剣と契約をしないと戻ってきません。握り手の部分に穴があります、そこへ血を一滴垂らしてください】

(ははは、なるほどね。この穴ね)


 指を少し切って剣の握り手にある穴に血を垂らし、切った傷はハネカに治してもらった。

 そして、改めてもう一度投げてみた。するとその魔剣は意志があるのか、まっすぐ飛んで岩壁に、サクッ、と刺さり、逆再生のように勝手に戻ってきて、魔剣に向かって手をかざすと俺の手前でゆっくりと握り手が手の中に収まる。もう一度、今度は岩壁に的を決めて投げると寸分狂わずに突き刺さり、また俺の手に戻ってくる。的をイメージして投げるだけでいいみたいだね。


(おお、これはいいな、重宝しそうだよ。あとで鞘を作ろう)


 スロウソードとグリフォンの魔石をマジックバッグに入れて奥へ進む。


21階層

 森の中のように草木が鬱蒼と生えている。進む先には高さ3m程の植物が数本の触手をウネウネと動かして並んでいる、グレープラント。その奥にその触手が数十本あるテンタクルプラントが並んでいる。


(グレーの植物の触手は麻痺で、タコの触手は毒です)


 俺は触手の動く軌跡を見ながら避け、サクサク、と切って進んで行く。触手を1本も残さずに、サクサク、切って行くが魔石は出なかった。

 一番奥には同じ触手を持ち、歩きまわる植物、マンドラゴラプラントが現れた。違いは歩き回るだけなので、サクッ、と倒したら魔石が出て拾い、さらに進む。


22階層

 岩が至る所に点在する広いエリアに出ると体長1m程のサンダーラビット、ウインドラビット、ファイアラビットが岩陰から群れで現れた。


【あの兎どもは雷、炎、風魔法です、かなり速い動きをします】


 俺が行く前に、ピョンピョン、と高く飛んだり低く飛んだりと素早い動きで襲ってきた。放ってきたファイアボールを避けてファイアラビットを切る。放ってきたウインドカッターを避けてウインドラビットを切る。放ってきたライトニングを避けてサンダーラビットを切る。十数回繰り返すが、まだ群れが残っている。


(ハァハァ、だめだ、これだけいると面倒だよ、ハァハァ、この階層の鍛錬はもういいや、ファイガ、ユキナ、よろしく)

(畏まりました、ミツヒ様)

(畏まりました、主様)


 ファイガとユキナは楽しそうに軽やかに駆け回りながら、ドシンッ! バリバリバリッ! ゴオウッ! ドガンッ! ザシュザシュ、と、あっという間に魔物を殲滅し、その後から魔石を拾いながら進む俺。しかし、最強だけあってファイガとユキナは本当に強いね。


23階層

 他の階層より薄暗いが夜目があるので問題はない。が、また嫌な音が、嫌な予感が……。

カサカサカサッ、と体長50センチ程の蠢く体に艶のあるブラックフラッターとブラウンフラッターがワラワラといた。


(あー、いるいる。あー、ウジャウジャいる。黒いのと茶色いのが)

【あれは魔法も攻撃力もありませんが、数で攻めてきて対象を食べつくします】

(あ、これはハネカさん、お願いします)

【畏まりました、ミツヒ様、フルフレイム! ミニマム!】


ゴウーッ! と一掃して終了。魔石が出たが…………なんとなく拾わなかった。


24階層

 壁に直径50センチ程の穴が無数にある。所々の穴の中に体長1m程のキラーマウスとポイズンビーバーが入っていて、穴の前を通ると襲ってくるが軌跡を見ながら、ハッ! セッ! フッ! と倒していく。毒を吐くポイズンビーバーは避けて切る、避けて切って倒し、魔石も何個か拾った。その間、ファイガとユキナは黙って後ろをついて来る。


25階層

 辺り一面花畑だ。赤い花のポイズンフラワーと青い花のファントムフラワーが咲き乱れている。普通に見たらとても綺麗な花畑だね。


【この花は毒と幻惑で獲物を惑わせ動けなくして、ゆっくりと攻撃対象の養分を吸い取ります】

(エグイけど俺たちは耐性があるから何事もなく進んで行くだけだね)


 何本か切ってみたが魔石はでなかった。


26階層

 黒いマントのようなローブを着たエルダーリッチが現れ、ファイアーボールを撃って来たが避けながら近づく、ファイヤランスも撃って来たが避けながらさらに近づき、ハッ、と首を切断して倒す。が、すぐに繋がって起き上がる。今度は胴体を水平切りにして倒したがまた繋がって起き上がる。しばらく魔法攻撃を避けながら切断しては倒しを繰り返し、ハネカにファイヤランスで、ズドドドッ!と燃やし尽くしてもらって魔石を拾う。その間、ファイガとユキナは隅で横になり伏せて待っている。


【この先の魔物は不死です、ミツヒ様】

(了解、ハネカ、最後は頼むよ)


27階層

 体長8m程の蛇女が現れた。青い髪、冷たい赤い目で恐ろしい顔、体には大きい蛇が4匹と剣を持つ魔物、ステンノー。

 ステンノーに近づき剣を構えると体の蛇が攻撃してくるが避けて切る、が避けられ、他の3匹の蛇も攻撃してくるが俺の剣を上手く避ける。その最中にステンノーが剣で俺を攻撃してきたので剣で、ガキンッ、と受けたら吹き飛ばされた。


(フゥ、あの体で俺を飛ばすとは凄い力だな、それに蛇も厄介だ)

【あの蛇は毒、麻痺、石化です。噛まれたら離しません】


 ステンノーに再度近寄り蛇を攻撃するが、俺の攻撃が分かるのか、フワリフワリ、と避けて攻撃してくる。その合間にステンノーが剣で攻撃してくるが避けながら首を撥ね倒した。がすぐに繋がって起き上がるステンノー。しばらく攻防が続いて鍛錬を繰り返し、最終的にはハネカのフルフレイムで、ゴゥッ! と焼却してもらい、魔石を拾った。


28階層

 体長10m程の蛇女が現れた。緑色の髪、青い目の恐ろしい顔、ステンノーの蛇より大きい蛇2匹が体に巻きつき槍を持ち、3本指には鋭い爪の魔物、エウリュアル。


 俺はエウリュアルに近寄り攻撃するが槍で、ガキッ! と受けられ、蛇が攻撃してくる。それを避けると横から槍で攻撃してきたので剣で受けたら、この魔物も馬鹿力で、岩壁まで弾き飛ばされた。一度、身体加速で蛇2匹を切り捨てたがすぐに再生する。槍の攻撃範囲も広いし厄介だがいい鍛錬になる。ちょっと油断し、エウリュアルの攻撃を剣で受けるとすぐに弾き飛ばされる俺。何だか楽しくなってしばらく鍛錬し、最後はハネカのフルフレイムで焼却してもらい魔石を拾う。その間、ファイガとユキナは隅で横になって伏せて待っている。


29階層

 体長10m程の蛇女が現れた。頭が蛇だらけ、弓矢と鋭い爪の魔物メデゥーサ。

 近寄ると弓で攻撃してきたが、避ける。次の矢を構える前に首を切断し倒したが繋がって起き上がる。


(あー、可愛そうだけど一番弱いよ彼女)

(あの魔物に睨まれると石になってしまいますが、ミツヒ様は耐性があるので普通の蛇女です)


 馬鹿力や速さは同じなので暫く攻防を繰り返して鍛錬し、最後はハネカに、ゴゥ! と焼却してもらい、魔石を拾う。


30階層

 体長5m程のドラゴンの様だが、頭が9個あり蛇の様にクネクネしている魔物、ヒュドラ。


【あの竜は9つの頭を同時に潰さないと倒せません、それと炎を吐きます】

(あれ全部か、今の俺には無理だな、でもいい鍛錬だ)


 ヒュドラに近寄り戦闘を始める。すぐに9つの口から不規則に炎が来るが軌跡を見て避けて踏み込み2つの頭を、セイッ! と切断するが再生してくる。その横から他の頭が攻撃してくるので避けて剣で受け、飛ばされる。また炎を避けながら近づき攻撃を受け飛ばされる。再度炎を避けながら踏み込み頭の攻撃も避け、片足を、ハッ! と切断したが頭の一つが地面で支え倒れない。直後に他の頭が攻撃してきたので剣で受け弾き飛ばされる。


(ハァハァ、こりゃいいや、楽しいな、ハァハァ)


 すると、待っているファイガとユキナが、


(何かお手伝いいたしますか、主様)

(私もお力になりますか、ミツヒ様)

(ファイガもユキナもまだいいよ、俺の修行だからさ、もう少しやらせてもらうよ)


 ヒュドラに向かって行き、しばらく攻撃を鍛錬した。


(ハァハァ、これまでにしておくか、ハァハァ。今のところ俺には同時に3つの頭しか倒せないから、ファイガは左の2つユキナはその隣の2つ、ハネカは右の2つを頼むよ、俺の攻撃に合わせてくれ)

(((  畏まりました  )))


 俺はヒュドラに向かって行き、炎を避けながら近寄り身体加速を使って3つの頭を、セイヤッ! と切断し直後にファイガのファイヤランスがドドドッ! ユキナのアイスランスがドドドシュッ! ハネカのライトニングがバリバリバリッ! と残りの頭を潰し倒した。

 ヒュドラの消えた後には魔石と剣が落ちている。

 魔石を拾い、隣にある剣を眺めると、漆黒で艶がある1m程のロングソード。


【魔剣ギーマサンカです、ミツヒ様。この剣は切った部分の再生を阻止し、また、不死の魔物、ゾンビ、グール、デーモンを消滅し倒せます】

(魔剣か、それじゃ、さっきのステンノーとかも倒せるな)


 剣を拾い、握り手を持ってみる。両手で構えて振ってみると、いい感じだ。


(いいね、しっくりくるよ、鞘を作ってから使わせてもらおうかな)


 マジックバッグに入れる。そこでハネカが、


【踏破おめでとうございます、ミツヒ様】

(ありがとう、ハネカ。またしばらくここで修行だな)


 ヒュドラを倒した奥に穴があり入るとセーフエリアになっている。その隅には地上に転移出来る魔方陣が描かれていた。


(今日はここに泊まって明日帰ろう)


 ハネカにクリーンを掛けてもらい、マジックバッグから皿を出して肉を盛る。ファイガとユキナが美味い美味いと、ハグハグアグアグ、とバクバク食べ俺も肉を食べる。おかわりもドンと盛る。その間に敷布団を出して寝る準備をする。今度は敷布団をくっつけて並べたよ。


 そしてファイガとユキナのフッサフサに挟まれて就寝。


(明日は早くなくていいよ、おやすみ、ハネカ。)

(ごゆっくりお休みください、ミツヒ様)


翌日朝


次回も、よろしくお願いします。

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