表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユートピア  作者: バル
36/44

09

 これは僕のわがままだ。これは僕の欺瞞だ。僕はきっと怖れている。ジェーンを制圧することを。ジェーンが殺されるであろうことを。僕が殺さなかったとしても、誰か、ほかの人の手によってきっと殺される。個人情報を盗んだテロリストとして。人々を扇動して暴動を起こさせた張本人として。

 だから僕は、誰よりも先にジェーンを見つけなければならない。アルトゥールやアリスやダンプティよりも先に。僕はまだ、彼女に謝ることができていないのだから。

 僕は思う。もしあの時、ジェーンが回線を切る前に謝ることができていたのなら。

僕の心は、ジェーンに届いていたのだろうか。

 ジェーンの心を、少しは癒せていたのだろうか。


 昼も夜も見境なく矢継ぎ早に発生する暴動で、CISは二十四時間厳戒態勢を強いられるようになり、職員たちには疲労の色が濃く表れていた。

 暴動の手段は実にさまざまだった。

 原始的な木の棒。

 納屋にあった鍬。

 大昔に使われた狩猟用(ハンティング)ライフル。

 お手製の火炎(モロ)(トフ)

 さまざまな人たちが、さまざまな方法で怒りをぶつける。

 ついにCIS局長、ハムレット局長もしびれを切らし、僕たち管理部をどやしつける。もちろん極限までやさしさをこめた言い方で。局長もナノチップによって怒りを封じ込められた世代の一人。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ