一難去ってまた一難
しばらく経ち戻ってくる様子が無い為明は地上に降りた。
「最初は木の実なんて気付かなかったけど本当に良かった。本当に幸運が上がってるんだな。ありがとう閻魔様。この後も何があるかわからないから何個かもらっていこうかな。入れられることろが無いから二つにしておこう。」
両手に林檎のような木の実を持ち明は再び歩き始めた。
こちらの世界に来て何時間経ったかわからない。
「おなか減ったな~この木の実私が食べても大丈夫なのかな」
赤い実は明が手持無沙汰で撫でていたためがつやつやしている。
お腹の減りと疲れが明を誘惑してくる。
「でもさっきのモノ大声あげてたからなあ。でも動物は食べれないものをしっかりわかってるからな」
においをかぐと甘く誘うにおいがする。
「よし食べてみよう」
理性とは食欲の前では儚いものだを感じながら一口かじる。
「おいしい~」
酸味と甘み歯ごたえどれをとっても
「林檎だった~」
夢中でかじっていると後ろから再びガザガザと音がする。
暗さに慣れた目はだいぶ遠くまで見えるようになっている。葉や枝の揺れる個所がある。
「逃げなきゃ」
明は必死に走った。
目は慣れたといえど走りにくい森の中必死に走る。
しかし、急に視界が開け、明るくなったため目が開けられず躓いてしまった。
「痛」
手を突くも擦りむいて血が出てしまっている。起き上がり顔を上げると形容するのが難しいモノたちが4体近づいてきていた。
後ろに下がろうとして視線を動かすとこんな瞬間じゃなかったら喜んでいたであろう川があった。正確には川らしきものであったが…
「水量が少なすぎて足がとられるだけだし…剣になりそうな棒もないし…奇跡よ再び‼︎」
転んだときに手から離ればらばらになった林檎の実を掴み4体の異形のモノたちに投げた。
異形のモノたちは明の血がついた林檎の実を口でとり飲み込んだ。
「「「「うぎゃーーーー」」」」
大きな雄叫びを上げ森の中に消えていった。