閻魔様からの依頼
「ありがとう。じゃあ私からのお願いなんがけど剣と魔法の世界にトリップしてある人を探してほしいんだ。」
「厨二病の私にはご褒美なんですが」
「とっても大変なお願いなんだけどね〜。うんやっぱり君が良いよ。私のせいで辛い人生を歩ませてしまった人がいてね。謝りたいのだけど何かに遮られてここに来てくれないんだ。私なんかに会いたくないと思っているかもしれないけど…すまなかったと伝えたいんだ」
「わかりました。頑張ります」
にじり拳を作り意気込んで返事をする。
「そんなに力まなくて良い。君が君らしく生きてくれればきっと探し出してくれると思うんだ。本当は転生させてあげたいんだけどタイミングが合わないんだ。ごめん少し若返ってもらうようだけど構わないかい?」
「閻魔様のご随意にして下さい。」
「君は…。…言葉がわからないと困るだろうから其処はしっかりしておく。君は幸運な人生だったと言っていたね。君の第2の人生に幸運が多くなるようにラッキー運を上げておくね」
「ありがとうございます」
「10歳ほど若返る予定だから。いってらっしゃい」
目の前が白んでゆく。
「きっと探してみせます。閻魔様、また会えると嬉しいです」
「この人生を…」
明には閻魔様の言っていた言葉が聴こえなくて、美しい顔が悲しげに歪んでいたような気がした…
「私はね、君に伝えてないことがたくさんあったんだ。君もきっと私を憎むんだろうね。でもあの緩やかに破滅に向う世界を諦めることなんて出来ないんだよ。」