プロローグ
これは300年も前のこと
或る日空を渦巻いた黒い雲が覆った。
その中心から恐怖が湧き上がる。
人と共に暮らしていた心優しい動物たちは消え、
見た事もないモノ達が現れた。
人は成すすべなく恐怖に怯えたが一人の王はこの恐怖に立ち向かう。
自ら先頭に立ち異形のモノと戦い周りの者たちの恐怖を祓う。
しかしそんな王を嘲笑うかのように異形のモノをまとてる存在「魔王」がうまれた。
魔王の力は人智を越え、総ての攻撃を無に帰し絶望を突き付ける。
しかし王は諦めなかった。自分を信じ、家臣を信じ、国民を信じた。
そんな王に天は一人の女性をつかわした。
その女性は唯一無二の存在。
人々は其処に希望を見た。
王はその女性を神子と呼び王子と共に魔王討伐を命じた。
神子といえど魔王との戦いは苦戦を強いられた。
旅の途中で出来た仲間に支えられながら来る日も来る日も戦い続けた。
沢山のものを喪うなか神子も自分を信じ、仲間を信じた。
ついに魔王を打ち取った時、魔王は笑った。
「我を滅ぼしてもこの世界は変わりはしない」
魔王は最後に地に呪を放つ。
呪われた土地は腐海と呼ばれ、世界を蝕む。
神子は王子と結婚しても浄化の旅を進めた。
この戦いで喪したものたちへの慰霊の旅でもあった。
旅の間神子の頬はいつも濡れていた。その傍には王子が優しく寄り添っていた。
神子はその短い人生の中で沢山の功績を残す。
人々の生活をより良いものとした。
神子亡きあとは子供達が彼の地の浄化に当たっている。