高校生日記三冊目~告白~
この物語はオリジナルです。
「おはよう、吉岡君♪」
土曜日、約束の時間午前九時、桃香との初デート。桃香が家から出てきて元気にあいさつをしてくる。だが俺は・・・・・・一睡もしていない。
昨日の夜、遠足前の子供みたいに寝付けなかった。
(最悪だ、寝付けなかった。)
なんだか心配性になった気がする。この後無事にデートが終わるか心配だ。
「おはよう、桃香。今日も元気だね。」
だが今日のデート、失敗するわけにはいかない。
「うん。私はいつでも元気だよ。さっそくだけど行こうか。早く行って早く遊びましょう。」
俺はうなずき駅へと向かう、その途中。
「あの、桃香さん?これはどうゆうわけで?」
桃香は腕を組み、密着してきた。
「いいじゃない。今日はデートなんだし。」
いつものことだが言っても離れないだろう。だが、あのだな、胸が…/////
桃香はとても上機嫌だ。腕を組むとか予想外。
数時間たち、遊園地近くの駅に降りた俺たち。都会なんて久しぶりだ。
小さい頃に動物園に来た時以来かな。
都会に並ぶ高層ビルを眺めていると
「ほら早く、行こう。都会なんて初めて。青森は田舎だからね。」
そう言いながら、桃香ははしゃいでいる。
午前十一時。桃香の希望で近くのショッピングモールに来ている。
こんなでかいとこきたことねー。
桃香はあれもこれもと選んでいるが・・・
「今買ったら遊園地で移動とかたいへんだろ。帰りに買おうよ。」
この後のことも考えていってやると、しゅんとして(うん。)と言ってくれた。
駄々こねてたらどうしようとおもった。
午後十二時半。お昼を済ませた俺たちは遊園地に入った。遊園地はショッピングモールからすぐだった。
案の定俺は桃香に連れまわされる形になった。
ジェットコースタ、お化け屋敷など遊園地の定番な乗り物を乗りまわした。
桃香の遊び心に終わりはなく同じ乗り物を二・三度繰り返した。
途中で休憩もはさみ、写真も撮りながらいろいろなところをまわった。
空もオレンジ色になったころ、観覧車に乗った。
そして俺はここで行動に出る。頂上に登った時がチャンスだ。
心はドキドキしている。
そしてついにその時が。
「も、桃香。話があるんだ。」
すごい緊張する。
「何?改まって。」
言うんだ。言わなきゃ。ここで。
「お、俺。桃香が、桃香の事が好きだ。付き合って下さい。」
ついに。ついに、言ってしまった。
俺はそのまま続ける。
「俺、桃香と出会ってからいろいろ変わった。生活が、日常が一変した。それは、全部お前のおかげだった。お前がいたから俺は勇気が出せた。お前のおかげなんだ。だからこれからもずっと俺のそばにいてほしい。だめ、かな。」
桃香は黙っていた。外を見つめたまま。
「桃香は俺に勇気をくれた。今ここで告白する勇気も、だから振られても構わない。」
すると
「嬉しい。ありがとう。」
桃香は言った。
「告白されたの初めてだったから戸惑ったけど、答えはすぐに出た。」
え、まさか
「こちらこそよろしくね。光輝君。」
まじかよ。成功してしまった。
夢みたいだ。ん?ちょっと待てよ、夢オチでしたとかやめろよ?
そして桃香は俺の横に座ってきた。
桃香は俺によっかかるようにして観覧車の残りの時間を過ごした。
午後七時。ショッピングモール。
桃香が買いたがってた服や靴、ぬいぐるみなどを買ってると荷物が大変なことに。
合計金額の約三分の二が俺の金。しばらく金欠状態だ。
「さすがに多いな。そう言えば確か親父の会社ってこの近くだよな。迎えにきてもらうか。」
この量を持って電車はちょっとな。
「ごめんね。迷惑じゃない?私のお父さんの会社もこの近くだからお父さんに来てもらうけど。」
いやいや、大丈夫だ。とはいっても自分の家の車以外は酔ってしまうだけなのだが^^
「もしもし。親父?帰りはいつごろになりそう?」
(ん?今から帰るぞ?なんでだ?)
「近くのショッピングモールまで迎えに来てもらいたいんだけど。無理か?俺ともう一人いるんだけど。」
(ぜんぜんいいぞ。あと俺の知り合いも乗るから、がまんしてな。今から行くから、じゃ。)
ガチャ。いつもの事だが話が終わると突然切るのはやめにしてほしい。こっちからかけてるのに。
「どうだった?」
桃香が心配そうに聞いてくる。
「大丈夫だって。すぐくるみたいだよ。親父の知り合いもいるみたいだけど。」
そう答えると「ありがとう。」そう言ってくれた。
ブロロロロロロロロ....
車が来た。この音は親父のだ。早いな。
「さんきゅうな親父。」
「いいってことよ。のれ。」
車は大きなワゴンだ。これなら荷物も入る。
「宜しくお願いします。」
桃香が言うと助手席から。
「おう。乗れ乗れ御二人さん。今日は楽しめたのか?」
なんか気軽に話してくるおじさんが。だれだ?
「お、お父さん!」
桃香が叫ぶ。は?なんじゃそりゃ。
「はははは、若いっていいね~。」
そして俺の親父と、桃香のお父さんもまじって帰宅。
最後の最後にサプライズ。
ぶったまげたは。
こうして俺と桃香の初デートは終わり、恋人同士になった。
それから月日がたち三年に進学した俺たちは同じクラスになり。
青春の高校生活最後の一年となった。
桃香のおかげで人と話せるようになったが、俺の試練は終わらない。
三年になっても頑張るぜ。
読んでくれてありがとうございました。