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6.閑話 掲示板ネタ

はじまりの地の中央広場

それは、東西南北に延びる大通りの交点にあり

トシ曰くブラック企業にお勤めの方

武器クエストのあの人がいる場所でもある


その場所は交差点でもあり交流の場

当然のように個人店こと露店を展開している人

生産側に回ってそちらで一旗あげようとしている人などで

当初より賑わいを見せている


トシとリキもクエスト消化で一日何往復しているが

目的中によそ見をしない猪突な性格もあり、あの存在に気付くのに遅れていた


それに気づいたのは、3日目

トシとリキが別行動をした朝のことであった


「あれ・・・なんだろう」

人だかりを見つけ、足を止め

小さな声でつぶやいてしまったリキの声を拾った人たちが

掲示版のこと?と返している


「ああ、掲示板か、その存在すっかり忘れていた」

「でも、公式からはなんの連絡もないし

 特に重要視するネタもないから、今は大丈夫だな」

ふふ、と、笑う男は、この初期地点であるはじまりの地で

かつ3日しかたっていないというのに

重装備で固めた騎士というような風貌をしていた

どう見ても先発隊になりそうな人が、リキとの会話に加わった


「連絡は届くけど、一方通行ってことなんでしょうかね」

リキは、先発隊だろうと重いながらも気負わず返事をする

ログアウトの件、その他のバグ

秒1件はくだらない報告があるだろうと推測しているが

反応がなくては、それも緩やかになるだろうとも思っている

現に、リキ自身、なんらかのバグを見てけても

まぁいいか、と報告を怠るようになっていた


それに、システム上の重要なお知らせというのは

いわゆるチャット画面で文字で表示されるから

わざわざ掲示板を利用してまで確認しなくても把握できる


今のような会話は、文字での記録は基本行われず

その点が、眠ゲーが普通のゲームと違ったところだろう

会話は会話として音声で存在している


文字型に変換することも可能なようだが

今のところ、クエスト契約以外でそのような形になったことはないので

発動条件があるのだろうと踏んでいる


「送れているか、も怪しいが

 まぁ、信じて、何かあれば、送るようにはしている」

「デスゲではないから、出られないがテスター中だし

 楽しまないと損だからな」

「で、あの掲示板もその役目の一派を担ってるわけだよ、リキくん」

ふふ、と騎士は再び笑う

会話に加わったのは、ただの親切ではない

元から興味があった、という笑いなのだろう


「なぜ、愛称を・・・」

そう、通称リキは、リカルド・キースと、頭の上に表記されているが愛称ではない


「君と、君のペア、トシちゃんはなかなか面白いからね

 君たちの情報も待っている」

「はぁ・・・」

とん、と背をおされ掲示板に向けられる



ちなみに、人ごみでぶつかるということはないが

接触するという知覚をしているとき

そう、さわろうと思った時に相手にさわることが可能である


ただし、街中、非戦闘エリアでの暴力は効かない

魔法、爆弾などを使っての間接攻撃も不可

異性の接触も、ペアリングしている状態でなければほぼ不可能なはずである


「通常、ブログに書き散らかす

 または、掲示板に書き込むやつらが、メインだがな」


とんとん、と指先で、選択しつつ、騎士のガフは笑う

「ネタばれOK?」

「見つけるに手間かかりそうだから頼みます」

君たちの乗っている場所を示そうか?と言われガフにリキはうなずく

「種族別掲示板のこれ、多分、5ページあたりじゃないかな?」

「了解」

目を通していくと、のけぞるリキ

「目だってましたか・・・」

「目立たないと思うほうが間違いよ」

くすくすと、まわりの人たちが賛同し笑う

「さぁさぁ、あなたも書き込んで頂戴

 もちろん、普通にで結構よ」

妖艶なお姉さまが、にこりと赤い唇で笑う

リキの目にはその残像しかのこらなかっただろう


あわてて目を話、掲示板に向き直る


-----種族掲示板-----


種族掲示板は、同種族のものしか確認できません

種族内で共有したい情報を発信していきましょう


-----全体掲示板------


全エリア、種族で使用できる掲示板です

全エリアで共有したい情報を発信していきましょう



どちらも共通してあるのは

武器・アイテム関係

攻略関係である


文字掲示板のため、画像不可なため画像での地図情報は乗っていないが

旅人の道しるべという表題で通過エリアの敵情報やエリアからエリアの最短ルート

安全ルートが記されている


で、肝心のと、指差され、光っている表題をクリックする

1枚1000コメント、10枚までなので

めくるという動作をしてとりあえず、目的の場所を目指す


ちなみに、表題は、種族総合パート7だ

3日で6万コメントを消費してとは、その早さに恐れ入る


5-21 ただの陸人のようだ


 剥ぎ取りスキル発見

 推定だが、剥ぎ取り後の素材を、対象の屋台に持ち込めば

 剥ぎ取り用ナイフとスキルが確定する


5-22 ただの陸人のようだ


 新スキルktkrって、

 青髪の子?

 本人?


5-23 ただの陸人のようだ


 >5-22

 他人、隣に座っていたやつ

 可愛い顔で、「もらえるものを諦めちゃいけません」っていうから酒噴いたわ


5-24 ただの陸人のようだ


 もういや、この世界、変なところでリアリティ


5-25


 夢だからなぁ(笑)

 で剥ぎ取りスキル発動条件は?


5-26.27.28 ただの陸人のようだ


 シラネ


5-29 ただの陸人のようだ


 あの青髪の子に聞けばいいんじゃね?掲示板みてないのかな?


5-30


 あの子さ、結構謎だらけなんだよ

 泊まってる宿すら不明なんだけど・・・


5-31 ただの陸人のようだ


 まじで?


5-32 ただの陸人のようだ


 はじまりの地の宿屋なんて4つだぞ?

 それでわからないってどういうことだ?


5-33 名もないストーカー


 陸人自体不人気、1000人中130人のみ

 その内女素体は42人

 ステキな宿屋にほぼ集中して宿泊

 他は悲しいかな男連れで同室宿泊

 神は死んだ


5-34 ただの陸人のようだ


 お・・・おう


5-35 ただの陸人のようだ


 ストーカーさん、チースッ


5-36 ただの陸人のようだ


 ストーカーがストーカーの仕事してるwww


5-37 名もないストーカ


 彼女、トシ

 身長155センチ前後、体重不明

 少女じみた体が、大人へと変わりかけの魅惑の果実

 しかし、しかし!!

 名前から察するに中身は・・・いや、これ以上は・・・


5-38 ただの陸人のようだ


 うわぁぁぁぁ、いうなぁぁぁぁぁ


5-39 ただの陸人のようだ


 無茶しやがって・・・


5-40 ただの陸人のようだ


 でも、いつも男連れだよな

 リアルの恋人同士じゃねぇの?


5-41 ただの陸人のようだ


 つか、友人じゃねぇの男同士の


5-42 ただの陸人のようだ


 鬼っ

 夢ぐらい見させろよ・・・


以下、魂の慟哭


----


「読んだか?」

騎士ガフが堪えきれない笑いを声にのせて問う

「はい、そんなに目立ちますか?」

「キャラ自体はね、素体にちょっと色つけたものでょ

 まだ、アイテム自体、沢山見つかってないわけじゃない」

「はい、そういや、そっち系のアイテムって売ってるんですか?」

「一部を染める、とか、時間制限付きの耳とかは見つかってるわ

 後で、そちらの掲示板も確認したらいいわ」

「はい」

「で、話しそれたけど、君ら自動記録されてるわけだ」

「記録?」

「まぁ、ある種の達成記録だね」

「ボス討伐でもないのに?」

通常エリア拡大や、ボス討伐の達成者を讃えるための石碑がある


「スキル達成というべきじゃないかな」

「もしかして、初期武器・生産スキル

 俺たちが始めてなんですか?」

「そう、君たちの名前が挙がったのはそこからだね

 そこから注目度が高くはなったけど

 動きがおかしいんだよ」

「ええっ、先発隊の人に言われたくありませんよ」

今、リキに話しかけているのは

この初期にフルメイル装備の騎士ガフ

妖艶な美女は、見た目重視かと思われる指輪など小物

しかし、ステータス向上があるのは

結晶石や魔法石で推測できる


「遊び方は人それぞれだけど

 まだ、三日目でしょう?

 それにしては、あなたたちの行動は、他とずれているのよ」

「いえいえ、初期ぐらい全て獲得に走る人ぐらいはいるでしょう」

そう言うと、二人は、ふふ、と似た感じの笑いを零した


「それが、いないのよ

 他種族としても、あなたたちが一番初めのオールコンプリートよ」

「へぇ・・・」

絶対に他にもいると思ったんだが、と呟くと

「ほら、いつものベータと違うでしょう

 私たちも悪い所があるんだけど

 早めに方針きめて成長させないと、どうなるか解らないって」

「煽った」

情報をもとめ、掲示板を確認した人は

まんまと先発隊の思惑にのせられたようだ


「それに、難しくなかったか?」

「武器スキルですか?」

「そう、2.3つは私も取得した

 しかし、とればとるほど難易度が上がっている」

「そうですね、俺たち最終を弓にしましたが

 正直、補正が少なくて当たりが悪かったです」

「弓は初期値で、器用俊敏にステータスに振ってないと厳しいからな」

「ですよね、現在パラメーターは平均化なので

 その点は、どれもかわらないんですが

 タゲとって貰って、一メートルぐらいの接近戦じゃないと無理ですからね」

遠距離からの攻撃が基本であり、それが強みだというのに

攻撃をあてるには接近戦でないとできなった

それに、次の矢をつがえるまでのロス

魔法でいう詠唱時間がかかる故に、敵からすればいい的でしかない

「そこまでか」

「今日一人だとかなり苦労しました」

それでも、クエストをクリアしたリキもなかなかの根性である


「そういえば、トシちゃんは?」

「お使いクエスト中ですね

 じゃぁ、彼女にも掲示板のこと伝えておきますね」

「あ、フレンド登録いいか?」

ガフが手を伸ばして来る

握手で簡略申請ができるようになっている為、その仕草をするのは

二人の出会いでもそうだ

「あ、はい」

ぎゅっと握り、申請許可

ガフとフレンドリストに文字が増えた

ふわり、と後ろから、暖かさと重みがリキにかかる

「私も、ね」

過剰接触エラーとともに、どきと、心臓が跳ねる

「あ、はい」

と、申請許可を出す

「あら、つまらない」

ふふ、笑いつつ、離れて、ほっとするリキに、ちゅと投げキッスを送る


心臓に悪い、と役得という文字が頭にちらつくも

どう考えても、手の上で転がされるだけだろう

別れを告げ、家に戻る


はー、と深いため息と、リアリティのある感覚に

いろいろやばいなぁと、呟くのは今にはじまったことではない


ゲームだから

夢だから


さて、この世界で、彼はどう生きていくのか

そして、いつ救いはくるのか・・・

まだ、今はすべてが未確定だった


掲示板、読むのは楽でも書くのは難しいと感じました

そろそろ、ストックが、ないので

毎日更新が難しくなるかもですが、書きたいシーンはあるので

兎も角そこまではいきますよー


訂正 2013/10/30


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