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21.掴みでOK、照れ屋な精霊

「速報、天空門開放」

そう、大声で通りを走り抜ける人たちの声で目を覚ます


むくりを起き上がると、

窓をこつこつと叩く、鳥伝が気付いてと、体を膨らまし

自分がいることをさらにアピールして

ちょっと可愛いけど、うっとおしいです


うすら明るくなった空だけど、まだまだ早朝

眠くて仕方がありません・・・


「どうしたぁ~」と、目が明いてないのに

鳥伝に呼ばれてることはわかるようで、ふらふらとリキさんが窓に近づき

かちんと、解呪して、窓を解放した


ぶわりと、風が吹き抜け、鳥伝は哀れにも

そしてまぬけに、窓の桟から落とされ

ぽてりと床に落ち、くーくーと文句をたれるように

歩きまわり鳴く

リキさんは、丁寧に鳥伝を拾い、自分のベッドの上で手紙を受け取った


もふもふと、撫でながら内容を読むと

こちらに輝く目を向けてきた


「天空王者が、エリア開放した!」

先ほど走り去っていった人たちの声はまったく聞こえてなかったリキさん

トーヤさん、くるんじゃね!と

私の手をとって、はしゃいでます


まぁ、来るために開放されたのですから

来ると思いますけど

本日なのか、明日なのかが問題ですね


「トシの方には何も言ってきてない?」

「はい、まだですね」


速報というぐらいので、本当に今しがたの出来事なんでしょう


「お茶でいいですか?」

起きなくてはならないんでしょうけど

眠たくてたまらないんですけど・・・

かみ殺せない欠伸で、涙目になってしまう



「うん・・・いいけど、トシ大丈夫か?」

「はい、眠いだけですから」

「目覚まし飲む?」

「丁重にお断りします」


確かに、確認するとステータスに

睡眠がついてますが、あの美味しくない薬はごめんです


あと、一時間寝れば、オールクリアなステータスになりますから寝かせてください

・・・本当に


ふぅ、と、ためいきがこぼれちゃいます

イレギュラーなことに相変わらず弱いのを感じますね・・・


その後、いつも通りの時間が来たら、バッドステータスは消えて

普通に動き出すと


リキさんに心配されて、状態のことを話すと


寝てないのにおwかwしwいwww

気分の問題www

と、こんな風に笑われちょっとばかり腹がたちました


全く持って失礼な方です

きっと、私の中では、起きていても夢をみているような気分でいるから

状態異常ステータスになるだけで

感知の仕方がおかしいんですよと反論すれども

リキさんは、爆笑中で、もう、お話になりませんので

すっぱくなった、ヨーグルトを添えて

せめてもの仕返しをしました


そして、現在、トーヤを待っております

昼ぐらいに、回復及び支度ができたから迎えにいくとのこと

カナンの方の海人の解放はまだですが

これも時間も問題だというお話


空人が、他種大陸に行くことは可能ですが

他種族が空大陸に行くのはまだ不可で

ある種の一方通行となってるので

各大陸貫通が次の目標となるらしい


「しかし・・・暇ですね」

トーヤの行くから~は、一番信用がありません


一緒に買い物に行くから、と行って着替えて

リビングでお待ちしておりましたら

2時間たっても出てこられなくて

またゲームですかと見に行くと

爆睡されておられました・・・


親様、お疲れならば、出かけようと思わないでください


結局余所行きの服をきつつ、近所のスーパーに買い物にいきました


今回も、また・・・寝てるんでしょうか・・・


「こないなぁー」

とリキさんをはじめとする、友人の皆さま

英雄凱旋的な出迎えをしたいと

集まってたんですけど、ガセ?と、ざわめくのも終わり

今は閑散としていますけど

事実だということは確認できて

騒ぎは起こらなかったのですが

皆さん空気のぬけた風船みたいな感じになられてて

申し訳ないような、いたたまれない気分になってしまいます


久々のお祭り騒ぎですものね・・・


しかし・・・暇です


私はいつもの定位置、中央通り、十字路噴水広場の

噴水に腰かけてます


私のちょうど真裏には、初心者武器の時お世話になった方が

いつものようにいらっしゃいます

NPCの方にも同じような対応されてるので

この世界でも冒険者は生まれ続けてて

可愛そうな感じにはならないのがせめてもの救いというべきなのでしょうか


「リキさんも、用事すませてきていいですよ」

半分寝てますし、ここなら危険はないでしょうから


「・・・寝てくる・・・」

「はい、そうしてください」

リキさんは、今頃眠さが来てしまったようですね

私の状態異常の事笑えませんよ

だって、興奮しすぎて、眠さ忘れてました


って、どこのお子様なんですか


ということで、一人きりになりましたが

気を遣わなくていい分楽になりますね~


空は高く綺麗な雲が流れるように移動していく


「ポステの実、いらんかねぇ~」

と、流し売りのおじさんがいたので2つ程購入して

噴水で洗う


この噴水は飲めるぐらい・・・というより

初級の回復ポーションの十分の一と回復量はすくないけど

無料の水

なので、初めごろは、皆さんよく飲んでいたし

街の人たちも汲みに来る


本来の水汲み場所や、各家庭にある魔道具などもあるので

手間暇かけてもいい人が・・・と限定になっちゃいますけどね


でも不思議ですよね・・・

ただの水で、他のところは、そんな効果ないのに

他のエリアでも、回復の泉などがあり

浸かって回復して、リキさんがセーブポイントーと

変な曲を歌いながら喜んでました


手がなんか重たいですね・・・って

私のポステ実が、削れてます


ポステの実は、りんごとさつまいのもいいとこどりしたような

甘い果実です


秋限定のおいしいもののひとつなんですが

水に溶けやすい・・・とかあるんでしょうか

もう一つは、平気なんですが・・・


右手に持っていた、ポステを道具箱にいれて

削れていく場所をかしっと・・・つかんでみました


むに・・・という感覚・・・

んー・・・ちょっと気持ち悪いですし

なんか暴れているような


ポステにおさえつけるようにして、自ら引きづり出すと

べっちょりと潰れたゼリーが乗っかってました


・・・これは、なんですか


ゼリーは、うごうごと、小さく、そして次第に大きく震え

形を成していきますが

私に気付くと、逃げようとしました


駄目です、私は、そういうの嫌いなんです

ぱっと、瓶に救いとり、観察


氷でできた人形のような子

それが、怒ったり困ったり泣いたり、逃げてぶつかったりと

忙しいです


ちなみに、蓋は今したので、私が驚いてる間に上からなら

逃げられたんですけどね・・・


「あなたはだぁれ?」

私はじっと瓶の中の子を見つめる

びくぅと、して、私の目をちらりと見て、ぎゅっと目を瞑る


現実逃避ですね

昔、私も部屋の隅っこでこんな風になったことがありました

だけど、・・・悲しいぐらい

何もかわらなかったんですよね・・・

だって気づいていただけないんですもの


「それで、何か変わりますか?

 このまま、地中に埋めましょうか?」

そう聞くと、声はしっかり届いたようで

いや、と首をふって、顔をあげた

水の塊でも、ちゃんと涙が出るみたいです


「なぜ、捕まったかお分かりでしょうか?」

水になって、くるくる回り、もう一度カタチになる


それは、私が、見えたから、もしくは存在がわかったからということでしょうか


「いいえ、違います」

そういうと、しゅんと肩を落とし、首をかしげた


「私の、果実を食べたからですよ」

そういうと、はっとして、そういえば、みたいな顔をして

人であれば、青ざめているでしょう


「美味しいから、食べたくなるのはわかりますが私が購入したものです

 なので、あなたはつかまってしかられています」

そういうと、こくりと、深くうなずき

私をじっとみてごめんなさい、的に口を動かした

ぺたりと、ガラスに両手を合わせて

こちらをじっとみている

指先で、彼女の右手のところに触れる


冷たい感覚が伝わってくる

『許して、代償をはらうわ』

というかすかな声

「代償?」


こくりと頷く

彼女は、円状のものと、パンらしきものを交互にする

「お金でパンを買う?」

こくこくと嬉しそうに笑う

「お金を払うってことでいいかしら?」

それには、ふるふると、水をたゆたせ、飛ばしながら首を振る

可愛いかもしれない


円状のものを示し、×印

彼女はお金をもっていない

ならば・・・考えれるのは一つ


「私のために働く?」

〇っと頭の上で大きく円を作った


ぺたりともう一度、ガラスの壁に手を触れる

私も指先を添える


『好き』

と、言われた

心なしか、うっとりとした顔


えええ・・・私なにしましたか・・・



「トシ」

と、後ろから、抱き上げられた


「い・・・っやぁぁぁぁっ」

と叫んじゃいましたよ

なのに、この方、いいえ、トーヤは放すどころかしっかりとつかんで

頬すりして、キスをした


「会いたかった」

って・・・そういうのは、カナンにしてください


明日の掲示板にゴシップ記事がおどります!!!

やっと来ました親様たち

そして、連休遊びほうける上に、ストックなしの為お休みです

申し訳ないです

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