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20/27

19.親様、いまさら本気だしても遅いですよ?

親様から、通称鬼電のようなコールが来て

取ると、母親様の怒号のような声に

つい、切断した私は、悪くないと思います


とりあえず、鬼電コールは、無視して

冷静になって、静かな声でかけてきてください


と、放置してみました



まったく、困った親様たちです


「トシ、もう終わったのか?」

と、リキさんが、驚きつつ心配そうな顔

暴動は起きなくても心配なのは間違いないですよね


「いえ、あまりにもうるさいので、冷却期間を設けさせていただいてます」

そういうと、ぷすっとリキさんは笑った

「トシはかわんないね」

「そうでしょうか?」

「・・・怖くないか?」

「怖い、かもしれません、ですが

 まだ実感はありませんし、ここにいる状況で

 騒ぎ立ててもどうしようもないですよね?」

「そうだけど・・・」

とリキさんは、なんとも言えないお顔で、私をじっと見た


そして、深い深い溜息

「・・・駄目だ・・・俺のほうがまいってる」

「そう、みたいですね

 でも、それでいいんじゃないですか?」


そういうと、リキさんはびっくり顔

どうして、そんな顔をするんでしょうか?


「だって、俺は男で年上なのに・・・」

そういわれ、これが、やっかいな男のプライドってことなのでしょうか


「私はわからないから、怯えてないんですよ」

「え?」

「親様や、周りの方、そしてリキさんは

 デスゲームのなんらかの恐怖、それに付随する問題点が推測できてる

 だから、怖いんですよね?」

「・・・そう・・・なのかな?」

「私は、出られない、ゲーム内で死ぬと現実でも死ぬの2つの情報しか持っておらず

 かつ、出られない時に正直落ち込んで、ヤケ酒まで煽って

 ダメダメになったじゃないですか」

「それは、俺もだよ?」

「はい、一緒にダメダメになって頂けて安心しました」

そういうと、リキさんはいい顔で笑う

共感できる人がいると安心する時がある

あの時は、そうだった


今は、たぶん、共感しても、駄目な雰囲気ですし

私には本当にわからないので共感できません

それを偽って、怖いということもできませんし

そんなことをしたら、リキさんに伝わって

きっと私たちの関係は悪くなってしまうでしょう


「あの時、私は出られないのは、出られないと達観しました

 今回もそうです、死ぬなら死ぬなんですよ

 ゲームで考えるから不思議に思えることですが

 私たちの人生で、リセットもやり直しもききません

 死んだら死んだでそこまでなんですよ

 普通のことに絶望はしませんよね?」

リキさんを見ると、唖然という顔をしている


「お嬢さん」

と、誰かに声をかけられた

横を向くと、人が一杯いた

また、私は、会話で普通に話をしていたみたいです


このシステムに私はなかなかなじめませんね


「なんでしょうか?」

「ギルド フォージスの代表 グロウだ」

「はい、はじめまして、グロウさん

 私は、トシと申します」

「これは丁寧にありがとう

 盗み聞きをするような礼儀しらずをしてしまったけれど

 君の意見は、ゲーム脳な私たちに現実をみせてくれたよ」

「それは、よかったですね」

としか言いようがない、ゲーム脳とはどんな脳なんでしょうか・・・


「ふふ、お嬢さんにはわからない感覚なんだろうね

 君は変わってると掲示板で噂になっていたけれど、それはゲームをしていて

 ゲームに染まっていないからだろうね」

「そうかもしれませんね

 私のゲームの仕方は、少しばかり異なっているようですから」

それはリキさんをはじめ、こちらでの知り合いの方に言われた


「ここが現実ならば、死ぬのは当然か・・・

 ならば、死なぬようにして、宝を探すしかないということだね」

私はうなずく

「宝が何をさしているのか、あの文章では皆目見当が付きません」

「それについては、いくつかの質問を運営にした

 本来ならば、それを探すのもゲームの楽しみだが

 もしも、答えを持っている、または知っているならば

 聞かない手は、ないだろう」

と、グロウさんは、ぱちんとウィンクをした

「はい、答えを聞くのは、常ならばルール違反というより

 自らの楽しみを奪う行為ですが

 現状ではいいことだと思います」

「4日以内には、回答がくるだろう」

「そうですね」


「君のその意見を掲示板に書いてもいいかな」

「意見、ですか?」

「ゲーム脳な私たちは、現実を素として、ゲームであることを切り離せない

 ここに転生したと考えろということをね」

「私には、その感覚がわかりませんので

 わかりやすいよう、共感できるよう記載してください」

「ありがとう」

ぐっと力強く握手された


「死なずに帰ろう、そして、またこの地で」

彼の表情は真剣で、だが、同時に隠しきれない興奮が渦巻いてるのが見てとれる

この表情は、よくリキさんもする


「はい、またこの地で」

私は、手をにぎり返す

少しばかり握力が強すぎて、手を放された後も

じわんとした熱さと傷みが残る

彼はきっと、優しく握ったつもりだろう


まったく・・・紙装甲をなめないでください


「さて、そろそろ冷静になったでしょうから、電話してきます」

私は立ち上がり家に戻る



「トシちゃぁーんっ」

と、開口一番、半泣きになってるのはどうしてなんですか、親様たち


「普通にかけてください、うるさいのを嫌いなのを知ってするんですし

 周りの方に影響が大きい人がそういう態度なのは、好みません」

親様たちが、どれほど注目されているのか

こちらの世界にきて、掲示板をみたり

回りの人の情報で理解した


だから、二人が、こんな風に、パニック状態では

回りはさぞかしやきもきし、悪影響でしょう

特に、父親様は、岩戸隠れのように、部屋に閉じこもっているでしょうから

騎士の方々は、心配でたまらないことでしょう


「まずは、落ち着いてください

 そして、まわりを落ち着かせてください

 あなた方ならそれができるのでしょうから

 安全策を講じるか、宝物を見つけるかどうかはそちらの好きにしてください

 そのあと、ゆっくりお話ししましょう」

「・・・わかった」

母親様ことトーヤは、しぶしぶと言うように返事をし、電話を切る

「トシは、平気?」

カナンは心配そうに問う

「平気です、現在は、街から出ませんし転移門も使えます

 基本がはじまりの地ですら、回りの敵も弱いままという情報ですし

 変化はないみたいですから平気です」

「なら、いいの」

ふ、と気が抜けたように笑う父親様の顔が思い浮かぶ

繊細で優しい父親様

だけど、弱い父親様

騎士みんなのところに行ってください

 そして、ちゃんと守ってもらってください」

「そうするね」

そういってカナンも通話を終えた


醸造してたポーション、薬草が溶けだしたみたいだし

色も綺麗だからいい感じのランクになってくれてるはず

こういう時、この電話はいいと思う


何をしていても音は、混じらないから

きっと、鍛冶仕事して、ごんがんしてても、聞こえるに通話は問題なくできるのだろう

まぁきっと、鍛冶をしてる時に、集中力をとぎらすようなことをする人はいないでしょうけど


「終わった?」

「いいえ、まだですが、いったん周りの方とお話していただいてます」

「うん、それがいいと思うよ

 すげぇ騒ぎになってるみたいだ」

「・・・最悪です」


私は頭を抱える

周りが見えなくなる親様たちの行動は、ほんと害悪ですね


そのあと、いつものかっこいいトーヤと、綺麗なカナン姫に戻って

お話再開

全体大陸のゲートを解放するクエストに行ってくるとのことで

デスゲームの恐怖などはどこに行ったんですかな親様たち


一応ポーションはお送りしましたが

使わないですめばいいんですけどね

フレンドには、お手紙機能でプレゼントを贈ることができます

有効活用しましょう・笑


それでは、本日も楽しんでください~

私はくたばりまーす・苦笑

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