謎に包まれた紅い館
「ーーーというわけで、通してもらえないかしら?」
美鈴は気持ちよさそうに寝ていたけど、私たちが声をかけるとすぐに起きた。
「はっ咲夜さん!これは偶然ですよ!そう‥偶然……。あれ?霊夢さんと魔理沙さんじゃないですか」
「ここを開けてもらえるか?」
「最近は平和ですし、いいんじゃないですか?フレア様!お客さんを通しますよ!」
半寝ぼけのままそういって美鈴は後ろに声をかけた。門を開けると、水色の髪の少女が立っていた。
「ようこそ!紅魔館へ。客間へ案内いたしますので、ついてきてください」
私たちは、そのあまりにも完璧な対応にびっくりした。まさか、服装からしてフランの双子?いやでも性格的に……。悶々と悩んでいると、少女は白いドアを開けた。中は室内ガーデンのようになっていて、スノードロップやスズラン、バラなどが咲き誇っていた。咲く時期はおそらく魔法で調整しているのだろう。綺麗な客間、そのはずなのに、なぜか違和感がある
「なあ、机とか椅子はどこだ?」
それだ!この部屋には、植物しかない。真ん中あたりはスペースが空いているから、最近まで客間だったのかも知れない。
「それは、今から作りますので少々お待ちください」
「え?」
思わず声に出た。作るってすごい時間がかかるのに、お客さんがきてから用意するなんて。一体どうなっているやら。ちょっとした混乱状態に陥っているのにもお構いなしに目の前の少女は上機嫌で手をなびかせた。すると、なんとテーブルやイスが現れた。普通にいってしまったが、正直まだ理解が追いついてない
「えっと、マジックか何か?」
「そうですね……能力を応用したのでマジックとは呼べないかも知れません」
「能力を……応用?」
「はい。魔法で能力の隠れ効果を引き出すなどをすることで、能力を通常より強化することができます」
「へえー、そんなすごい技術があるのね」
思わず感心した。今度私も試してみようと思う。
「ところで、ご用件はなんですか?」
少女のこの言葉に、現実へと引き戻される。でも、魔理沙の方が早く反応したようだ
「紅魔館にフランの双子が帰ってきたという噂を、確かめにきたんだ。お前は……なんか、イメージ違いすぎるし噂の奴じゃなさそうだな」
魔理沙がそういうと、少女は申し訳なさそうにいった。
「あの、とても申し上げにくいのですが、私がフランの双子、フレア・スカーレットです」
「「え!?」」
思わず声が重なった。
「嘘でしょ!?新たな紅魔館ジョーク?!」
「DNA鑑定書見せましょうか?」
「本当なのね。って言うか、なんでDNA鑑定書あるのよ……」
「これには私も驚いたぜ……!」
本当にびっくりだ。確かに似ているとは思っていたが、性格が真逆に見えるこの二人が双子だなんて。
「で、もう一つの用件というのはなんですか?」
少女……いや、フレアは驚いている私たちを放って、次の話題へと進んだ。
「ああ、そうだったわね。えっと、単刀直入に言うとこの霧を止めてもらえない?」
「……それは、なぜですか?」
フレアは重々しげに聞いたけど、思わず頭がバグる。何を言っているの?そりゃあ、迷惑だからに決まっておるでしょう
「今回の霧は、範囲も狭く、人間や妖怪への影響は最小限に抑えられています」
「いいや、ダメだぜ。幻想郷は些細なことで崩壊するからな」
「そうですか……じゃあ、こちらも事情がありますし……」
フレアが立ち上がり、私たちは弾幕戦の覚悟を決めていたところ、一つの声がひびいた
「フレア様!お下がりください!ここは私が引き受けます!」
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