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突撃

 城から上がる火の手を確認した大久保忠世は、諏訪原城に急行。城手前の石川家成隊に合流。

石川家成:これは大久保殿。

大久保忠世:石川殿。指示は堀を埋めるまでであったはずでは?

石川家成:申し訳ない。前線の者共が言う事を聞かず、いくさを始めよった。

大久保忠世:丸馬出しは防衛拠点。仕方無い。戦況は?

石川家成:竹束が効力を発揮し、堀の無力化並びに丸馬出しの占拠に成功した。

大久保忠世:味方に被害は?

石川家成:敵が丸馬出しから撤退していたため、被害は無かった。ただ……。

大久保忠世:あの火柱は敵の策略であった?

石川家成:はい。建物と言う建物に玉薬が隠されておった。それも干し草の中に……。

大久保忠世:それで今の状況か?

石川家成:左様。

大久保忠世:これだけの火では、ここから入るのは難しいな……。

石川家成:脱出も同様であります。

大久保忠世:城方は?

石川家成:真田の三男と高坂の次男であります。

大久保忠世:となるとこの仕掛けは奴らでは無いな?

石川家成:私も同じ意見であります。

大久保忠世:この事態に陥った後の事を指示されているかどうか……。火の手は何処から?

「干し草のある建物は丸馬出しの外縁に集中していました。」

大久保忠世:となると奴らの目的は外と中を分断するためだな?

石川家成:はい。

大久保忠世:馬出しに居る兵の被害は少ないな?今、馬出し内部との連絡は?

石川家成:出来ています。

大久保忠世:ならば危険ではあるが……。

石川家成:突撃の許可を。

大久保忠世:生き残るためにはこれが最善。助ける事が出来ず申し訳ない。

石川家成:いえ。いくさを勝手に始めたのは我らにあります。その汚名をすすぐ機会を。

大久保忠世:わかった。


 石川家成は、丸馬出し内に取り残された部隊に突撃を指示。後ろに火を抱え。退路を断たれた石川隊は、竹束を盾に城門目掛け殺到。この様子に……。


高坂昌元:弓矢、鉄砲で奴らを追い払う事は出来ません。

武藤喜兵衛:突撃して来たか……。敵を分断するために火を用いたまでは良かったのだが、仕掛けは外縁のみ。内部の敵を倒す事は出来ぬ。それに……。


 火の手が強過ぎたか……。


武藤喜兵衛:生き残るためには前進するしか無い状況に追い込んだのは失敗であったか……。

高坂昌元:城門を開け、敵を追い散らしますか?

武藤喜兵衛:いや。敵の数が多過ぎる。今出たら、こちらも無傷では済まない。下手するとこちらが城の中に戻る事が出来なくなってしまう恐れがある。

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