表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/17

古巣

 光明城居るはずの無い武田勝頼。光明城にはあり得ない数の兵が飛び出して来た事により、徳川勢は大混乱。しかし城からの道は狭く、兵数の優位性を活かすまでには至らない武田勢。そんな状況を冷静に見つめる人物が。その人物の名は……大久保忠世。先頭部隊にはいくさの継続を指示した大久保は、残りの兵に対し武田の伏兵に注意しながらの撤退を指示。この動きに対し武田勝頼は、

「無理に追う必要は無い。」

と自重を指示。伏兵の役目を担った者共の安全を確保しながら光明城に戻ったのでありました。そんな武田勝頼と行動を共にしたのは……。戻って躑躅ヶ崎館。


高坂昌信:諏訪高遠の衆を使っては如何でしょう?諏訪高遠は殿の古巣であり、その当時の家臣も健在であります。彼らでありましたら殿との意思疎通に……。

武田勝頼:問題は無い。

高坂昌信:今回、殿は普段行動を共にされている甲斐の方々とは別の動きをされる事になります。殿が甲斐の方々以外で、殿の用兵を実現させる事が出来る。それもそれなりの規模を持った部隊を編成する事が出来。かつ此度通る道の途中にいる方々となりますと、諏訪高遠の方々をおいて他にはありません。諏訪高遠は南信濃同様安全地帯にあります。ならばお願いしない手はありません。

武田勝頼:叔父上(高遠以南を束ねる武田信廉)にお願いしてみるか?

高坂昌信:お願いします。

武田勝頼:いくさとなり、こちら優位となった場合はどうする?

高坂昌信:いくさとなる場所が狭く、規模を活かすには難しい場所であります。そして最優先すべきは光明城の安全確保と二俣城の後詰めであります。故に徳川が退却を試みる。光明城を落とすのは難しい。と判断したのであれば、無理に追い掛ける必要はありません。ただその際。

武田勝頼:何だ?申してみよ。

高坂昌信:どちらに向かって退却したのかによって殿の動きが変わって来ます。

武田勝頼:と言うと?

高坂昌信:二俣城に向かって退くのであれば、徳川は無理をしてでも二俣城を落とそうと考えている可能性であります。故に全軍で以て追い掛けて下さい。

武田勝頼:わかった。

高坂昌信:殿にお願いする事が増えるのは天方城(今の静岡県周智郡森町)方面に退いた時であります。ここでの徳川の狙いは……。

1、再び光明城を奪うべく武田勝頼が離れるのを待っている。

2、二俣城の兵糧が尽きるのを待ちつつ、もし武田が後詰を兵を出して来たら二俣光明両城に兵を進める。

武田勝頼:動くに動けなくなる。と言う事か?

高坂昌信:はい。そして我らが最も注意しなければならないのが……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ