ストライプ騎士学院
次の日には早速騎士学院に向けて出発することとなった。
何故かクロノも一緒に…
何故一緒に出発することになったのかノアオに尋ねると
「ま、気にすんなって」
とよく分からない誤魔化され方をされた。
トリノとノルンもせっかくだから都市の様子を見るのも社会勉強にいいだろうと気兼ねなく送り出された。
というわけで小さな馬車にヒューバート、ノアオ、クロノの3人が乗り合わせて騎士学院へ向かっている。
何も持たずに都市へ向かうのもなんだからと多少のお小遣いを貰ったのでありがたく頂戴して気に入るものがあれば買おうと意気込んでいる。
その間、ヒューバートはノアオに騎士学園の基本的な成り立ちやルールの話をしている。
聞いている限りだと元々は隣国との戦争が多く怒っている時に国内の兵力を高めるため、若い世代のうちから育成をするためにできたらしい。
今となっては大々的に戦争をすることもないし、この国相手に仕掛けてくるような他国もいないので実践力の強化というよりいつでも強い力を持っていると他国に牽制する意味合いで学院は運営しているとの事だ。
学院内のルールとしては貴族と平民が入り乱れる環境ではあるが家の力を使うことなく自分自身の力で強さを示さなければならないらしい。
とはいえ、貴族の方が幼い頃からの育成方針としてはしっかりとしたものがあるだろうし、やはり上位陣はほぼ貴族で固まっているとの事だ。
その中でもたまに平民が上位に混ざるがそのレベルの実力になると強さがものを言うためやはり問題なく生活ができているらしい。
後はいつでも試合を行うことができるが必ず立会人が必要で、公式的な学内のイベントの試合の際には先生が立会人を行っているとの事だ。
試合に関してはただ実力を見せつけ合うものもあれば時には何かをかけて戦うこともあるとのことで静かに学院生活を送ることはほぼ無理そうだ。
良かった、自分が選ばれなくてとクロノは心から喜んだ。
そんな話を聞いていると目の前に学院のある国1番の都市である、アルケミアが目の前に広がっていた。
生まれの村とは比べものにならないくらいの大都市で人があちらこちらに沢山いるし面積も村何個分だか分からないくらい広そうだ。
田舎者のノアオとクロノはその都市に圧倒されながらヒューバートの後をついて行って学院を目指していく。
人混みをかき分けながら進んでいくと目の前にこれまた大きな建物が現れた。
遠目からでもはっきりと見えるくらいの大きさで中央に剣のマークがついた大きな建物、その両脇には生徒や先生が住むようであろう寮のような建物が見えてきた。
「これがこれから兄さんが通うことになるストライプ騎士学院なんだね、とても大きいね」
「そうだなあの村にいたまんまなら一生お目にかかることはなかっただろうな。」
目の前の大きな学院を前にして兄弟はそんな会話をしていた。
その会話を聞いていたヒューバートはこの2人もちゃんと子供なんだなと思える1面が見れてうんうんと頷きながら2人を学院内へ案内していく。