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最強の兄弟  作者: 優木貴宏
通い場 F級冒険者編
72/624

苦戦、焦り

「やばい!」

「兄さんこっちへ!」

キマイラの咆哮による状態異常を恐れクロノの魔法で防ごうとノアオは駆け出すも1歩間に合わず咆哮の影響を受けてしまう。

クロノは何とか防げたもののノアオは一瞬の恐慌状態となってしまいその瞬間を見逃さずキマイラは突進を仕掛けてくる。

為す術なく突進を食らうかと思ったノアオだがクロノの風の魔法により無理やり身体を浮かびあげ何とか回避する。


「良くもやってくれたな!」

回避した次の時には恐慌状態は治っていたので空中で体勢をたてなおしキマイラの背中に向けて剣を振り下ろすノアオ。

しかし蛇がノアオを警戒していたようで剣が振り下ろされる前に電撃を放って来たため無理やり電撃を剣で薙ぎ払うノアオ。

ノアオに電撃は直撃しなかったがその勢いに飛ばされクロノと合流する。


「もう少し余裕だと思ってたけど想定より時間かかっちゃってるね。」

クロノは自分とノアオを癒しの風で包み回復を行いながらも苦戦を強いられていることに焦りを見せる。


「早くいかないとやべえかもしれないのに…」

同じように焦りを見せるノアオ。

2人が焦りを見せる理由はキマイラ相手ではなく別のところにあった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ノアオとクロノがキマイラと戦い始めた頃…


「今頃迷宮はどうなってるかしらね、さてさっさとやらせてもらおうかしら。」

謎の女性が目の前にある建物に向かって何かしらの魔法を放とうと準備を行う。


「これで今回の目的も達成ね。」

「火よ、矢となりて敵を打たん ファイアアロー」

謎の女性が魔法を打とうとする直前にどこかから火の矢が飛んでくる。


「火よ、壁となれ ファイアウォール!」

その矢を防ぐため魔法を中断し防御魔法を唱える。


「悔しいけどクロノの言った通りの展開になったわね。魔法学院に何か御用かしら?本来なら迷宮へ行っているはずのC級冒険者のメルバさん。」

突如現れたアルナは事前にクロノから聞いていた通りの展開になっていることに若干驚きつつも目の前で魔法学院に向けて何かしらの魔法を放とうとするメルバ相手に詰め寄る。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


同時刻

「この一撃で我ら魔族が救われる未来が訪れんことを」

「そうはさせない!」

ストラは手に持った剣になにかの力を込めて目の前の騎士学院に向かって振りおろそうと構えた瞬間どこからかナイフが飛んできた。


「ノアオ君、君は一体どこまで読んでいたんだか?申し訳ないけど貴方に好き勝手させる訳には行きません。この僕が相手させていただきます。このキール・シュベルトが!」

騎士学院ではキールがストラと相対していた。

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