学院間模擬戦 クロノ達
「クロノ調子はどう?」
アルナが明日に控えた模擬戦の様子について聞いてくる。
「大丈夫です、ここまでやって勝てなければそれは兄さんがそれだけ強かったとということになるだけです。」
クロノは自分自身は問題ないと話す。
「そっか、クロノの相手はノアオで確定だとして私は誰が相手かな…やっぱりアルスターさんかしら…自信ないな。」
明日の相手が気になっているようで前評判通りにアルスターが来たらどうしようと悩むアルナ。
「アルナさんなら大丈夫ですよ、流石に兄さんが相手なら無理ですけどそれ以外なら恐らくは。」
クロノはアルナなら問題ないと励ます。
「そうは言ってもクロノは1度アルスターさんの戦いを見た事あるんでしょ?ノアオと同レベルだったって聞いてるけどそんな人が相手ならやっぱり勝てる自信なんてないわよ。」
アルナは騎士学院でもトップレベルの学生という噂と過去にノアオと引き分けたという話からどう考えても自分じゃ相手にならないのではないかと考えて悩む。
「いくら悩んでも進めませんよ。立ち止まるくらいなら1歩ずつ進みましょう。いつでも僕は隣にいますから。」
クロノは悩んでいるアルナに優しく手を差し出す。
「年下のくせに…ありがとう。」
アルナは頬を赤らめながら差し出された手をしっかり握る。
「そこでイチャイチャしてないでさっさと進んでくれないかな?」
「まあまあ、落ち着いてトラビス。2人のイチャイチャなんて今に始まったことじゃないんだから。」
いつの間にかトラビスとパラがクロノ達の後ろで立ち止まっていた。
クロノ達のイチャイチャで通行が妨げられていたようだった。
「その様子なら明日は余裕かな?頼むよ、クロノとアルナさんがいる今年が最大のチャンスなんだ。騎士学院に勝って見せてくれよ。」
トラビスは半分茶化しながら2人を鼓舞する。
昔よりかなり性格がやわらかくなり時間がある時はパラの情報収集の手伝いを良くしているようで人付き合いがしやすくなったと周りの人間がトラビスについてよく話していた。
「トラビスだって個人戦に出るんだから頑張ってよ。こっちにだけプレッシャーかけて負けるなんて許さないからね。」
アルナはこちらばかりに言うのではなく自分も頑張れとトラビスに言葉を返す。
「そうだな、先にあるのは個人戦なんだからトラビスが先に頑張ってくれないとな。」
パラもトラビスが先に頑張れと話す。
「あんまり追い込まないで欲しいです。できる限りはもちろんやりますから。」
トラビスは逆にプレッシャーをかけられたことに若干緊張しているようだった。




