模擬戦参加のために 力だけじゃない
「まさか、あのタイミングの攻撃を躱す余裕があるなんて。」
ノアオは自分の攻撃が躱された事に驚き、カハルは見た目よりももっと速さを持っているのだと理解する。
「かなり動きが早いタイプだな。油断してたらあのタイミングで終わっていたが流石にそういう訳にはいかねぇな。」
カハルは冷や汗をかきながら次の攻撃の体勢を整える。
「今度はこっちの番っすよ。」
攻め続けていたカハルに対して攻撃のターンを入れ替えたかのようにカハルに向かって攻撃を繰り出すノアオ。
下段、中段、上段を連撃でそれぞれ狙った攻撃を行うもカハルは冷静に全ての攻撃を受け止める。
パワータイプでありながらスピードとテクニックもかなり高いと感じるノアオはアイスさんの相手をしてもらうのにちょうど良いと感じる。
このまま負けるわけには行かないとノアオは攻撃のスピードを1段階あげる。
カハルはその速さをたしかに感じ取り剣で受ける受けるタイミングが段々とギリギリになってきていた。
それでも受けきっているカハルを心の中で褒めるノアオ。
「たしかに速さはあるみたいだがこんなものなら負けることはないな。もっとレベルを上げて来れば俺に勝てるようになるかもな。」
ギリギリでも受けきっているカハルはノアオに対して余裕を見せる。
「そうっすか、褒めてもらって嬉しいっすけどいつまでもこのままにしておくのは良くないと思うんで終わらせちゃいます。」
ノアオは更に速度を上げてカハルの守りが追いつかない速さであちこちを切っていく。
「なんだ?この速さは!」
半分以上速さについていけずに受け止めきれていないカハルは驚きながらもできる限り対処するが確実に切られている範囲が増えていく。
肩から腰から足元から全身を少しずつ切られて行くカハルはどうすることもできずに段々と弱っていく。
「このまま受け止めてるだけじゃ勝ち目は無い!ならば一矢報いて一撃を決めて見せる。」
カハルは受け止めるのを更に少なくして反撃の一撃を狙ってタイミングを測っていた。
「ここだ!」
ノアオの攻撃が回転斬りで速さのある攻撃だが一瞬背後をむくタイミングでカハルは距離を取りノアオの攻撃を躱してカウンターで一撃を決めに行く。
だが、ノアオにはそんな攻撃が読まれていたので回転斬りのタイミングで距離が離れている事を想定してカハルに向かって大きく飛んでくる。
カハルは距離を取って躱す想定だったのでこのタイミングで距離を詰められた事に対する手段がなくそのまま回転斬りを脇腹に直撃させてしまった。




