勝負の時 見送るカナメ
修了式が始まろうとしている最中、2人は通い場で様子を伺っていた。
「キールさん、やっぱり私…学院に行きます。クロノを放ってはおけません!」
アルナは思い詰めた顔で待機している通い場から出ていこうとする。
「ちょっと待って、君ならそういうと思っていたし私もノアオ君を放っておくつもりは無いよ。場長さん、良いですよね?」
キールはアルナを止めるつもりがないと言い傍で話を聞いていたカナメに声をかける。
「仕方ねえな、さっさと行って何とかしてこいよ。何かあってもこっちは任せろ。」
カナメは最初から2人がそういうと思って2人を快く送り出す。
「行ってきます。」
「アルナ君ちょっと待って!カナメさん、あとはお願いしますね。」
勢いよく飛び出すアルナを引き止めてカナメに通い場を任せて出ていくキール。
「待ってくれアルナ君、学院に行こうとしているのはわかるが出来れば私達は入れ替わるべきだ。相手が魔法使い同士ならあまりフォロー役にならないかもしれない。かくいう私もノアオ君のフォローにまわるとしても実力的についていけずに無意味になるかもしれない。それなら私達はお互いにフォローを変えた方がいいと思うがどうかな?」
キールは今にも駆け出しそうなアルナを引き止めてお互いのフォローを入れ替わるのはどうかと話をする。
「キールさんの言っている事は分かります。それでもあの時に特訓で協力しあった動きが出来ればきっとそれだけ力になれると思うんです。私はクロノを死なせたくない…」
キールの言っている事もわかるがメルバとストラ相手に特訓した時の協力の動きが出来ればそれだけ力になると力説するアルナ。
そんなアルナを見て止めることは出来ないと悟るキール。
「わかった、それならお互い無理せずにね。無事に4人でここに戻ってこよう。」
キールはアルナを止める事をやめてそれぞれの学院に向けて歩みを進めることにする。
「本当にいいんですか?ここで他の所に何か動きがあったらどうやって対処するんですか?」
ミアナは2人が飛び出して行くのを確認してカナメに声をかける。
「仕方ないだろう、若者が自分の思う気持ちを抑えられずに突き動かされるなんて当然なんだ。それを俺たち大人が何とかするしかないのさ。」
カナメはかっこいい事を言いながら煙草を思いっきり吸って見せる。
「ではこの先は何かあったら通い場長として何とかしてくださいね。私達はいぞかしくて手伝えませんからね。」
ミアナはかっこいいことを言って見せているも何かあったら確実に頼ってくるのが目に見えていたので冷たく言い放って場長室から出ていく。
1人残されたカナメは頼ろうとしていたのが読まれていた事を感じ、静かに煙草を吸ってみせるのだった。




