魔法試験
「やっときたか、待ってたぜ。」
赤髪の筋肉が程よくついた、あまり魔法使いには見えない人が3人を出迎えてくれた。
「すまない、またせたねレオン」
「今日試験を受けるのは…杖を持ってるそっちの子か、わざわざヒューバートが推薦してくるくらいだから結構楽しみにしてるんだぜ。」
ヒューバートはレオンと呼んだその男性と握手を交わし、レオンは3人を笑顔で出迎えてくれた。
「…よろしくお願いします。」
変わらずやる気は無さそうだが礼儀正しく挨拶をするクロノ。
「さて、早速だが1人試験を待ってる子がいるから試験会場に向かうぞ。」
レオンは先導して試験会場まで案内してくれた。
「一応聞くんですけど、試験ってどんな内容があるんですか?」
クロノは後をついて行きながら質問する。
「答えられる範囲で言うと魔力の測定、魔法の実技試験くらいだな。後はその年によって結構内容が変わったりするからな。」
そこそこ広い学院を先導しながら質問に答えるレオン。
「さて、ここが試験会場だ。」
「またせたかな!?こちらも連れてきたぞ。」
クロノたちの先導が終わり、先に待つ試験を受ける予定の女性とその女性をスカウトしてきたであろう先生が待っていた。
「全く、遅かったですね。これで全然だめな人を連れてきたとしたらどう責任をとるつもりなのやら。」
イライラした態度で待っていた先生は今来た4人に悪態をつく。
「…」
綺麗な茶色の長髪をたなびかせる試験を受ける様子の女性はこちらを全く気にする様子もない。
「まあそういうなって、ソマリだってたまに人待たせることくらいあるだろ。」
レオンはイライラした先生に向かって声をかける。
「私が待たせるのはいいのですよ、使えないのに私を待たせるようなやつが気に入らないだけです。」
こちらを睨みながらソマリは変わらず悪態をついた。
「さて、いつまでも子供の喧嘩のようなことしてないで試験を始めますよ。」
後ろから試験官であろう先生が新たに声をかけてきた。
「今日の試験はお2人ですね、私はカウフと申しまして本日の試験を担当させていただきます。
よろしく。さて、本日の試験を受ける方はえー…クロノ君とアルナさんですね。」
「「はい」」
呼ばれた2人がしっかり返事をする。
「それでは2人以外は少し離れていただいて、まずは魔力の測定試験を行います。気負わなくて大丈夫ですので今のお2人の力を見せていただきますね。」
カウフは試験官として2人に準備をしながら声をかけた。




